1 旧内山下小学校について
これまでおよそ10年に渡り旧内山下小学校の廃校活用を通した、行政・事業者・地域主催と様々な社会実験・企画が展開されました。5万人以上の参加がある年もあり、いうまでもなく文化・コミュニティにとって大切な拠り所になり得ることが実証されたと思います。
1 あらためて当局の旧内山下小学校の評価、ご所見を伺います。
旧内山下小学校につきましては、平成26年度から平成29年度にかけて社会実験を行い、延べ3万人を超える方にご来場いただきました。その後も、岡山芸術交流や文学フェスティバル、市民主体の様々なイベントなどに活用され、多くの方々が文化芸術に親しみ、賑わいが創出されたと考えております。このような経緯を踏まえ、今後、旧内山下小学校のエリアに求められる機能・役割などを整理してまいります。
もう何年も同じ答弁です。全然進んでいない。体育館については広場の整備計画がでる約20年以上も前から年間約12000人がスポーツや各種イベントを通して社会・生涯教育の場として利用されています。
さらに地域にとっては校舎には全市でも突出した防災備品があり一体となって体育館は避難場所として欠かせない場になっています。まさに地域のライフラインとしての防災拠点です。体育館については耐震補強までいかなくても平時のスポーツ利用、災害時の避難場所として機能するように整備する必要がないでしょうか?
賑わいの拠点となってきた、その中心は体育館であったのではというご意見をいただきましたが、実際のところ、イベント等で活用される方が体育館・校舎、それぞれどのように活用されるかということを考えてご利用されてきた結果、賑わいの拠点となってきたと思っております。今回暫定活用が難しくなったのは、校舎・体育館ともに同じ状況でございますが、議員ご指摘がありました、避難場所、備蓄倉庫として利用されてきたということについても、こちらも認識をしております。その上で、今後どのような修繕をしていくことになるかということにつきましては、全体的な検討を行う中で、建物の状況を確認いたしまして、検討することになるというふうに考えております。
この質問は私が初めて登壇した2011年からになります。まずは社会実験の必要性に応えて頂き2014年から16年の3年に渡り廃校の可能性を探る『ハイコーチャレンジ』があり2017年も事業がありました。その後約8年間活用についての議論がありませんでした。市内だけではない多くの方が旧内山下小学校はどうなっているんだ?とモヤモヤされています。そしてこの4月突然の使用停止の知らせがありました。方針がないままに、です。
校舎については内山下小学校の昭和平成をくぐり抜け歴史を纏った100年建築です。並びに戦前当時の小学校教育は財源も権限も地域にあった中で町衆達が主体的に子どもたちの学校運営を担った、という歴史は今日的な学校問題を解決するための学びがあるのではないか。加えてマチから64年続いた「昭和」の記憶が建築物とともになくなっていることにも大きな懸念、寂しさを感じているのは僕だけではないはずです。なぜ近隣にある旧日本銀行跡地ルネスホールや禁酒会館のように存続活用出来ないのか?この二つがマチナカにあるだけでどれだけ私たちは地域に誇らしいと思えているのか、もし、この二つがなかったらどんなだろう。世界じゅうどこを見ても人気の観光地は歴史文化遺産を大切にしています。都市の品格は歴史の重層性だと確信します。
市長、そろそろ議論が必要ではないでしょうか?
