2020年 06月定例議会個人質問

2020.06.16

1 コロナ禍、収束後の都市経営について

本市においては緊急事態宣言の解除以降、外出自粛や中小企業、小規模事業者、フリーランス、各種団体等の営業自粛という前例のない対策により新規感染者数は減少し(諸説あるが)約一ヶ月感染者ゼロの日が続くまでに至っております。しかし代償としての市民生活での悪影響(不安除去)、地域経済への打撃の改善と感染拡大を収束に向かわせていくための、市民への持続可能な努力要請、とコロナ禍におけるこの両方のバランスをどのようにお考えでしょうか?そして収束後の都市経営の戦略には何を重点におかれ、描かれておられるのか?コロナ前後の方針の変化についてもあればお聞かせ下さい。

<局長>岡山市としては、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に伴う外出自粛等により、大変厳しい状況にあった事業者の皆様を支援するため、5月補正予算において緊急的な支援策を講じたところです。今後は、感染症の発生に十分注意を払いながら、市民生活と経済活動の再開へと軸足を移し、消費需要の回復に向けて、効果的な対策を速やかに実行してまいりたいと考えております。一方で、これまで誰も経験したことのない新型コロナウイルス感染症がもたらす社会、経済をはじめとする様々な変化については、岡山市のまちづくりにどのような影響を与えていくのか、見定めていく必要があります。また、財政への影響によっては、施策・事業のスケジュールの調整等を行うことも想定しなければなりません。それらを踏まえた上で、中・長期的な視点に立ち、新型コロナウイルス感染症の本格的な収束後も視野に入れながら、岡山市の住みやすさに磨きをかけ、人を呼び込むことができるよう各分野の施策を推進してまいります。

<森山>「資本主義により経済が社会を上回っている」「経済関係よって社会関係が規定されてしまっている。」20世紀を代表する経済人類学者カール・ポランニーはこう言います。昨今の分断社会、つながりの希薄、居場所、孤立の問題。相互関係、再分配、共同体、あるべき公共性をどう考えるか。支え合う社会経済への転換が求められていたなかでコロナ騒動が起こってしまいました。とりわけ中心市街地は未だに地域経済の回復の兆しが見えません。コロナ禍では地域経済を重視し生産インフラである地元の商店や中小企業を守ることと地域コミュニティを担う共同体の回復が重なり合うような施策事業がキーワードなのだと思います。コロナ禍における1年については特に顔の見えるface to faceによる地産地消、地域経済最優先でのマチづくりをお願いしたいと思います。

2 各社会課題への対応について

「新しい生活行動様式」では3密の回避、身体的距離の確保、基本的な感染防御策(マスクの着用、ハンド衛生等)が示されていますが、経済を再開するにあたり本市の状況に見合う、各事業者が感染対策を講じる際の基本的な考え方を示し、事業者や利用者へ向けた啓発をしていく必要があるのではないかと思います。(飲食店イートイン安全安心ガイドラインの作成には迅速に対応され感謝申し上げたいと思います。)

1 三密回避のため道路沿いの飲食店や小売店が飲食やテイクアウト等の営業をしやすくするために歩道等の活用を考えられませんか?活用するための概要もお聞かせ下さい。

<答弁>岡山市においても、このような国の取組みは、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店等を支援する緊急措置として有効であると考えており、管理する国道・県道・市道について同様に道路占用許可条件を緩和するよう早急に取り組みます。

この取組みのまちなかへの影響を見ながら、新たなまちの活性化に向けた仕組みやルールづくり等についても検討してまいりたいと考えております。

2 夜の街における接待を伴う事業者等は未だ再開への糸口が見えていませんが道筋を示すべきではありませんか?また再開支援をどのようにおかんがえでしょうか?

<答弁>夜の街に活気を取り戻していくことは、経済の再開・回復にとって重要であることと認識しております。現在、新型コロナウイルスの新規感染者数は、全国的には減少傾向となっている一方、東京都では今月に入っても、いわゆる夜の街に関連する感染者が増加しています。その中で、国が接待をともなう飲食店について、感染防止のガイドラインを早期に取りまとめる方針であるとの情報があることから、岡山市といたしましては、国の動向を注視してまいります。

ライブハウス、クラブ、バーやミニシアターなどの文化施設が自粛要請で特に運営難に陥っています。特にライブハウスやクラブ、ミニシアター等は「装置産業」といわれ、いったんなくなると再建に多額の費用がかかり、さらに運営を担う人材の散逸を取り戻すのは至難必至です。

3 文化芸術エンタテインメントは街の魅力に欠かせない、社会インフラであることについて、市民の共通理解も必要だと思います。文化芸術、エンタテインメント支援についてご所見願います。

