2023年 11月定例議会個人質問
2023.12.16

1 障がい者文化芸術活動支援について

先日、近年全国で広がりのある障がい者芸術文化活動支援センターへ視察(福岡)へ伺いました。国が進める取り組みで、障がいのある方々の芸術文化活動を支援することで、事業所等における工賃向上や、誰もが自由に表現を楽しみ自分らしく過ごせるよう、当事者や家族、福祉・文化施設の方を対象に様々な「場」づくりをされています。

1 岡山県では障がい者の方々の芸術活動を支援するセンターが立ち上がっており、相談支援、発表会企画、情報収集・発信、人材育成、ネットワークづくりに取り組まれています。県にはあってなぜ岡山市には無いのか?センターの効果をどうお考えでしょうか?必要性についてもご所見願います。

答弁

障害者芸術文化活動支援センターは、地域における障害者の芸術文化活動を支援することを目的とし、国が「障害者芸術文化活動普及支援事業」の中で設置を進めているもので、その実施主体は都道府県と定められております。
市としての必要性についての所見ですが、岡山県の同センターは本年度設置されたばかりであり、現在のところは、今後の岡山県の事業の実施状況等を踏まえながら、岡山市としての関わり方などについて研究していく必要があると考えております。

2 市内に障がい者皆さんの作品を表町で展示販売する「福祉の店」がありますが、売り上げは月に5万程度のようです。これはいかがなものでしょう?分析評価と今後の改善計画について早急に取り組む必要がありませんか?

答弁

福祉の店に関しまして、注文販売と店舗の売上が減少傾向にあることは、課題として認識しております。以前より店舗の売上が伸び悩んでいたことから、「元気の輪」では店舗のスタッフが積極的に外に出ていくことで販売機会を得ており、売上の大部分を定期的な出張販売やイベント出展によるもので占めております。
ただコロナ禍の影響で、出張販売についても売上が落ち込んだため、現在はこれを回復させること、また注文販売を回復させることに注力しているところです。
店舗の売上については、出張販売で好評なものや、他の支援メニューでブラッシュアップされた商品の取扱い、インスタグラム等での情報発信などに取組んでいるところです。

店舗の売上については、出張販売で好評なものや、他の支援メニューでブラッシュアップされた商品の取扱い、インスタグラム等での情報発信などに取組んでいるところです。
2013年4月に施行された「障害者優先調達推進法」は、国や地方公共団体に対し、物品購入や業務委託する「公共調達」の発注先として、優先的に障がい者就労施設などを選ぶよう努力義務を課しています。国が示す発注事例は清掃や印刷、公園植栽、事務用品や弁当の購入などです。

3 工賃向上支援の取り組み状況と優先調達実績の近年推移と分析評価また調達額について政令市レベルで教えてください。

答弁

工賃向上支援については、就労継続支援事業所からの要望が多い好事例セミナーをはじめ、個別相談会、専門家派遣などを実施しているところです。優先調達については、直近3年間の岡山市の調達額が、7千万円前後で推移しています。令和3年度こそ減少したものの、令和4年度には減少分を上回る調達増を達成することができており、令和4年度の調達額は政令指定都市20市の中で10位に位置しています。

4 障がい者就労施設等が提供可能な物品・役務に関する情報提供を全庁、ホームページなどで情報公開されているか?また各局別に求めている調達目標がありますか?

答弁

施設ごとの提供可能内容を整理しリスト化したうえで、定期的に全庁へ向けその周知と発注時の活用を呼び掛けております。このリストは施設からの申請に応じて随時に更新しており、市ホームページ上でも公開しているところです。また、調達目標としましては、各区・局・室に1つ以上の発注または関連した取り組みを行うことを求めるとともに、全庁では前年の調達額を上回ることを目標としております。

森山意見

障がい者アート、アール・ブリュット、すでに各自治体で開催が始まっています。例えば、障害者アートの展覧会をしようとした時に、それを支援するものがありません。それは本市に方針そのものがないからです。実態把握、評価検証をお願いします。また自治体が優先的に障害者就労施設等から購入するだけでなく、公契約による業務や事業の一部を受注した企業が障害者就労施設等に再発注することや通常の業務委託や工事において障害者の方々の訓練と雇用を同時に行う仕組みなど今後研究をお願いします。

2 岡山城主要部跡地整備推進事業

今年度中には便益施設、多目的施設、防災機能について具体を提案されるようですが、市内随一の観光拠点整備であることは言うまでもなく、創造都市に相応しい品格ある整備が期待されます。

1 次年度からの取り組みの具体をお示しください。

答弁

本事業につきましては、今年度は、オープンスペースのゾーニングや施設の規模、官民の役割分担などを整理しているところです。
今後、令和6年度には測量にとりかかりまして、令和7年度以降、オープンスペースの設計、便益施設を整備運営する事業者の募集要項作成に順次取り組み、オープンスペースの整備、事業者募集に繋げていきたいと考えております。

2 これまで市民参加のワークショップと事業者サウンディングのヒアリングをされました。幅広い市民の声と専門家の見立ても必要だと考えます。事業者選定へ向けてどのようにお考えでしょうか?