森山議員とも内山下小学校の話は随分やりました。市民会館が、ハレノワが新しくできたことによって、今解体をしています。そこの土地をどうしていくか。また、NHKの跡地の話もあります。あの辺り一帯として、石山公園一帯としてどう使っていくかというのが1つの議論でありました。
ここで1つの問題になってるのが、あそこに介護施設があるわけです。それは当分の間お使いになるという意向もある。こういう中で、どこまでのものをどうしていくのか、若干やっぱり将来の構想とは少し、将来の構想というのが完全にできてるわけじゃないんですけど、やはり、暫定的なものになっていく。それを今整理をしているところです。
それから内山下小学校には、地元の方も幾つかの意見があります。そして、我々の方も、例えば、あれを残してどんなイメージになってくるのかなかなか想像できないですよね。で、先ほど言った石山公園一帯と内山下小学校というのは、全体として、1つの構想を持っていなければならない。そういうことだろうというように思います。その点がまた、他の、今市民会館がハレノワに移ったという、そちらの方で相当の経費を使っている、そういったことも1つにはあります。そういう中で、その全体像をどうしていくのかということの話になってくるわけでありますが、そんなにきちっとしたものが本当に出るのか。介護施設もあるし、内山下小学校という存在もある。この辺りで、どう整理して、この全体像をイメージしていくか、そういう話になるんだろうと思うんですね。政策局長以下、政策局メンバーとはその辺りは議論をしております。ただ、今の段階で、これはこういうスケジュールでこういう形で動いていくということを明確に、ここでお示しするというのはなかなか難しいんですけれども、ただ、今申し上げたような全体の、あの辺り一帯ですね、の構想は、我々としては、一定のものは考えつつあるということだけは、森山議員の頭の中に入れといていただければと思います。
これからあの地というのは、岡山にとって非常に重要な土地であります。岡山城、後楽園の近くであり、我々の資産としては非常に大きなものがある。これは間違えてはならないし、多くの人の意見、地元の意見ももちろんですが、オール岡山、様々な人の意見を聞きながらやっていかなければならないのも、また事実だろうというように思っております。
政策局とは議論しながら、また、森山議員、またここにおられる市議会議員の皆さん、ほとんどの皆さんが関心を持っておられると思います。それらを、意見を聞きながら、この議論をスタートさせていきたいと思っております。
今年も暫定的な利用ができると思っていたところ、突然、今年の3月に建物の老朽化による危険性があるとのことで、4月から利用が出来ないと伝えられました。
2 市内外から多くの方に親しまれている旧内山下小学校はいよいよ、暫定活用も出来なくなりました。これまで市内外から多くの方々がにぎわい創出の社会実験に参加されてきています。今後どうお考えでしょうか?
旧内山下小学校は1933年にコンクリート建築されました。これは県下最古のコンクリート公共建築であり、岡山県近代化遺産にも登録(2005年県教育委員会)されることから歴史的建造物であることは間違いないと思います。
3 校舎の歴史的価値について岡山市教育委員会のご所見を伺います。貴重な歴史的建造物を記録に残すためにも市として専門家による検証をし、場合によっては国の登録有形文化財への申請が必要ではないですか?記録を後世に残すべきだと思います。
旧内山下小学校の校舎は、昭和8年及び9年に竣工した、岡山市の学校建築としては最初期の鉄筋コンクリート造建築です。岡山県教育委員会が平成17年にまとめた「岡山県近代化遺産総合調査報告書」には、部分的に当時のデザインであるアールデコや表現派の影響が見られるなどと紹介され、一定の評価を受けていると認識しております。登録有形文化財への登録の必要性については、岡山市全体として旧内山下小学校のエリアに求められる機能・役割を整理をする中で、議論していくことになると考えております。
歴史文化の専門家による検証が市の文化財課として必要ではないでしょうか?活用する、しない、ではなくて、文化庁の仕事はその対象が真に歴史文化としての価値があるかどうか?後世へ残すべきではないですか?だからこそ民間や行政とは一定の距離をとっている教育委員会の矜持を示して頂きたいと思いますがいかがでしょうか?
