2026年9月定例議会個人質問
2026.09.17
1 災害対策について
全国で自然災害が相次いで起きています。確か今日、岡山でも大雨が今朝降って、ダイヤの乱れがあったとも聞いておりますが、毎日のようにこの大雨、豪雨災害が聞こえてくるところであります。先月、熊本地震を受けた八代市へ行ってきました。八代市役所、ボランティアセンター、避難所等を回ってきて、本当貴重なお話を伺うことができたわけであります。この酷暑、猛暑の中での大規模災害対応というのは、多分日本で初めてだったのではないでしょうか。これからも予測不能な事態が予測されますが、熊本地震については10年経って、再び起こってしまいました。岡山市においても、あの豪雨災害から8年が経ったところです。被災者がストレスなく生活できる避難所づくりについてお聞きします。
今回、八代市の避難所で感じたことは、被災当事者である市の職員が運営すること自体、これを改めるべきじゃないかなと思ったわけです。8月30日のNHKのニュースでは、産業医科大学の医師や保健師などでつくる支援チームが、自治体職員の健康状態を把握する検査、健康状態を把握して対策につなげようと8月4日から27日までの間、熊本地震で被災した自治体の職員を対象に疲労の度合いを分析し、このうち八代市、宇城市、氷川町から得た2628件のデータを分析したところ、体調不良や判断ミスが起きやすい高い疲労の状態だったのは24%に上がる一方で、医師などへの相談を希望した人の割合は0.3%にとどまり、必要な支援につながらない恐れがあることが分かりました。発災から1ヶ月の時点でも1日も休めていないとか睡眠が5時間未満という回答が見られ、分析を行ったチームはこのシステム自体を利用していない職員もいるから実態はより深刻ではないかとしています。
1 現在岡山市の職員が開設・運営するこの避難所についての概要と内容、課題についてお聞きします。
2 人の尊厳である食・排泄・入浴・就寝・プライバシーの確保など、これらの質を上げていくことが必要ですが、現状どこに課題があって、どう改善していこうとお考えでしょうか。
1、2理事答弁
市立小中学校や公民館など、市内175箇所の指定避難所は、災害発生時に、避難所担当職員が開設・運営を行います。避難所では、避難者の受付・名簿作成を行い、食料や飲料水などの支援物資の提供のほか、避難者の生活スペース、衛生環境の確保、健康状態の把握、要配慮者への支援などを行い、避難者が安心して生活できる環境づくりを行うこととしています。
避難所の課題として、暑さ寒さ対策、プライバシーの確保、トイレや入浴・就寝環境、避難生活の長期化による避難者及び運営職員双方の心身の負担軽減などがあります。これらの課題に対し、空調が整った特別教室の活用や備蓄しているスポットクーラー、毛布での暑さ寒さ対策、パーティションでのプライバシー確保、簡易ベッド、簡易トイレや排便収納袋の配備など、避難環境の向上に努めています。また、避難生活の長期化など、本市の職員だけでは対応が困難な場合には、受援計画に基づき、他の自治体等からの応援職員を要請し、対応することとしています。なお、中学校体育館のエアコン整備は、現在進めているところであり、また、入浴施設については、現在市内の事業者との協定締結に向け、協議を進めているところです。
3 電力設備の備えはいかがでしょうか。その利用についても、体育館だけで足りない場合、特別教室等の利用は可能でしょうか?
