2019年 11月定例議会個人質問
2019.12.07

1「不登校児童生徒への支援のあり方」について

不登校の小中学生が全国で約16万5千人と増え続けていることなどを受けて、文科省は、従来の学校復帰を前提とした支援のあり方の見直しにようやく乗り出し、10月には「不登校児童生徒への支援のあり方」についての通知を各自治体教育委員会、首長あてに通知が出ているところです。復学のみを目標にしがちだった教育現場の意識改革や地域や事業者も一体となった持続可能な支援のあり方、やり方、そのためには「チーム学校」づくりだと思います。これからの不登校支援への仕組みづくりについてお聞きします。

学業確保、社会的自立への支援

(1)本市には30年度末で小学校343中学校587計930人の不登校生がいます。増加する不登校の現状(経年で何が変わったのか?)をどう認識され、今後どのような支援の視点を持って取り組まれていこうとされていますか?

通知では児童生徒の才能や能力に応じて,それぞれの可能性を伸ばせるよう,本人の希望を尊重し、適応指導教室やICTを活用した学習支援、フリースクール、中学校夜間学級等での受入れなど、様々な関係機関を活用し社会的自立への支援を行うこととしています。

(2)多様で総合的な支援のあり方を構築する必要があるのだと思います。民間事業者やNPO等と積極的に連携し、相互に協力・補完することの必要性と体制づくりについてもお聞かせ下さい。対策会議、連絡会の設置、恊働運営

<教育長答弁>
以前と比べて不登校となる要因が複雑化してきており,低学年も含めどの学年においても増加傾向であること,さらに不登校の期間が長期化しているという現状は,大きな課題ととらえています。
課題の解決に向けては,一人一人に合った支援体制をこれまで以上に構築していくことが必要であると考えています。また、民間事業者やNPO等との連携の在り方についても、今後研究してまいりたいと考えています。

<森山要望>
子どもたちの支援をこれからは校内だけでなく、地域も巻き込んだ社会ごとにしていくための仕組みづくりをどこからどうやっていくのか?民間やNPO等巻き込んだ協議会のような体制づくりについて検討願いたいと思います。

家庭支援

不登校の要因・背景によっては、福祉や医療機関等と連携し、家庭の状況を正確に把握した上で適切な支援や働き掛けを行うための、家庭と学校、関係機関の連携体制について、あらためて問わなければなりません。スクールソーシャルワーク事業というのは本来国家資格をもつ社会福祉士、精神保健福祉士が保護者、学校、福祉機関を繋ぐ役割を持っています。岡山市では子ども相談主事がその任を担っていますが元校長先生が大半を占めている状況です。

(3)現在子ども相談主事18人うち福祉専門家は1人です。勿論、校長先生だからこそのメリットは理解しますが、一方で専門性の希薄やSSWの人材育成についても課題があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?→俯瞰性

<岡山っ子局長答弁>
「本市では、子ども相談主事を福祉事務所の中の地域こども相談センターに配置し、チームとして児童福祉司任用資格を持つ職員等とともに、子どもや家庭の状況を把握し、適切な支援につなげることとしております。また、人材育成については、OJTや専門研修等に加え、県のスクールソーシャルワーカーとの合同研修の開催に向けて検討しているところです。」

<森山要望>
子ども相談主事 元校長とソーシャルワーカーそれぞれの良さをいかした二本立てで家庭にあたるのがベストだと考えます。地域こども相談センター内のレベルアップのためには所轄(子ども福祉)の専門家の人員補強は必須です。専門職の増員について今後検討願います。

校内支援

(4)保護者・地域住民等の連携・協働体制の構築について社会総掛かりで児童生徒を育んでいくために、地域協働く学校における学校運営協議会をプラットフォームに全市的に取り組むお考えはないでしょうか?

<教育長答弁>
今年度,岡山市内すべての小中学校に,地域協働学校が設置され,学校運営協議会が定期的に開催されることとなります。教育委員会としましては,不登校児童生徒への支援等を含む様々な各学校園の課題を学校運営協議会でご協議いただくとともに,学校,保護者,地域が適切に役割分担しながら課題解決に向けた取組が進むよう努めてまいります。

<森山要望>
学校運営協議会 推進するためには権限と予算が必要です。権限はあっても予算がない。プロジェクトの施策化という出口を持ちながら予算を確保して行く必要があるのではないでしょうか。現場のやりがいも高まる。

適応指導教室に創造と恊働を

(5)適応指導教室はどのようなビジョンを持ってスタートしたのでしょうか?この10年での変容をどう捉え、課題を解決していこうと思われていますか?配置計画、今後の運営についてお聞かせ下さい。

