1 文化芸術
岡山市民文化財の保存収集と「地域歴史遺産」の継承
美術館・博物館の基本的な役割、原則である作品の収集、保存、展示、発信の機能が永らく本市
では十分とは言えません。センター・核となるシティーミュージアムでの学芸員の配置は正規で
1人、収蔵も許容量をオーバーフロー状態。市民の所有する美術作品等が日に日に散逸してし
まっている状況も続いています。
1 シティーミュージアムに近現代・アート専門の学芸員が必要ではないでしょうか? また収蔵スペースの新たな確保や棚卸しの必要性、学芸員の慢性的な人員不足や今後の人材育成へ向けどのように考え取り組まれていこうとされますか?
岡山市には正規学芸員が15名配置されていますが、そのうち岡山シティミュージアムには、歴史分野が専門の正規学芸員が1名、配置されています。 岡山シティミュージアムとしても、館として必要な正規学芸員の確保と育成については、関係部局としっかりと協議してまいりたいと思います。 また、博物館の心臓部である収蔵スペースについては、開館以来18年に渡り、岡山市ゆかりの寄贈品、寄託品を中心に収蔵を続けています。 現在容量を超えて収蔵しており、大きな課題と考えております。 今後、収蔵品の新たな活用先を探すなど、スペース確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
博物館の性格を決める最も重要な要素は資料とそれを扱う人材です。
良い資料も良いスタッフがそれを取り扱わなければその価値を活かすことはできない。
資料を取り扱い、研究し展示を組み立てる学芸員をはじめ、博物館の中核を担う人材の確保は良い博物館づくりの基礎だと思います。
イベントに偏ったシティーミュージアムの性格はこのままで本当に良いのだろうかと危惧します。
長期的に働ける専門人材がいなければ長期的な展望が描けません。
やはり内からの改善は学芸員の増員だと思います。
特に近現代アートの専門家を登用するようにお願いします。
2 市民のための美術館や「近現代」における偉人顕彰、民俗、郷土にまつわる資料館や歴史考証館等が都心にセンター機能として存在しない都市は政令市で本市だけです。ご所見願います。
近現代における偉人顕彰、民俗、郷土にまつわる資料館等については、足守、高松、御津、灘崎、瀬戸地域に歴史資料館等があります。実際に現地に足を運んでいただくことで、地域の歴史文化を体感してもらうことができ、また、地域の賑わい創出の一助にもなっていると考えております。
市中心部の岡山シティミュージアムは、博物館として「岡山の歴史・文化を記録・保存・展示・発信し、市民の営みやまちの誇りを次世代へ伝えていく役割」を担っていることから、センター的機能を果たしながら、地域の歴史資料館等との連携による魅力向上に、一層努めてまいりたいと考えております。
新劇場ハレノワ南側3階テラスへ設置されるオブジェについて様々なご意見を頂いております。
主には作品そのものがハレノワのシンボルのように見えることや明らかな建築との不調和からだと思います。
違和感、ハプニング、それにより市民の日常に囚われた意識を異なる環境へ置き換えるという伝統手法は1920年代ころのシュルレアリスムから始まっており、違和感は悪いものではなく良いものにもなり得るという芸術的考え方についても理解をしているところです。
3 建築家、オブジェの作家、アートコーディネーターのコンセンサスは取れていたのでしょうか?設置経緯、考え方、思惑についてお聞かせください。特に現代アートには説明のクオリティが求められると思います。
ハレノワのアート作品については、劇場が、明るく華やかで、高揚感を感じられる「ハレ」の空間となるよう、また、劇場を訪れる多くの人が、文化芸術、とりわけアートに親しみ、身近に感じられる機会となるよう、企画し、施設の設計者、アートコーディネーター、アーティストと検討を重ねて、設置したものです。
南テラスの作品は、テラスに設置することで、屋内と屋外を繋ぐユニークな空間を出現させるという意図をもって、現代アートの領域でインスタレーションを手がけ、これまでカラフルでポップな作品を制作してこられたアーティストを選定しました。「桃木(とうき)」と名付けられた4メートルの高さの大作は、その大きさと色、形が相まって、劇場の中からも外からも、見る人に「強烈なインパクト、驚き」を与え、その空間を「非日常」のものに変えてくれていると感じます。
なお、現代アートの見方、楽しみ方は自由ですが、説明で理解が深まるということもございます。
伝わる説明の工夫をしていきたいと考えます。
公共空間の日常の中に奇抜なオブジェを出現させ、環境に異化作用を生じさせるといういわゆる「ハプニング」的手法は、アートの世界では60年代から行われてきた古典的な方法です。「違和感」は必ずしも悪いものではなく、良いものにもなり得る、というのが芸術的考え方です。
しかしどんなにクオリティの高い設置が成されたとしても、万人が違和感を感じないということはあり得ないので、最終的にそこはアーティストと設置者が設置における芸術的な価値や意義、つまりはオブジェ単体としてのクオリティではなく、「それが環境に設置されることを含めて作品」という観点でのクオリティを市民の皆さんに説明し納得してもらう必要があると思います。