4 ライブハウス、クラブ(DJ)、またシアター等屋内の文化スペースや公園等における野外ライブ等のガイドラインの策定や周知するための掲示デザインの必要性についてお聞かせ下さい。

<3、4局長答弁>文化や芸術・エンタテインメントなどは、街の魅力や経済的な活力とも密接に関わるものであり、長引く新型コロナウイルスの影響下においては、一定の支援が必要と考えております。議員ご指摘のガイドラインは「新しい生活様式」における文化芸術などの楽しみ方を作り上げていくうえで、重要なものと認識しております。現在、国及び関係団体において、業種別のガイドラインが作成されておりますが、関係団体のニーズ把握やその周知の方法なども含めまして、検討を進めてまいりたいと考えております。

<森山>「文化は良き時代において享受されるぜいたく品ではない」「アーティストは生命の維持に必要不可欠な存在である」。
この言葉は、ドイツのモニカ・グリュッタース文化相がコロナ禍における文化支援について語った時のものです。
コロナ収束後のライブエンターテインメントは「リアル+オンライン配信」のハイブリッドモデルとして普及していくことが予想されます。
迅速な支援が必要です。国で予算措置されてからすみやかに支援するための体制づくりをどうお考えですか?
相談窓口として市役所、そして街場にある文化振興財団で対応出来るよう願います

グローバル化が進む今、学生、技能実習生、労働者、移住者など、日本にもたくさんの外国人の方々が暮らしています。
言葉の不自由さや社会経済的な不安定さにより、在日外国人の方々の必要な情報と医療へのアクセスが限られてしまうようなことがあれば、日本全体での感染拡大および大きな社会的な損失は避けられません。

5 コロナ禍において、在日外国人の方々が必要な情報と医療アクセスを確保できるよう取り組まれている事がありますか?また在日外国人を受け入れる企業、学校、医療機関等への協力要請はどのようにされていますか?

<答弁>外国人市民への情報提供については、健康に関する相談窓口などの情報を多言語化し、市ホームページや国際課フェイスブックに掲載するとともに、外国人総合相談窓口では、新型コロナウイルス関係のチラシを設置し、外国人市民からの問い合わせにも対応しています。保健所と医療機関との間で通訳が必要な場合は、各言語担当者を派遣するなどの対応をしています。また、外国人市民会議をはじめ、多文化共生推進ネットワーク会議の構成団体である外国人支援団体や経済団体、大学等に情報提供し、さらにそこから、外国人市民への周知をお願いしており、引き続き外国人市民に必要な情報が届くよう努めてまいりたいと考えております。

6 中学高校での文化スポーツの大会やコンクールが中止になっていると聞きます。代替開催の必要性、検討状況についてお聞かせ下さい。

<答弁> 教育委員会としては,最終学年である3年生の活躍の場を設けることは,必要であると認識しております。3年生が参加できる部活動の大会や演奏会等については,それぞれの競技団体等が,8月以降に実施する方向で検討しているとの報告を受けています。

3 ふるさと納税について

ふるさと納税は新制度から1年。2008年からスタートし2018年にはその寄付額5127億に達するなど昨今賑わいをみせています。コロナ禍では医療関係者を支援するコーナーに福岡など12府県が返礼品なしで寄付を募り2億3千万を集めたと言います。また、近年「関係人口」との親和性も注目されています。

岡山市の寄付額、減収額のここ数年の推移をお聞かせ頂き、今後どのようにお考えなのか、またコロナ禍における医療関係者や社会活動するNPO法人等団体への支援の呼びかけを積極的に行うためにもふるさと納税のクラウドファンディング化に取り組むべきではないでしょうか?ご所見願います

<局長>本市へのふるさと納税額の推移は、平成29年度が、9,911万円余、平成30年度が、1億2,198万円余、令和元年度は7,465万円余となっております。

減収額につきましては、岡山市民の方がふるさと納税をされ、控除される市民税額の合計となりますが、平成29年が10億1,310万円余、平成30年が13億5,660万円余、令和元年につきましては現在集計しているところです。

なお、これらに交付税措置額及び事業経費支出額を含めた全体の収支といたしましては、平成29年度が1億9千6百万円余のマイナス、平成30年度が2億5千9百万円余のマイナスと試算されます。

ふるさと納税は、本市にとって貴重な財源と認識しており、お礼品の品目数の増加や、ふるさと納税のポータルサイトの増設を今年度実施しているところでありますが、今後とも寄附額を増やす様々な取組を進めてまいります。

