2024年 2月定例議会個人質問
2024.03.11

1 第2款総務費 第1項総務管理費 岡山芸術創造劇場管理運営委託料について

2/6の岡山芸術創造劇場「ハレノワ」草加劇場長のフェイスブックに衝撃を受けました。「こ の3月末を持ってハレノワの劇場長を退任する。それも「財団の都合で4月以降、新たな契約を 結ばない通達を受け、非常に無念である。」とのコメントが掲載されていました。劇場の開館に 向けて準備を進めていく中で、プロデューサーがなかなか決まらない上に、一昨年の夏には、突 然、当時のマネージャーが退任するなど、一時期たいへんな時期もありましたが、その後、プロ デューサーと新しいマネージャーを迎え入れ、体制整備のもと6月のプレオープン、9月の本 オープン、そして多くの開館記念事業と、その準備・運営等に関わる職員の方々の苦労は計り知 れませんが、着実にこなされ、いよいよ来年度からは創造劇場の本丸である「創造事業」にとり かかっていくことを期待していました。

1 今年度と次年度のハレノワの人員体制と人件費等について変更点があればお聞かせください。

市民生活局長

来年度のハレノワの人員体制と人件費は、今年度と同じ45人、予算は、今年度 よりも微増の2億4,400万円余を見込んでいます。

森山

草加劇場長は続投で劇場長と渡辺プロデューサー二枚看板を中心に運営されるという ことでしょうか?

市民生活局長

先程、議員のお話にもありましたが、現在進行中の財団の人事案件でございます。 その任免は、財団の理事会を経て、評議員会で承認されることになりますので、今ここで、私がお話しできる内容ではございません。

森山

当局としては答弁出来ないようです。が、これは事実です。草加劇場長は、本市に劇場建設の話が持ち上がってから、約10年にわたり、その準備・建設・開館に総合プロデューサー、劇場長などとして関わってこられ、まさに岡山市と一体となって事業を進めてこられた功労者だと私は認識していますがいかがでしょうか?

市民生活局長

今、おっしゃってくださったように、平成25年設置の「市民会館・市民文化ホールのあり方検討会」から「劇場建設、劇場整備の専門家」として、関わっていただきました功労者であると思っております。

森山

功労者である劇場長へ対して突然の劇場長解約とお聞きします。劇場長に何か解約に値する重大な過失があったのですか?

市民生活局長

「解任」という言葉でなく、3年の任期の満了というふうに劇場からは説明を受けております。特段、解任に値する、そういったようなお話は聞いておりません。

森山

そうですね。特に大きな過失があったわけではなくて、契約が3年だったということで、 ここで切れるということですけれども、私たち市民の方から見ると、開館からまだ半年で、劇場長が交替というのは、あまりにも不自然だなあと思います。だいたいこういった契約というのは、特に大きな事案がない限りは、継続して更新するものですし、特に、このハレノワの劇場長という役に関しては、専門家が求められるわけですから、あまりにも唐突は否めないように感じています。 なぜ、このような事態が起こってしまったのか、市としてカバーできなかったのか、この件が起こるまでの経緯について、お聞きしたいと思います。

市民生活局長

財団の方から説明を受けております。3年の任期が満了したことが1つ理由でご ざいます。それから、新年度、建設のフェーズから新しく創造事業のフェーズに変わるというこ とで、創造事業に力を入れたいという意図もあるというふうに聞いております。また、3つ挙げ るとしたら、日常の業務の推進上に、草加劇場長さんは非常勤でいらっしゃいます。常勤の劇場 長に来年度以降お願いしたいという思いもあると聞いております。そういった色々検討した上で、 新しい体制を構築しようとしていると伺っています。

森山

そもそも劇場長を受けたときの最初の入口の契約が、月の半分くらいの出勤でも、そこはオンラ インとかメール等活用してカバーしていく想定だったという話を聞いていますが、いずれにして も、常勤の劇場長が必要だということで、今回このような状況にいたっています。その後の、解 任・解約ではないということは、何か提案されたと思うのですが、その後の話はお聞きできます か。市として引き留めはなかったのか、お聞きしたいと思います。