2 給水スポット
各都市で給水スポットの整備が進んでいます。 豊中市は、マイボトル利用の普及啓発とプラスチックごみ削減を推進するため、マイボトル普及促進事業の一環として市内公共施設等に給水機を設置されマップも作成されています。
熱中症対策として「ひと涼み」できるクールスポットを設けている市有施設約70カ所のうち、市役所・出張所や公民館など7施設と先に実証実験を行った駅の合計8カ所に設置され、冷水と常温水が出るマイボトル用の給水機を自由に利用できるようです。 環境負荷低減、熱中症対策はもちろんですが、今こそ、公共の水道水に慣れ親しみ身近に感じてもらい水道水の価値を知ってもらう取り組みも必要ではないでしょうか? コミュニティサイクルスポットのように展開できませんか?給水スポットの現状と課題、今後の展開についてご所見ください。 →水道事業直営のメリットを示すべき
マイボトル利用を促すための給水スポットは、おいしい本市 の水道水を広くPRすることが期待できる、有効な手段である と認識しています。 水道局においては、ウォーターステーションという水飲み 場を、平成21年から岡山駅の東口と西口に1基ずつ設置していますが、マイボトル用ではありません。 また、東口のものは、 岡山駅東口広場の整備に伴い撤去する予定です。 水道局としては、既存のウォーターステーションの改良や岡山駅東口への再設置など、費用対効果を見極め、検討して参ります。 また、新たに市有施設などへ給水スポットを設置することにつきましては、関係部局と協議を行った上で検討したいと考えています。
3 教育
岡山市部活動ガイドライン
2012年環境省と文部科学省は「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」をまとめられ暑さ指数31度以上の場合「運動は原則中止」「特別の場合以外は運動中止」「特に子供の場合は中止すべきだ」と明記されています。
が、現実は部活動は行われている状況です。
1 部活動のガイドライン(日本スポーツ協会)について「31度以上の運動中止」を推奨していますが、本市では明記されていません。明確な基準をつくることにより様々な知恵が現場で生まれ安全安心な部活動を皆でつくっていける状態をつくることも出来るのではないでしょうか?
2 命の危険があるような暑さのなかで登下校も含めた部活動についての指導者意識を上げるためにも測定器の複数配置、パンフレット作成、研修などあらためて学校・家庭へも徹底するべきではないですか?さらに次年度に繋げるためにもアンケートなど用いた実態調査が必要ではないでしょうか?
各学校では、活動前に暑さ指数を活用し、必要に応じて活動内容の変更や中止を判断しています。
現在、統一的な判断基準がないため、今後は国の目安も参照しながら、校長会等の意見を聞き、部活動ガイドラインの改訂を進めてまいります。二学期以降も部活動や学校行事等を控えていることから、全教職員に対して、熱中症に関するオンデマンド研修及びふりかえりのアンケートを実施するとともに、引き続き家庭への協力を依頼してまいります。
また、暑さ指数を効果的に活用するため、各学校の実態把握も行ってまいります。
市内小学校では31度でグランドでの活動中止するところがあります。 グランドだけが練習場所でないし、1日中31度ということもない。 現場任せには負担が多いように思う。制度づくりも必要ではないかと思います。 体育祭や体育の通常授業も含めたガイドラインの改訂についてありがとうございます。 暑さ指数はエリアによって違います、学区への複数配置を是非ともお願いしたいのです。 気候変動とともに体育や部活動のあり方も変動も必要です。 それを現場任せでなくて、制度を作ることで現場が新たに作り直すきっかけになると思います。
不登校支援
3 現時点での不登校児童生徒は何名ですか?
令和3年度の小・中学校の不登校児童生徒数は1,270人です。令和4年度の不登校児童生徒数は、国の公表に合わせ、例年10月下旬に公表する予定です。
児童生徒支援教室の現状利用者は5教室で58名となっています。
昨年度より約3割減です。
各教室の利用者は多い所でも22人、2人、3人のところもあります。民間のフリースクールには私が知っているだけで200人を超える児童生徒が通っています。
4 今年度の児童生徒支援教室事業の見直しへ向けた取り組み状況を具体的にお聞かせください
児童生徒支援教室では、現在、各施設の特性を活かした体験活動に加えて、ICTの積極的な活用による学習支援や教育支援を実態に応じて実施する等、個に応じた支援や環境づくりを、在籍校と連携しながら進めているところです。
今後も、児童生徒の社会的自立を目指した支援を実施するため、より良い教室運営の在り方について、引き続き検討してまいります。
他教室が20程度も全然利用は少ないと思います。1200人を超える不登校です。 それしても、やはり牧山(3人)、瀬戸(2人)については抜本的な改革が必要だと思います。 なぜ利用者が少ないのでしょう?子どもたちに選ばれていない。
5 直営より遥か多くの児童生徒が通う民間フリースクール(出席扱いされる)をどう位置付けられておられるのか?パートナーとして丁寧な連携が必要ではないか?