ご指摘のふるさと納税のクラウドファンディング化については、その必要性や効果等を踏まえて、クラウドファンディングの資金を充てることがふさわしい取組があれば、関係局と協議してまいりたいと考えております。

4 都心創生まちづくり構想

岡山城主要部に跡地活用検討のための基礎調査の結果が出ました。西川緑道公園、石山公園、京橋エリア、旭川における水辺の活用(京橋クルーズ、旭川遊覧クルーズ)県庁通り整備にみられる車道歩道などの公共空間の活用を地域に根ざした創発により駅前、商店街、夜の街との面的な展開が期待されるところです。その魅力づくりの牽引として都心創生まちづくり構想があると認識し、さらにランドマークを担うべく只今検討頂いているのが旧内山下小学校、市民会館、旧NHK跡地エリアにおける歴史公園整備だと思います。

1 担当課は基礎調査報告をどのように読まれましたか?感想願います。

<局長>昨年度完了した基礎調査では、岡山城主要部に位置する旧内山下小学校跡地、岡山市民会館、旧NHK放送会館跡地について、現状と課題、求められる機能など今後の検討の参考となりうる有益な情報が収集できたと捉えております。今後は、まちなかで動き始めている様々な事業の状況等も踏まえながら、検討を進めていく必要があると考えております。

コロナ禍による今後の影響が不透明な部分はございますが、この調査結果を基に、必要に応じて様々なご意見をお聞きしながら、今後、岡山城主要部にある市有施設の整備方針を取りまとめてまいりたいと考えております。

2 歴史公園整備については来年度末までには結論を出そうとされています。そこにたどり着くまでのプロセスをどうお考えなのでしょう?お聞かせ下さい。

<局長>調査結果が、市民会館がすべて解体される前提で、内山下小学校が活用されるのが6つのうち1つしかない、やや作為的ではないかというご質問なのかなというふうに私は受け止めました。それに対してお答えいたしますと、まず今回の基礎調査につきましては、現状と課題、あの一帯に求められる機能といったものを、今後の検討の参考とするために調査を行ったものでありまして、決して議員が思っているような作為があるというものではございません。ただはっきりしているのは、市の方針を示した、整備の方針を示したというものではございません。さらに申し上げると、市民会館につきましては、老朽化しておりまして、耐震に多額の事業費を要するということで、市民文化ホールとともに施設を廃止のうえ統合することで、有利な起債が可能ということになるので、それを使って新しい劇場を整備するということで建築を進めておりますので、施設の廃止ということについては結論がでているものと承知をしております。

<森山>基礎調査の結果を見て、想像以上に跡地活用についてとても詳細具体に報告されて、驚きました。この件に関しては私は9年間議会で質疑し続けています。 2年後には岡山城3年後には石山公園のリニューアルが迫ります。それに呼応しての歴史公園整備はあと1年半しかありません。なぜプランを示せないのか、不安です。全市における新しい観光拠点になることは間違いないです。コロナ禍であるからこそ、マチナカの商業者だけでなく全市的な希望あるプロジェクトにしていかなければなりません。そのためには、プロセス、その過程をどう取り組まれるか?だと思います。 市民アンケート調査では歴史資源を活用した観光スポット、旧内山下小学校については存続廃止の両論等ありますが、比較検討案を六つ示して頂いたなか市民会館は全て解体、旧内山下小学校も活用は1つだけになっています。市民会館も歴史あるモダニズム建築であり、旧内山下小学校も歴史ある県内最古の公共建築です。もう少し、幅広い検討案が必要ではないでしょうか?そして、出来るだけ早い段階で方針を示すまでのプロセス、中身をお願いしたいと思います。そして、市民会館取り壊しについては議会(委員会でも)で議論をしていません。引き続きの議論が必要だと思います。

3 歴史公園整備については行政だけで考えるのではなく、有識者や地域、NPOや市民団体等を巻き込んだ検討会の立ち上げが必要だと思いますがいかがでしょうか?

<局長>有識者等を巻き込んでしっかりと活性化に向けた検討を進めてはどうかという再度のお尋ねでございます。先程私も答弁したとおり、整備方針の取りまとめにあたりましては、様々な関係者の方のご意見をお聞きしてまいりたいとうふうに考えております。