市民生活局長

草加劇場長さんには、ぜひ、これまで劇場を育てていただいたということで、これからも引き続き、見守っていただきたい、関わっていただきたいという思いがございまして、アドバイザーとして、引き続き関わっていただきたいというお話は、財団、それから市の方からも口添えをさせていただいているところです。

森山

そのアドバイザーの申出に草加劇場長が答えていないということなんですが、その業務内 容と提示条件をお聞きできますか。

市民生活局長

業務内容については、月1回程度の会議等への出席、それから個別案件へのアド バイスというようなことを想定していると聞いています。報酬等、実際の条件については、すみません、財団と草加氏との間の交渉事にもなると思いますので、そこの部分については、お答えを差し引かせてください。

森山

劇場長を任せていて、その後、月1回のオファーというのは、当然同等の役回りではないだろうし、なかなか仕事量が減る中で、受けづらかったのかなというのは、容易に推察できるところではありますが、となると、来月からの主要ポストである劇場長は不在ということでよかったですか。

大森市長

今の質問には、後で、中原局長から補足していただいてと思いますが、まず、勘違いをされておられると困るんですけども、我々が財団の中の人事について、特に今回のことにつて、コメントしたことはありません。 私自身、草加さんとは、もう10年近い仲でありまして、今回のハレノワの構想の時点からずっとお付き合いをさせていただき、色んな意見交換をさせていただきました。そういう面では、我々の、このハレノワ誕生において、無くてはならない方だというように思います。それは声を大にして言うことができるんだろうと思います。 あと、これから、ハレノワ、シンフォニー、その他財団の事業を円滑にやっていく、これは我々にとっても非常に重要なことであり、我々が横で見ていたのではわからない、様々な、より効率性、文化芸術ですから効率だけではないと思いますが、様々な要素を財団が考えてやっていくことだろうというように思っています。その人事については、財団側から伺ってはいますけれども、そこは財団のご判断ということでやらさせていただくということになりますけれども、最初に申し上げたように、草加さんに対しては、本当に感謝の念に堪えないところであり、そこは誤解をしないでいただければ思います。

市民生活局長

プロデューサーの不在、劇場長の不在、そういったことにならないようにというご質問だと思います。仮定のお話なので、お答えしにくい面もありますが、劇場の運営に影響がないよう、しっかりと職員配置等工夫して、財団にはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えております。

森山

市長、ご答弁ありがとうございました。冒頭お話したとおり、草加劇場長のフェイスブッ クで、非常に無念だということが上がっていることを受けて、びっくりしますよね、私たち岡山 市民もそうだし、なにより一番身近で働いているハレノワの職員の皆さんもそうだし、草加劇場 長が非常にキャリア、経験もある方で、全国の文化芸術関係の皆さんにも響き渡ってしまってい るというところで、本当にこのままでいいんだろうかと、そういった思いもあって今回取り上げ させていただいたわけですが、今、中原局長からご答弁をいただきました。次年度といっても、 あと3週間後ですから、これまでと遜色がないような、劇場長とプロデューサーが二人三脚で 引っ張っていけるような人事体制を確実なものとしていただきたいと思います。これは要望にし ておきます。

で、ですね、今回の1件なんですが、私かねてから、外から、ハレノワができるということは、 これまでの貸館事業だけではなくて、創造事業をやっていくということで、リーダーが2人必要なんですね、館長とプロデューサーが必要だということで、かつ外から来られる専門家の皆さんを受け入れるときに、岡山市が経験したことがない体制だったものですから、とにかく、そういった方々が力を存分に発揮できる環境づくり、これを本会議場の場でもお願いしていたにも関わらず、こんな結果になってしまった。これは、誰が、個人がという話ではなくて、職場環境の問題、何かあるのではないかと疑わざるを得ませんでした。その財団もそうですし、ハレノワ、シンフォニーホールもそうですが、そこを所轄する市民生活局としてですね、市民生活局の皆さんも誠意を持ってやっていただいているというのは、このやりとりでもってわかっていただけると思いますが、しかし、そこを管轄するのは市民生活局でありますから、こういった問題の構造について、検証する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