理事答弁
本市では、停電時における電源確保として、備蓄しているカセットガス式発電機やエンジン式発電機により、電源を確保することに加え、協定先業者からも発電機を調達することとしています。避難者が体育館だけでは収容出来ない場合、校舎の特別教室等を利用したり、他の避難所を開設することとなります。
4 福祉避難所の配置計画、要配慮者へのケア並びに支援体制についてのお考えをお聞きします。
保健福祉局長
本市では、福祉避難所としての基準を満たし、ご協力いただける高齢者福祉施設や障害者支援施設などと、随時協定の締結を進めており、現在、77施設を福祉避難所に指定しています。引き続き、新設・改築施設を中心に働きかけを行い、福祉避難所の拡充に努めてまいります。また、福祉避難所に限らず、要配慮者へのケアや支援にあたっては、DWATをはじめ、専門的スキルを持った様々な支援チームの協力が必要と考えています。そのため、県や県社協など、関係機関との連携を平時から深めてまいりたいと考えております。
5 比較的被害の少ない地域での避難所の追加開設についてお聞きします。
理事答弁
ライフラインの途絶等により、避難所での生活に不便や負担が生じる場合には、比較的被害の少ない地域の避難所を追加で開設することや、協定締結している民間の宿泊施設等を避難所として開設するなど、柔軟な対応が必要になると認識しており、今後、避難所開設のあり方について検討してまいります。
6 外国籍住民への情報周知支援体制についてもお聞きします。
理事答弁
本市では、各避難所に、災害時や避難生活でよく使われる日本語を多言語で記載したコミュニケーションボードを配備しており、避難所生活のルールや各種手続きなどについて理解していただく際に活用することとしております。
また、避難所運営用スマートフォンに内蔵の翻訳アプリにより、外国籍住民の方との意思疎通を図ることとしています。
さらに、災害時には、岡山市災害時多言語支援センターを設置し、外国籍住民のニーズを把握し、通訳支援や多言語での情報提供を行うこととしております。
2 医療福祉体制について
10年前の熊本地震では関連死が直接死の4倍で、死亡者全体の8割が関連死であったといいます。災害時医療福祉体制についてお聞きします。保健師等相談員の確保であったり、移動式薬局ってありますね。日々薬を飲まれる方をどうケアするのか、あと自宅、軒先避難の被災地のケア等についてお聞きしたいと思います。健康衛生担当局長
本市では、災害時保健医療計画に基づき、関係部局や医師会等と連携した体制を整えております。計画を実効性のあるものとするため、毎年、実践的な訓練を行い、災害時の対応を確認しております。また、医薬品等の供給、保健師やDMATなどの派遣については、必要に応じ、県を通じて要請することになっております。なお、議員ご提案の移動式薬局につきましては、今後研究してまいります。今回の熊本地震の際には、保健師等を派遣し、避難所での支援に加え、家庭訪問による健康相談や健康状態の把握を行いました。今後も熊本での支援経験をいかし、平時から関係機関との連携を深め、災害時、速やかに、保健・医療・福祉の支援につなげてまいります。
3 仮設住宅について
今回熊本県では全壊または半壊以上で解体せざるを得ない、他に居住できない、移住できる住居がなく自力で確保できない、農業、畜産業などの生業、その他の事情で自宅敷地内に居住する必要がある人を対象に自宅敷地内にコンテナハウスやインスタントハウスの設置をしています。インスタントハウスというのはモンゴルの伝統的住居、ゲルを思わせる円錐形の簡易住宅で低コスト、短時間、2時間程度でできるみたいです。エアコンも完備してあって、連日の猛暑の中でプライバシー確保と災害関連防止の両面から評価されているとのことです。まさに軒先避難的なニーズに応える新型プレハブだと思いますが、この建設型応急住宅について岡山市の見解をお聞かせください。
理事答弁
今回の熊本地震では、避難所へ避難されない被災者の自宅敷地内に、民間の方より、ポリエチレンシート性のインスタントハウスが設置された事例があります。
この施設は、エアコン設置も可能で、設置も容易であることから、一時的な避難空間としては有効と思われます。
今回の熊本地震での活動実績など、情報収集しながら、経費や各種法令との適合などを含め、従来の仮設住宅建設とも比較しながら、有効性、導入の可否などについて研究してまいりたい。
4 ボランティアセンターについて
今回、八代市鏡町のボランティアセンターを経由して、住宅地の日本家屋や商店街での商業ビルでの片付けをしてきました。ボランティアセンターの立地もとてもわかりやすくて、敷地にも企業から提供された電力や給水はもちろん、エアコンが効いた休憩ブースやその人のための冷却室、洋式水洗トイレや台所、洗濯機、もちろん駐車場などもボランティアの方々へのケアが行き届いていると思いました。2018年の岡山における西日本豪雨における設置運営の課題、これをどう捉えて改善策を出そうとされていますか。
市長答弁
平成30年7月豪雨、まだよく覚えておりますけども、その件に関して、特に災害ボランティアセンターに関しての課題と改善策について答弁をしたいと思います。