5 ナイトタイムエコノミーと夜の観光

これまで日本におけるナイトタイムエコノミーは、インバウンド需要と観光からアピールされることが多かったように思いますが、必ずしもナイトタイムエコノミー=インバンド観光施策ではありません。ナイトタイムエコノミーは、もともとクラブカルチャーやダンスカルチャーのネックになっていた風営法改正に端を発し「ライフスタイルの多様性」という観点から論じられています。ナイトタイムエコノミーに関する政策提言をしてきた自民党でのナイトタイムエコノミー議連でも、ライフスタイルの多様性を基本コンセプトとする「24Hour City構想」といった提言も含まれています。夜間帯は観光を中心とした経済的価値とともに、さまざまな文化が生まれ育っていく場としての文化的土壌としての文化的価値も併せ持ちます。将来的にインバウンド観光客が戻ってこられる環境をどう残していけるか?この観点から、コロナ禍におけるナイトタイムエコノミーを考える際、エンターテインメントやミュージックスペースやシアターなどの文化施設、そしてそこを表現の場とするアーティストやエンジニアなどの各種スタッフをどう守っていくのかという点もより重要性を増していると思います。

1 ナイトタイムエコノミーとコロナ禍、収束後における公共空間(城庭、公園、歩道)と夜の街を合わせたマチづくりについて観光の視点からご所見願います。

<答弁>宿泊、飲食、体験消費など幅広い波及効果をもたらすナイトタイムエコノミーの取組については、観光振興にとって大切な視点と考えております。岡山市でもこれまで、烏城灯源郷、幻想庭園、ゴールデン夜市・オ盆夜市など、公共空間を活用した夜の魅力を体感できるイベントの開催や情報発信を行ってまいりました。現在のコロナ禍においては、イベントの開催可否について適宜判断していくことになりますが、例えば、烏城灯源郷については、石垣へのライトアップエリアを拡大するなど、新たな取組を模索しながら、収束後の街の賑わいにつながる検討を行ってまいりたいと考えています。また、こうした夜のイベントが呼び水となり、来訪者が飲食店を利用するなど波及効果が生まれればと考えております。

<森山>ナイトタイムエコノミーは中心市街地における夜うまれる文化的土壌としての経済価値の掘り起こしが念頭にあると考えます。22年岡山城リニューアルや石山公園歴史公園の整備、劇場開館も控えていて、商店街や繁華街も一体となった夜の観光の魅力づくりをブランディングしビジョンを示していくべきだと考えます。そのなかでライブハウスやクラブのスタッフや関係者のアイディアや技術も活かしていくべきだと考えます。強くお願いしたいと思います。コロナ禍だからこそ地域資源ブランドを再考する時間として取り組んで頂きたいと思います。

2 市内ホテルやゲストハウス等の宿泊状況はいかがでしょうか?県内消費を喚起するためのマイクロツーリズム、日帰り、地域宿泊など、県内・圏域旅行を喚起するキャンペーンや「宿泊から一時利用へ」などの推進も必要ではないでしょうか?→宿泊と飲食セット

<答弁> 市内宿泊施設の4月の宿泊状況につきましては、前年稼働率86%に対し、今年は24%となっております(おかやま観光コンベンション協会調べ)。

今後、宿泊と飲食の割引クーポンを発行することで、岡山市への滞在と夜の飲食店への誘客を促し、ナイトタイムエコノミーの推進により、疲弊した観光産業に刺激を与えることを検討しております。また、宿泊施設の一時利用につきましては、観光面での実施形態やニーズなどについて研究してみたいと考えております。

3 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、芸術文化関係の展覧会・公演・イベント等が中止・延期となり、日頃、芸術文化の分野で活動されている方々の制作や発信の場が失われています。 国の二次補正でアーティスト等への支援メニューが示されていますが、本市ではどのようにお考えでしょうか?文化振興財団?

<局長答弁>まず、事業者としてのアーティストなどの支援につきましては、国及び岡山市において、事業継続のための支援金が支給されているところです。さらに、国の支援策メニューの中には、アーティストだけでなく、音響や照明などの技術スタッフの活動に関する支援として「文化芸術・スポーツ活動の継続支援」があげられております。詳細が分かり次第、関係者の皆さまへ周知をしてまいりたいと考えております。また、岡山市における、市民主体の芸術文化団体の活動への支援につきましては、活動内容に応じたニーズを把握し、新たに設立した「公益財団法人 岡山文化芸術創造」とも連携を図りながら、どのような支援が出来るか、検討を進めてまいりたいと考えております。

<森山再質>これもまだ、具体的に国の方がどういうスキームで支援をしていくのかっていうのは、検討中ということで、おそらく月内には出てくるのかなと思うのですけれども…。

相談窓口ですね、これ、各自治体がその相談窓口を請負うというような格好になるかどうかわかりませんが、ここについては、大変皆さん期待をしておられます。

このコロナ騒動が起きて、頭からね、のっけからやり玉に上がっているライブハウスの関係者、アーティスト、ミュージシャン、技術者達のですね、できれば相談窓口をどこかで定めていただきたいのですが…。せめて市役所と、もう一つは、街の中で、例えば文化振興財団、これ事務所が、今二つか三つあると思うのですけども、そういう場所も相談窓口としてやっぱり規定をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

<局長答弁>

文化芸術の関係者、アーティストさんたちの支援のメニュー、国の方で詳細が明らかになりましたら、きちんと説明をさせていただきたいと思っております。

その窓口として、当然市の方では、文化振興課、それからご提案いただきました(公財)岡山文化芸術創造、こちらの方でも、問い合わせに対応できるように準備を進めてまいりたいと思います

6 岡山市の音楽祭は果たして持続可能か?