市民生活局長

ご指摘の点、大変申し訳なく思っております。というのが、やはり財団、劇場部門は急激に多くの人数を採用して、実際45人という大所帯になっております。そういった組織が完成する、固まるというのに少し時間がかかるのかなあというふうに思います。一方で、今、おっしゃってくださったような事業部門や技術部門に採用した方たちは、専門性の高いプロだと思ってますので、その人たちの独自性とか独創性を邪魔することなく、それでもって組織としてきちんと機能させる、そこのところが、これから2年目となります来年度、大変重要なのではないかなと思っておりますので、市として関われるところ、市長も申しましたが、やはり財団の自由度は担保しつつ、市としてサポートできるところ、そのあたりはしっかりと支えていきたいと思います。

森山

中原局長から決意をいただいたと思います。ぜひとも今年から、次年度からがハレノワの本領発揮の年でありますから、補正予算を引っ張るぐらいの思いで、取り組んでいただけたらと思います。これは、強い要望としておきます。

2 第2款総務費 第1項総務管理費 文学によるまちづくり推進事業について

本市はユネスコ創造都市ネットワークへ日本で初めて文学分野で加盟されました。本市が文化に おいて「文学」という具体的なテーマを出せたことは市民ひとりひとりの表現や創作を後押しす るのものであり、これこそ創造都市にふさわしいことだと思います。市長はじめ担当局課の皆さ んへのご尽力へあらためて感謝申し上げたいと思います。

森山

具体内容と事業費についてお聞きします。

市民生活局長
 

文学によるまちづくり推進事業については、これまで行ってきた坪田譲治文学賞、市民の童話賞のほか、「市民の郷土の文化に対する誇りや愛着の醸成」 「国内外への情報発信」 「創造活動の活発化」の3つの柱で、それぞれ事業を実施する予定としています。なお、来年度の予算については、文学によるまちづくり推進事業全体で3800万円となります。

森山

次年度も大きな予算をつけていただいて、本当に楽しみですが、その中で、国内外への情報発信事業というものがあったと思いますが、それについてお考えをお聞かせください。

市民生活局長

国内へは、まずパンフレットやポスター、紹介動画、情報誌等の作成やSNSなどの活用などを考えております。それから、国外についてですが、今年7月に開催されるユネスコ創造都市ネットワーク年次総会への出席を予定しておりまして、海外で、直接、本市の取組をPRする良いチャンスかと思っております。その他、文学分野の加盟都市へ、積極的に本市の取組を発信していきたいと思っております。

森山

ご答弁ありがとうございました。岡山市は、姉妹都市や海外との連携も強化されつつありますし、その中でも、ユネスコ創造都市ネットワークのつながりも活用しながら、是非、海外に向けての発信もしっかりとお願いしたいと思います。

3 第10款教育費 第5項小学校費第10項中学校費 特別支援教育就学奨励費につい て

1 特別支援教育就学奨励制度とは、特別支援学級等へ就学するお子さんの保護者に対して、経済的負担を軽減するため、その世帯の収入額等に応じ、必要な経費の一部を援助する制度になっ ていますが、今年度の執行状況、予算の考え方についてお聞きします。

再1 国の示す支給3区分がありますが、修学旅行費など障がいのある児童生徒が対象であるに もかかわらず、こぼれ落ちる児童生徒がありますか?