校舎の取り扱いについて、市全体で方針を検討していく中で文化財の評価が必要となれば教育委員会として資料提供していく。登録有形文化財への申請には、保存及び活用のための措置という部分が必要であり、活用の部分で危険な建物となっているため(申請は)難しいという感覚である。
内山下小学校の歴史から学び取ることもあると思う、ソフトハード両面から教育委員会として記録に残していくことに、しっかり向き合っていくべきだと思うが所見を。
ハード面は単体で考えづらく、エリアの整理についての議論の中で一緒に考えていく。
ソフト面では、旧校舎の中に内山下小学校の歴史的なものがメモリアルで残っている。今後どういった形で記録として広げるか、残していくかということは検討していきたい。
4 現在、体育館では毎月20団体が利用し、毎月1000人以上、年間では12000人以上の子どもからお年寄りの方々が朝から晩までスポーツを通して交流されています。そうした現状にも関わらず今後の方針もないままに今年度限りで利用できなくなるというのはあまりに唐突ではないでしょうか?→大修繕ではなく活用できる小修繕を。
体育館の利用団体に対しては、これまでも耐震性が確保できていないことや、建物の老朽化が進んでいるため、利用し続けることはできないことをお伝えしてきたところです。昨年度実施した建築物点検・外壁調査の結果、危険な箇所が多数見つかり、やむを得ず利用を制限しなければならない状況が判明しました。そのため、利用団体に対して、建物の危険性と一部利用制限に加え、改めて、今後の利用継続が難しい状況であることをお伝えしているところです。
2 学びの多様化、不登校支援について
不登校の児童生徒を対象とし、従来の学校とは異なる柔軟な教育課程を実施できる「学びの多様化学校」の設置が全国で進められています。授業時数の削減や新設科目の導入など、従来の枠組みにとらわれない教育を提供することが特徴であり、子どもの主体性や多様な学びを重視しています。
1 国の教育振興基本計画において「令和九年度までにすべての都道府県、政令指定都市に一校以上設置を進める」ことが明記されています。本市の検討状況をお聞きします。
学びの多様化学校については、これまで視察等により、先行事例の情報収集を行ってきましたが、それぞれの自治体等のニーズにより形態や機能は様々でした。
不登校の児童生徒を、どのように受け入れ、支援していくかについて、設置場所や運営などの面から、慎重に検討していく必要があると考えています。現段階では、設置に向けた検討に至っていませんが、継続して研究をすすめるとともに、不登校児童生徒の多様な学びにつながるよう、早期からの個別の支援計画を作成するなど、これまでの取組の充実を図ってまいります。
2 令和5年度在で民間フリースクール等へ通っている児童生徒は把握されるだけでも156名とお聞きしました。出席扱いを認めているにも関わらず義務教育において授業料がかかるのは矛盾を感じているところです。保護者負担軽減についてのご所見と検討状況をお聞きします。
フリースクールは、児童生徒の社会的な自立支援に向けた受け皿の一つであると認識しております。保護者負担の軽減については、施設によって支援内容や利用料が様々であることから、引き続き、岡山フリースクール協議会とも情報共有を行いつつ、国や他都市の状況・動向についても情報収集を続けているところであり、行政として何ができるか、しっかり議論しながら、支援の方向性について検討してまいります
出席扱いを認めているということは学級と地続きであると思います。義務教育の授業料は無料です。他都市でも通学費や授業料への補助が始まっています。本市でも昨年フリースクール協議会が発足し連携しながら支援の範囲を検討されていると思います。今年度中には方針を出すべきだと考えます。
令和5年度の不登校児童生徒数は小中合わせて1633人となっています。前年より10%ほど増加しています。
3 1633人の不登校児童生徒のうち学校外の機関等で相談・指導を受けていない人の数は924名です。おそらく学校には少し行けている人たちが大半だと思いますが、どう捉えておられますでしょうか?
不登校児童生徒への支援にあたっては、各学校が児童生徒や保護者と相談しながら、個々の状態に応じた支援計画を作成し、その方針に基づいた支援を進めています。そうした中で、学校外の機関等とつながっていない不登校児童生徒もいますが、ほとんどは担任を始め、養護教諭やスクールカウンセラー等の教職員が、家庭と連携しながら関わりを続けています。今後も、不登校児童生徒への的確なアセスメントに基づく支援を行うことができるよう取り組みます。
学校外の機関等で相談・指導を受けていない924名の実態調査、ニーズ調査が必要だと思うがどうか。
この中で校内につながっていない生徒が数十名いる。特にその数十名のつながっていない子どもたちの個別の指導計画、支援計画を作る中で保護者とも話をしながらできるだけ居場所にたどり着けるようできたらと考えている。
4 新たな学びの場として岡山大学構内に「りんくす」を開設されると聞いています。事業の内容、支援方針の位置付け、思いについてもお聞きします。