当時は保健福祉会館の中に災害対策本部がありました。そこでですね、ボランティアセンターを、その横の大供公園に置いて、豪雨の後、非常に暑い日が続きました。このボランティアセンターに多くのボランティアの方が列を成して来ていただいているという風景を覚えて、有難いような、少し申し訳ないような気もしたところであります。申し訳ない要素としては、いくつかの場所がありましたけども、大きくはやっぱり砂川の破堤であったわけであります。そこまで少し移動距離があるというようなことで、このボランティアの方の活動効率にも問題があったなというように思いました。その後、東区の上道公民館にもボランティアセンターを置いたところであります。
この災害の教訓を生かし、現在は被災状況に応じた場所に災害ボランティアセンターやサテライトセンターを設置できるよう、あらかじめ30か所程度の候補施設を選定しております。
また、被災者の多様なニーズに対応するため、令和元年7月に、岡山市と岡山市社会福祉協議会、特定非営利活動法人岡山NPOセンターの3者を中心に岡山市災害ボランティアネットワークを立ち上げたところであります。このネットワークに、心のケアや生活相談など、多様な分野で強みを持つ41の市民活動団体等が参加し、定期的に情報交換や設置訓練等を行い、平時から顔の見える関係性を構築しているところであります。
今後とも、災害ボランティアセンターの設置・運営主体である岡山市社会福祉協議会とともに、被災者に寄り添い迅速な支援が行えるよう努めてまいりたいと思います。
森山再質問
まず市長から2018年の市役所の裏手にある大供公園でのボランティアセンター開設に課題があったこと理解頂けて安心しました。ボランティアの方にとっても満足いくセンターの設置運営体制をお願いします。
避難所ですね。
避難所3.0への進化
→避難所を「我慢する場所」ではなく「健康を維持し、復興への活力を養う場所」に変えるための必須の取り組みとされています。
ver1.0「ただ命をしのぐ場所」体育館にブルーシートを敷き、全員で雑魚寝。プライバシーがなく、床からの冷気や埃に耐える、これまでの一般的な日本のスタイル。ver2.0「物資による初期改善」間仕切り(段ボール・布)の導入や、エコノミークラス症候群を防ぐための「段ボールベッド」が一部に配備され始めた段階。
ver3.0「災害関連死ゼロ・尊厳の維持」発災から48時間以内に、国際基準(スフィア基準)に基づいた衛生的で快適な「生活空間」をシステムとして構築する次世代モデル。なぜ「3.0」が必要なのか?
過去の大規模災害(熊本地震など)では、地震の直接的な被害による死亡者数よりも、避難生活のストレスや持病の悪化、感染症などが原因で亡くなる「災害関連死」の方が数倍多いという深刻な現実がありました。
次世代の避難所3.0の核心はTKB48(トイレ・キッチン・ベッドを48時間以内に確保し、災害関連死を防ぐ質の高い生活環境環境を整える)」という議論されています。
避難所の環境向上(クオリティ・オブ・ライフ=QOLの改善)を目指す「避難所3.0」の概念は、これまでの日本の避難所が抱えていた「過酷な雑魚寝生活」を脱却し、「災害関連死を防ぐための質の高い生活環境」へ転換する次世代の基準を目指す時代に入っています。
避難所運営における職員の負担軽減も勿論ですが、避難所3.0、TKB48を実現するためにお聞きします
1 まず防災DXです。災害時の情報発信(うそ・フェイク、公式発信を)や共有、迅速な判断の向上だけでなく、職員負担を解決する期待もあります。情報共有の効率化やシステムの共通化を通じて、負担が一極集中(発災直後の窓口など)する問題を解決する一助と考えます。防災DXは避難所の効率化、生活再建支援など、災害対応のあらゆる段階で有効性を発揮すると思いますが、いかがお考えでしょうか?
2 プッシュ型による避難所情報の配信(避難所状況の可視化、多言語対応等)ができるアプリの開発や避難所受付、名簿管理などシステム化についていかにお考えですか?せっかくマイナンバーカードがあるわけですから個別最適な情報を提供できるのではないでしょうか?他都市では横浜市避難ナビ、仙台ではお買い物ポイントを紐づけたりしてダウンロードを推進しています。
理事1.2答弁
避難所の運営だとか情報発信で防災DXを考えてるどうか、アプリの開発をしてどうかっていうようなご質問だったと思います。
最近、やっぱりデジタル技術の進展は凄まじいものだと考えておりまして、防災に対してそういったデジタル技術を活用することも他都市でもいくつか進んでいるというのは認識しております。また内容によってはそういったことを導入していくことは有効だという風には思っております。ただ、どういったものがあるかっていうところについて、今後、情報収集とか、他都市の取り組みを見ながら、少し研究してまいりたいという風に思っております。
→ NPOセンター、学校運営本部等との連携。これは要望
災害時のトイレ対策発災直後の対応
災害後3時間以内にトイレに行きたくなる人が31%、6時間以内では67%というデータがあり、発災直後からの即応が重要です。我慢による水分摂取控えは、膀胱炎や婦人科系疾患、エコノミークラス症候群のリスクを高めるため、初動での確保が健康管理上も重要です
3 発災直度に必要なのは携帯トイレです。各家庭での携帯トイレ(袋と凝固剤等)の普及について啓発・購入支援なども検討しても良さそうです。洋式化・バリアフリー対応は高齢者や障害者への配慮だけでなく、これまでの「暗い・汚い・臭い」仮設トイレではなく洋式・水洗型や各区にトイレカーの用意が必要だと考えますがいかがでしょうか?