答弁

昨年度、市民参加のワークショップや事業者へのサウンディングを実施しまして、そこでのアイデアも参考としながら「岡山城主要部跡地整備方針」を策定したところです。
事業者選定に向けて市民の声や専門家の見立てを聞くことにつきましては、今後、整備方針に基づき跡地整備を進めていく中で、どのようなことができるか検討してまいりたいと考えております。

森山意見

岡山城主要部跡地のこれからは今後の岡山市にとって極めて重要だと思います。岡山城主要部跡地整備方針が年度物は出されるようですが、今後、詳細については事業者だけの考えによる公募要件づくりからの入札というプロセスでと言うのはいかがなものでしょう?岡山城主要部跡地のあり方検討委員会的な会が組織され、幅広い議論によりビジョンを描き、事業プロポーザルとなるような審査体制を作るべきだと思います。

3 市民会館解体の中身(保存物、解体行程、スケジュール)についてお聞きします。

答弁

まず、スケジュール等についてですが、年内には解体設計を終了し、令和6年6月頃に解体工事公告、7月頃に入札、8月頃に落札決定し、9月議会での契約の議決を経て工事に着手する予定です。その後、10月には近隣説明会等を行い、飛散防止の仮囲いや現場事務所の設置、外構撤去、内部解体、地上躯体解体、地下躯体解体と進めていき、令和8年2月頃に解体完了の予定となっております。なお、メモリアルとして何を活かすのか、活用できるかは、現在、検討を行っているところです。

4 評価の高い歴史的建造物であり、昭和復興期の岡山市民の記憶が詰まった「市民の会館」の解体については一気に壊していくことに、やはり一抹の不安を感じます。ただ壊すではなくどう「仕舞う」のか。例えば段階的に公開していく、躯体状態の学習・研究的見学や、その瞬間ならではのイベント企画など、丁寧な仕舞いをプロセスを踏みながら市民の会館だったことを踏まえた「未来をつくる解体」へと昇華させる可能性の実現は創造都市としての命題だと思います。ともに未来をつくるプロジェクトというメッセージ、寄り添う姿勢が大事だと思いますがいかがでしょうか?

→JR東海はリニア中央新幹線の新駅の工事現場でコンサート。リニアの掘削現場でのライブ。

5 現在検討されている、市民会館の記憶の継承、モニュメントのあり方などどのように考え、取捨選択しようとされていますか?市民会館がゆえに市民の声を反映するための仕組みが必要だと考えます。

4.5答弁

60年の長きにわたり、市民・県民に親しまれてきた市民会館の閉館については、皆さんの記憶に長く留めることができるよう、市民アンケートの内容を反映させた各種閉館事業を、今年度末まで行っているところです。
また、市民会館の解体に際して、その記憶の継承やモニュメントについては、現在、メモリアル性、経年劣化によるリスクなどを総合的に整理するとともに、解体工事中の保存・保管の実現可能性についても、検討することとしております。
なお、時間的な制約はありますが、さらに市民参加で、これからできることはないか、考えてみたいと思います。

森山意見

市民のための会館という機能と近現代美術という建築物である市民会館の解体、このたたみ方は丁寧なプロセスが必要です。今年度一年通じて市民による「さよなら企画」はまさに最後をみんなで迎えるレクイエムを果たすと思います。が、記憶の保存・活用、これをどう考えるか。この地には新たな施設が設置予定です。また行政の施設が出来たなあ、ではないようにするために、例えば解体の途中で、躯体だけの状態を見学・研究できるというプロセスを組み入れることによって移行期間を見せることでは解体後設置される施設ををともに作り出す、と言うメッセージになるのではないか?と考えます。「無から有をともにつくる」。創造都市らしい未来への解体についてご検討願います。

3 GIGAスクール

2020年度より学校では1人1台等の端末とICT環境が整備されていますが、2021年3月に岡山市全てに整備されています。毎年行われる全国学力学習利用調査によると2022年度の状況は毎日活用した、が政令市で小学校で下から3番目、中学生は最下位となっています。(前議会で公明党松田議員質問)

1 今後の改善計画についてお聞かせください。モデル事業などお考えか?

2 国の示すICT支援員配置については4校に1人と水準がありますが、本市の配置状況は約7校に1人です。どうお考えか?→各都市でばらつきがあるのはなぜか?また今後、GIGAスクール運営支援について民間企業との連携や人材の確保・育成の必要性、どう取り組まれるかお聞きします。→学習以外にもパソコンに触れ合うことが大事。学校に1人必要ではないか?いろんな繋がりを活かして欲しい。

答弁

端末の活用率向上のため、今年度は国の端末活用推進のモデル事業に参加しており、先進自治体の事例などを学び、市内の小中学校各1校で実践しています。また、来年1月にはその取組内容を市立の全学校に紹介することとしています。
今後、情報活用能力の育成を進めるための端末活用の在り方等については、今年度末までに策定する岡山市学校教育情報化推進方針にも盛り込んでいく予定です。
また、ICT支援員の配置については、国の水準をもとに、各都市の実態に応じて取り組むものと考えており、岡山市では、委託業者と連携し、配置人数や配置回数、手法等の工夫により、支援の充実を図っているところです。支援員の確保については多様な手法がありますが、専門的知識だけでなく指導力やコミュニケーション能力等にも配慮する必要があると考えています。