「りんくす」は、教育委員会が職員を派遣するアウトリーチによって不登校支援を行う施設です。岡山市在住の学校に通えていない、または通いづらい児童生徒が、安心して過ごせる、新たな居場所となることを目指しています。児童生徒が学習や活動の内容等を自分で決めて活動する取組を、相談員や岡山大学の学生ボランティアが支援します。ここでの経験を通して、児童生徒が「自ら考え、選択・決定する力」や「他者との関わり方」等を身に付けることを目指しながら、社会的自立に繋げることができるように考えています。
3 公園と街路
コンパクトシティとは公共交通機関と自転車、徒歩を軸にした人が尊重される開発であり、環境面に配慮することが持続可能な都市開発であると思います。とりわけ近年の猛暑にどう対応するか。1年のうち半年が夏のようなこの気候変動時代に街路や公園は人の目線で対応できているのでしょうか。
1近年再開発された北長瀬未来ふれあい総合公園や下石井公園等における日陰確保とベンチの設置状況については明らかに人の目線が欠けているように思います。ご所見についてお聞きします。
いずれの公園も、ワークショップでの意見やユニバーサルデザインの指針も参考にベンチや植栽を配置しております。植栽については、既存樹木を出来るだけ現地に保全するとともに、季節感や日陰の創出のため高木の追加配置などをしております。近年の暑さや利用状況も踏まえ、公園の利用環境については今後も適切な対応を検討してまいります。
都市計画という大スケール、個々の地区のデザインや建築、空間編成などの敷地計画の中スケール、そして人の歩く速度5キロ目線から見る人間の小スケール。これら一体となってコンパクトシティを推進するべきだと思いますが。最近の再開発を見るに本市には一番大切な3番目の人間スケールが欠けているのではないかと感じます。ワークショップで意見が出てその通りにやったからこれは間違いない、ではなくて、実際運用するなかで改善できるところはやっていけば良い。北長瀬でのベンチの数は明らかに少ないですよ。下石井公園も明らかにベンチはあっても日陰がない。日陰を作ると芝が育たないと言われるが、人より芝が大事なのか?本末転倒。引き続き、日陰とベンチの設置について研究願う。
2 とりわけ再開発されたはれまち通り(旧県庁通り)でのベンチですがどうも利用が芳しくありません。課題認識と改善へ向けた取り組みをどうお考えでしょうか?→歩道に背を向けては安心して座れないのでは?
ハレまち通りの再整備後、歩行者通行量は整備前と比べて休日で約1.4倍に増加し、その後も継続して高い水準を維持しています。再整備にあわせて設置したベンチでは、歩行者の方が気軽に休憩したり、沿道で購入したパンやフレッシュジュース等を飲食したりといった風景が日常的に見られるようになりました。今後も沿道の方の歩道空間の利活用を促すとともに、建物の更新・改修などの機会をとらえて、街路と沿道が一体となった魅力的な都市空間の創出に取り組んでまいります。
県庁通りのベンチが普段から利用されているとは思えません。心理的に人は車道を向いて、歩行者に背を向けて座るのでしょうか?設計が間違ってないか?やはりここにも人の目線がかけているように思います。ベンチに座っているのはイベントの時だけのように思います。私は改善が必要だと思います。
4 歴史文化をどう伝えるか
私たち岡山市民の歴史を常設で伝える民俗資料館や歴史考証館がないことは以前から問題提起させていただいております。地元の、特に、偉人たちの歴史を知ることは今日的な課題解決への学びはもちろん地域への愛着醸成につながると思います。宇喜多家の大河ドラマ化にも力を入れられておりますが、近現代の歴史にも取り組みも必要ではないでしょうか?近年若い世代に昭和ブームがありますが、昭和も元年は1926年で100年の立派な歴史になっています。
近現代の民俗資料館のようなものがまずは機能として必要ではないでしょうか?
→昭和は戦時中だけではない。近現代の市民の暮らしを
それでは森山議員の質問にお答えします。私は歴史をどう伝えるか、近現代の民俗資料館のようなものが必要なのでは、というところであります。よく岡山シティミュージアムで、様々な歴史・文化について企画展など開催されておりますが、それは民俗資料館と言いますか、歴史資料館とは少し意味合いは私も違うというように思います。
岡山を俯瞰して見てみると、やはり例えば清水宗治の資料館、これなかなかいいものですね。それから大月議員の先程指摘されました造山古墳の資料館と言うかビジターセンター。これもなかなか整備はされているわけではありますが、どちらにしてもこれは単体というものなので、岡山っていうものを全体見たときに、近現代というよりも中世以降ですとか、古代もあるのかどうなのか、そういう中で何を伝えていかなきゃならないのか、地元の人に地元を知ってもらうということは私も凄く重要だと思っております。
ただ全体のプライオリティもありますし、様々な中でこういったものをどうしていくのかというのを議論していく、今はなかなか、様々な情勢の中で、これをスタートさせるとか要らないとか、ということが言えるような状況ではないわけですけれども、問題意識として持ちながら、どうしていくかということを議論していきたいなと思っております。
以上です。