6 民間フリースクール(出席扱いされる)における保護者負担軽減について検討のお考えはありませんか?義務教育段階で出席扱いにしているにも関わらず金銭的な保護書負担には矛盾がありませんか?
民間フリースクールとの連携は重要と考えており、教育委員会では、民間団体を含む関係機関と、子どもたちの社会的自立に向けて、幅広く意見交換や情報共有を行う「岡山市教育相談機関定例連絡会」を年間3回実施しています。 また、保護者負担軽減については、他都市の状況を注視しながら、研究してまいります。
学校と連携できているフリースクールは学校と地続きなはず。それなのに授業料が発生する。
この矛盾についてお答えがありませんでした、がそれが答えだと思います。実態を把握し、早急な対応をおねがいしたい。
「子どもが学校に適応するのではなく、学校が子どもに適応する」学びの場適応指導教室の発展的解消として岡崎市は市内全中学校へ『F組』を設置されています。2020年度に市内3校で校内フリースクール「F組」が始まりました。2023年度で20校全てに設置が完了されています。
「F組」というのは、Free(自由)、Fit(みんなに合う)、Fun(楽しい)、Future(未来に向かって)の頭文字を取ったもので、学校生活に困り感があったり、長期欠席傾向のある子の「個別最適な学びの場」として運営されています。教室復帰ではなく社会的自立を目指されているようです。
7 本市の校内支援教室はどのようなビジョンをお持ちでしょうか?委員会はここでもまた「学校復帰が目標」としてあることに疑問を感じます。取り組み状況と課題、解決へ向けてどうお考えでしょうか?→こども基本法に立った方針を、文科との整合性
校内支援教室は、校内に安心して落ち着ける居場所を作ることで、長期欠席傾向にある児童の登校意欲を促すとともに、社会的自立に向けた支援を行うものです。
研究指定校である3小学校では、教室に入りづらい児童や、昨年度長期欠席していた児童等が校内支援教室を利用しており、個々のペースに合わせて学習指導や相談支援を行っております。
個々のニーズに合わせた支援を行う難しさが課題となっており、教育委員会と各学校で協議会を開くなどしながら、学校全体の支援体制の充実に向けて取り組んでいるところです。
ご紹介した岡崎市は児童生徒支援教室の発展的解消により全中学校へ校内支援教室「F組」を設置しています。 本市も旧来の学校復帰ではなく社会的自立を目指し、個別最適な学びと支援が子どもファーストに立った方針が必要です。 そして、市内フリースクールの存在、活動を知り、子どもたちの実態を知る必要がありませんか?その上で子どもを真ん中にした連携体制を作るべきだと思います。
公立夜間中学の多様性と包摂性
8 現在不登校となっている学齢生徒(外国人も)本人の希望を尊重した上で在籍校へ籍を残したまま受け入れができるようです(出席席扱いとしての支援教室やフリースクールと同様の扱い)。本市の考え方をお聞かせください。
9 地域での日本語教室との連携や日本語指導の先生、スクールカウンセラーなどの配置についてどうお考えですか?
不登校となっている学齢生徒を夜間中学に在籍させるためには、国へ、学びの多様化学校いわゆる不登校特例校に係る申請をする必要があります。 岡山市が開設する夜間中学は、学齢期を過ぎた方を対象としており、現時点では、申請の計画はありませんが、学びの多様性の観点から、研究してまいりたいと考えております。 また、日本語教室との連携、日本語指導者、スクールカウンセラーなどの配置については、在籍生徒の状況に応じた教育課程を編成する中で検討してまいります。
不登校が増えている状況は学校が子どもに適応できていない証拠。公立での学びの場の選択肢を広げる努力をお願いしたい。
肢体不自由な児童生徒の校外学習や就学旅行の費用
10 これまでは受益者負担ということで保護者負担になっていました。 しかし受益者は障がいのある生徒と保護者だけなのでしょうか? ともに学ぶことは他の生徒や学校にとっても受益があるのではないでしょうか? 差額の費用負担は子どもの意見を尊重する(子ども基本法)するための合理的配慮だと思います。 特別支援教育奨励費に加えて対応できないのでしょうか? 支援学校と支援学級の差を無くすべきだと思いますがご所見願います。
参考→神戸市2015年から校外学習等におけるリフトバス利用には予算付。 帯広市2012年から修学旅行時の車いす等の交通費と健常の児童生徒の交通費との差額の交付。 那覇市2019年に修学旅行経費は交通費だけでなく、介助者や支援員についても支援学校と同等の支援
共生社会の実現に向けて、障害に対する理解を深めることや多様性を認め合うことは、全ての児童生徒にとって有意義であると認識しております。 校外学習でのバス代等の費用負担については、受益者負担を原則としておりますが、引き続き他都市の例を調査するなどして、今後も研究を進めてまいります。
当事者の個人負担にならないように合理的配慮をお願いしたい。