森山意見

学習に限らず、校内レベルでICTに生徒も教職員、PTAのメンバーも触れ合うことが大事ではないか?支援員についても事業者では月に2回程度。学生ボランティアや地域協働学校のメンバーなど学校に常時1人育てる必要がないか(チーム学校)?。民間による支援員の配置に努力されても今後の想定は各校1回訪問が2回になる程度。これでは支援強化にはつながらない。週に2〜3回常駐出来るような体制そのものを考えるべきで、そうなると委員会の財源だけに頼らない、大学等との連携による学校独自の人材育成が必要について検討するべきです。

3どこにも繋がっていない不登校児童生徒に対するコンテンツ利用などのICT支援員の配置をどう考えるか?

文科省いじめ・不登校支援等総合推進事業(大分)家庭学習支援員2名

答弁

現在、教育委員会では、不登校児童生徒の状況に応じた、多様な学びの機会の充実に努めているところです。ICTを活用したさらなる学習支援の手法については、他都市の取組を参考に引き続き研究してまいります。

4 特別支援教育

国は通級指導教室について義務標準法にて平成29年度から10年かけて13人の児童生徒に対し1人を措置としていますが、本市の状況は17人となっています。また通級指導教室設置の状況は、小学校87中32教室、中学校37中5教室と地域拠点教室(巡回指導)が上道中、興除中の2校に止まっています。

1 通級指導教室がどういうものなのか?特殊、特別なもの、行きづらいイメージになってはいないか?あらためてその役割を児童生徒、先生や保護者への周知が必要ではないですか?

答弁

通級指導教室は、通常の学級に在籍している障害がある児童生徒に対し、特性による困難さの改善等を目指した指導を行っています。通級指導教室設置校の児童生徒に対しては、全校に向けて周知しており、教職員に対しては、通級指導教室のリーフレットを活用した保護者との教育相談の在り方や、児童生徒が安心できる支援体制づくりについて研修しています。保護者に対しては、教育委員会主催の説明会や学校での個別相談等で、通級による指導の具体例や年々増設している状況等を紹介しております。引き続き通級による指導で困難さの改善が図られた好事例も含め、周知に努めてまいります。

2 これまで本市は「通級指導教室」についてはハードソフト両面において取り組みが弱かったように思います。達成へ向けた目標、計画の必要性についてもお伺いします。

答弁

国から示されたとおり、令和8年度までに、通級指導教室担当者を児童生徒13名あたり1名となるよう、市内全域の通級指導教室の設置バランスや施設の状況を鑑みて、計画を立てているところです。あわせて、児童生徒の教育的ニーズの予測をしながら年次的に新増設を進めています。

森山意見

通級指導教室の利用者は今年の5月で724名で待機児童生徒が57名います。昨年国の統計調査で発達障害等障がいのある生徒の通常クラス割合は約8.8%とされ、となると本市では児童生徒52461人に対して約4500名が想定されるわけです。障がい程度は様々ですが、現在2割弱程度しか支援されていません。特別支援教育、不登校支援にも繋がると考えますが、強力な対策が急務だと考えます。

3 通級指導教室の支援メニューは本来なら言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害、注意欠陥多動性障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱とありますが、本市では言語障害と情緒障害のみとなっています。特にニーズの高い学習障害がないのはいかがなものでしょうか?ご所見願います。

答弁

学習障害は、自閉症等他の障害と重複する場合もあり、読み書きの困難さや、吃音等の言語障害、情緒面の安定を踏まえた指導が有効であると考え、本市では、言語障害、情緒障害の両方の通級指導教室で対象としております。このことについて保護者に重点的に説明したり、通級指導担当者も含めた教職員の研修で学習障害を取り上げたりする等して、引き続き周知に努めてまいります。

5 旭川河畔(西中島町)賑わい創出事業について

旭川かわまちづくりの取組において賑わい創出と回遊性の向上を図るため、中区西中島町の旭 川第1緑地において、賑わい創出に取り組む社会実験(トライアル・サウンディング)の事業者を募集されました。

募集概要(募集内容、 事業期間、事業者の選定・基準)と今後のスケジュールついてお聞きします。

答弁

本事業は、旭川かわまちづくりの取組の一環として、岡山城・後楽園やハレノワなどが位置する旧城下町エリアの賑わい創出と回遊性の向上を図ることを目的に、広く子供から大人まで、市民や観光客の誰もが憩い、楽しむことができるイベントの開催や、日常的に訪れたくなる取組などを、自由に提案していただく社会実験となっております。
提案書受付期間は、昨日12月5日から令和6年1月10日までとなっておりまして、その後、西中島町とその周辺の立地特性を活かした魅力的な取組になっているか、加えて騒音やゴミ対策など周辺地域への配慮が適切かなどについて審査をさせていただき、1月下旬に事業者を決定する予定です。
事業を行っていただく期間は、来年令和6年2月1日から5月31日までの4ヶ月間を予定しております。