理事答弁
続いて、トイレの洋式化とか、そのトイレカーを導入してはどうかっていうようなご質問だったと思います。他都市では、トイレカーを導入してですね、発生した時にはそれを活用、あるいは他都市へ派遣していくというような事例があるという認識おりますが、トイレカー自体、やはり通常の利用をどうするかっていう、ただ持っとくだけではもったいないので、日常利用も考えながらですね。運営管理経費、当然購入経費も含めながら、本当に有効なのかどうかっていうのは、きちんと考えてから、その導入の可否を考えなきゃいけないと思っていますので、これもちょっと他都市の導入事例なんかも伺いながらですね、研究していきたいなという風に思ってます。
4「災害時トイレの確保・管理運営計画」を策定し、地域防災計画に反映させることが求められていますがいかがでしょうか?
理事答弁
その災害時のトイレの運営計画って言いますか、そういったものをきちんと策定し、運用すべきじゃないかというご質問だったと思います。岡山市では、令和7年3月に岡山市災害用トイレ運用基本指針というものを作成しておりまして、その中で発災時の使用ルールや衛生管理についてを一応一通り定めてます。
ただ、昨今の大規模災害、いろんな問題が、トイレだけではありませんけども、課題が出てきておりますので、そういった課題を見ながら、必要に応じて適宜見直しをしていきたいという風に考えてます。
5 冷たいおにぎりやパン、カップ麺の継続ではなく、民間企業と連携した「キッチンカー」や地域の飲食店やこども食堂、または農業者等の連携を通じ、発災初期から栄養価の高い「温かい手作りの食事」を出来るように準備されませんか?
理事答弁
それから、温かい食事の提供っていうのが必要じゃないかということです。
避難所で非常食の提供だとかお弁当の提供というのを一生懸命やっているわけですけども、確かに温かい食事を提供することで被災されている避難者の方のちょっと心が和むと言いますか、そういった効果があるというのは私も認識しております。
現在、市ではキッチンカーによる食事の提供に関する協定を締結しております。
その他にも、どういった団体でご協力いただけるかというのは、ちょっと情報を収集しながら、可能であれば協定締結の方は進めていきたいという風に考えています。
6 入浴についてはスーパー銭湯等入浴支援事業や循環型のシャワー等の設置についてのお考えをお聞きします。
理事答弁
それから、入浴の運営というか、入浴は大事だけどどう考えてるかということだと思います。
入浴機会の確保については、従来、自衛隊による入浴支援でありますとか災害対応車両登録制度というものがありまして、そこに入浴支援車両などが登録してあれば、そういったものを活用していくというか、応援していただくというようなことも考えてます。
また、現在、市内の民間の入浴施設とですね、災害時における利用についての協定締結に向けて協議を進めていると、そういった状況です。
7 プライバシーについてはテントに加えて、8年前にも質問していますがPPS(ペーパーパーテーションシステム、紙と布の仕切り)との事前協定についてはどうなっていますか?
理事答弁
それから、プライバシーの確保でのペーパーパーテーションの活用ということで、8年前質問したけど、その後どうなってるかということですけども、現在はですね、レンタル機材を提供いただけるような事業者さん、間仕切りの提供なんかも含めてですね、そういったものを提供できますという事業者さんと複数締結してます、協定を。
で、ただ、ペーパーパーテーションシステムについては、正直その中に入ってるかどうかという確認はできておりませんので、まずは現在協定を締結している事業者にそういったものを、提供できるかどうかというものを確認しながら、また、それがなければですね、そういったペーパーパーテーションシステムを提供できる事業者があればですね、そういったところを探し出すなり情報収集しながら、協定締結できるようであれば締結に向けて考えていきたいという風に思ってます。
8 避難所の追加開設については公共宿泊施設はもちろん、地域バランスを考えたビジネスホテルや民宿等の事前協定が必要ではないですか?要配慮者の方への多様な受け皿の準備は避難所3.0に通じると思いますが?
理事答弁
それからあと、多様な人も使えるような避難所の追加開設、特にホテル等のとの連携ということのご質問だったと思います。
現在、避難所としてご協力いただける民間宿泊施設、ホテルとか協会も協定を締結しております。引き続き、そういった事業者というか、そういうホテルさんとも、協定のまだしてないところについてはこれから広げていきたいというふうには考えています。