「音による芸術」と定義される音楽は、人類の有史以前より存在し、さまざまに形を変え私たちへ響き続けています。産業化以降、レコード、カセットテープ、CD といったメディアを通して聴かれていた音楽は、いつしかインターネット上のデータとして形を持たず、所有しない状態が普通になり、そして時代はモノからコトへ。近年ではライブハウスや劇場、フェスでの野外・公共空間で体験する音楽がより強く求められる時代になって来ています。その一方で日頃の公共空間、地域の営みはどうか。つながりの希薄による共同体の脆弱化(特に中心部)は社会課題になって久しい。地域のイベントあれど祭りは減少。コロナ禍である今こそ、音楽や芸術の役割について、地域の未来を共につくる議論が必要ではないでしょうか?平時では難しい、だから今こそ、です。

1 オーセンティシティという概念があります。本質、本来性と解釈しますが、公共政策としての音楽、芸術祭の本来の意義、役割とは何か?持続可能な地域の営み、共同体のあり方との関連について市長はどのようなご所見をお持ちでしょうか。

2 私は国際音楽祭についての課題は商業主義から民衆性への転換だと考えます。地域の全世代全人種の人々が楽しめる、そして市民協働で運営(財団と市民団体)を担っていく、それぞれが主役になるような地域参加型の音楽祭が必要ではないでしょうか。質の高い演奏と無名の人々による発表を通して人々が混ざり合う、商業イベントではない地域の祭りが必要ではないでしょうか。
そのためには芸術劇場と同じように、音楽プロデューサーやディレクターという専門家を中心にし、ボランティアスタッフも多く参画できるような組織の立ち上げが必要だと思いますがいかがでしょうか?検討会のたちあげを。

<市長答弁>「おかやま国際音楽祭」は平成6年から、「岡山市芸術祭」が昭和38年からということでありますが、これらのことで多くの市民が、多様な文化芸術に触れ、親しみ、また、楽しむ機会を提供しており、岡山市の文化芸術施策の柱となってきたと認識していただけるものではないかと思います。今回、新しい劇場ですね、劇場について、「魅せる」「集う」「つくる」を基本コンセプトとした整備を、今、進めているところであります。残念ながら、新劇場の開館は予定より遅れる可能性が出てきているのですけれども、やはり、開館を契機として、新しい文化の大きな転換期にする必要があるのではないかというように思っております。従って、既存の文化事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、文化・芸術の新展開を図っていかなければならないというように思っております。

これらの、今後の見直し作業でありますが、新劇場へ招聘するプロデューサーなどの専門家の意見も聞きながら、具体の作業を進めるよう担当局には、市民生活局には、指示をしたところであります。

<森山>おらが街の音楽祭なのか?市民がアイデンティティーを感じられる祭りになっているのか?文化芸術の社会的役割を示しきれていない、国際音楽祭はなぜ開催されるのか?を示せてないことこそが課題です。
文化は大事だから大事、というトートロジー(繰り返し)の論理では、市民に文化芸術の公共性を示しきれていない、その事が課題だと感じています。
国際音楽祭そのものが他者理解、寛容、多様性、ダイバーシティなのだ、という理念に立ち、共同体コミュニティーの構築や社会教育へつながるのだ、という社会的役割を示す必要があるのだと思います。
商業的な仕掛けで会場を評価することには意味がなく、むしろ重要なのは、実験的で創造性に富んだ表現が可能な場か、多様なコミュニティーに開かれているかといった点であると考えます。
質の高い音楽と地域の無名の音楽により人と人が混ざり合う姿をどう描けるか?かたや、昨今、特に市内中心部は地域コミュニティのつながりの希薄による孤立が進行している。
人は住んではいるが暮らしの匂いがなくなっているように思うのは僕だけではないと思います。
そこに住まう全世代全人種が楽しみにできるような祝祭空間にしていくために、地域コミュニティと個人商店中小企業が一体となったものにやり直すべきだと思います。