教育長

特別支援教育就学奨励費は、国が示す所得の区分や経費区分等の実施内容に対応して、 市の支給要綱に基づき支給しています。令和6年度当初予算は、学校給食費、通学費、校外活動等参加費ほかの補助対象経費について、小学校では1,700人強を対象と想定し7,020万円を、中学校では500人弱を対象と想定し2,966万円を計上しており、1/2が国庫補助金となります。今年度については、未執行部分もあり、確定はしておりませんが、2月末現在で小学校では1,577人を対象に約5,775万円、中学校では430人を対象に約2,379万円の執行を予定しています。

森山要望

他市には別に支援メニューを作っているところもあります。支給の強弱についは各自治体の判断に任されている。本市は3段階において通学費のみ支給対象(しかも公共交通機関で通学している定期券の2分の1の額)。自治体によっては3段階でも例えば修学旅行費半額になるものがあるなど、補助の程度は自治体でさまざま。本市はこれまで3段階においては受給者負担としてきました。が、しかし時代も流れ、国における子ども基本法の施行や本市においても岡山っ子条例バージョンアップについて特別委員会で取り組んでいる中で合理的配慮の解像度も高くなっています。子どもたちがいる家庭環境によって補助金が変わるのではなく、個への合理的配慮として交通費の差額や付添人やヘルパー費など、既存奨励費の単市上乗せなど検討願います。

4 第2款総務費 第1項総務管理費 防災対策事業費について

1 防災対策事業費のうち有事へ向けた備蓄以外の備えとしての民間事業者との防災協定やそれ に関連した実証実験や防災訓練等に係る事業予算についてお聞きします。

危機管理担当局長

民間事業者との防災協定について、予算の計上はありませんが、災害時における避難施設や物資の提供、人員や物資輸送、障害物撤去や救助救出活動、ドローンによる被災状況調査や物資運搬等を目的として、協定を締結しています。また、協定事業者との連携による実証実験や訓練は、行う予定はありませんが、予算としては、総合防災訓練や水防訓練、図上防災訓練に6百26万8千円、自主防災組織による防災訓練等への活動助成費用に2千万円を計上しております。

森山

こうしてお聞きすると、防災事業予算のうち大半は地域自主防災組織への補助金が占めていて、市主催の弱さを感じます。無人飛行機ドローンについては協定がされているが、その中身についても脆弱さがあります。能登半島地震を受けて内容の棚卸しとバージョンアップが必要だと思います。ドローンは発災直後の捜索、地形把握や支援物資輸送など有効だと思いますが、ドローンポート機能は準備についても検討願います。また平時から有事を想定したドローン実証社会運用・実験されている局は消防のみで現実はレベル2止まり。本来は危機管理がグリップしてレベル4に対応した民間事業者との連携協定をお願いしたい。例えば国土交通省の補助事業「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」は、レベル4の自動飛行に対応するドローン物流やドローンと連携する自動配送ロボットの社会実装を目的としており、2023年2月に公募され5月末に10の事業を採択している。千葉市は東京湾臨海部の物流倉庫と幕張新都心のマンション個宅を結ぶ「ドローン宅配構想」を目標に掲げており、今回の実験とは別に、2016年から複数回にわたってドローン物流の実証実験を実施。また、過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業(環境省連携事業)スマートアイランド推進実証調査については離島解決、など有事の時だけではなくて、平時と地続きなものこそ積極的な取り組みをお願いしたいのですが?

政策局長

有事に備えたというよりは、一般的な過疎地域等を想定したドローン物流の導入に向けて社会実験等を行っては、ということかと思います。先ほど、ご紹介いただきました国の社会実験ですけれども、ドローン物流につきましては、まさに実際の社会実装に向けて、国が事業者等による実証実験等を支援している段階でございまして、一般的に使っていくにはまだ色々と整理すべき課題があるということだと認識しております。岡山市としましては、そういった国のドローン物流の社会実装に向けた動きをしっかり情報収集していきたいと考えております。

森山

有事は平時からの取り組みだと思います。研究検討をよろしくお願いします。