<教育長答弁>
適応指導教室は,不登校児童生徒やその傾向にある児童生徒が,集団生活に徐々に適応できるように支援することで学校復帰を促すという方針で設置しました。しかし,不登校となる要因が多様化してきたことから,小集団活動や個別活動の充実を図る等の対応を進めてまいりました。今後は,適応指導教室が,市内全域に対応した施設配置になるよう,南部エリアへの建設を進めるとともに,児童生徒一人一人に合わせた対応を含め,適応指導教室の運営の在り方について検討してまいりたいと考えております。

<森山要望>
適応指導教室への通室生、不登校生930人中73人。社会も変わるなかで指導が適応していないのが、適応指導教室の現状なのだと実感しています。環境改善は委員会の使命です。それぞれの室での現場の皆さんは本当に苦労しながらやられています。室環境、交通、運営方法、時代に適応するための改善方法を見つけるための民間との連携についてご所見願います。雲南市の事例を参考に適室の協働運営について検討を。ラポートの運用について、もしくは駅前に機能移転も検討してはどうか。

(6)事業評価について、誰が、どのようにされているのでしょうか?多様な視点

<教育長答弁>
適応指導教室に関係する事業の全体的な評価は,岡山市教育振興基本計画において行われておりますが,それぞれの適応指導教室の運営等に関する部分については,必要な改善点が明らかになるような評価方法を今後検討してまいります。

(7)利用者と発達障がいとの関係について調査し、一人一人に対応した支援ができていますか?

(8)発達障がいのある児童生徒の場合に通級との併用も効果があると思うが、なぜ、認められないのですか?生徒主体で

<教育長答弁>
適応指導教室の通室生を対象に、発達障害の有無などに関する調査は行っていませんが、入室が決まった際に、適応指導教室と学校が行う支援検討会議の中で、一人一人の状況に応じた支援方法を検討しています。また、通級指導教室は、おおむね通常の学級で生活している児童生徒の課題を克服するためのものであるため、不登校または、その傾向にある児童生徒を対象とした適応指導教室との併用は考えておりません。

<森山要望>
適切な支援930名の学校へいけていないこどもに不登校と発達障がいの関係性についての調査し、適切な特別支援ができる体制づくりもお願いしたい。通級との併用が難しいようであればなおさら適室に適応できるような人員体制を。

(9)相談については教育相談室だけでなく、今では適応指導教室もその役割を担っています。利用者が使いやすいワンストップで対応する必要があるのではないでしょうか?たらいまわしの現状

<教育長答弁>
現在,すべての適応指導教室に臨床心理士等の資格をもった相談員を配置し,不登校にかかる保護者や子どもの悩みや不安・入室等の相談を直接受けております。不登校以外の相談が適応指導教室にあった場合は,教育相談室等へつなぐこともあるため,相談者にはその旨を丁寧に説明し,ご理解をいただくように努めてまいります。

外国人のこども支援について

日本に住む外国人の小中学生にあたる12万4千人の子どものうち約2万人が就学していない可能性があるとわかっています。

(10)14183人、9849世帯が暮らす本市での不就学、所在不明者数をお聞かせ下さい。

(11)法的な義務教育制度外ではあるが、教育を受ける権利についてどのようにお考えで、どのように対応されていますか?課題、それに向けた取り組みをお聞かせ下さい。

<教育長答弁>
11月末現在で、外国人児童生徒387人のうち、家庭学習などの不就学が11人、所在不明者はおりません。外国人の児童生徒については、法的に就学義務はありませんが、ひとしく教育を受けることができるように、状況の把握と就学案内に努めております。
また、就学した外国人の子どものうち、日本語指導の必要な子どもに対しては、日本語指導支援員による支援と日本語指導加配教員による指導を行っています。その中で、より効果的に進めるために、全ての母国語に対応した支援や日本語の習得状況に応じた指導の内容が課題だと考えております。

2 中心市街地のマチづくりについて

都心創生まちづくり構想

今年度、城域主要部における歴史公園整備を進めるうえでの市有施設の基礎調査をされています。

(1)調査内容の具体についてお聞かせ下さい。その結果を受けて次年度の内容についてもお聞かせ下さい。→3年度末に方向性を示すまでのスケジュール

<山口政策局長答弁>
岡山市都心創生まちづくり構想では、岡山城主要部については、将来的には歴史資産を活かした公園の整備を目指すこととしております。この構想に沿って、岡山市民会館の移転を念頭に、令和3年度末を目途に、岡山城主要部にある市有施設の整備方針をとりまとめる予定としており、現在、現況の把握や必要な機能、整備費用等に関する基礎調査を行っているところです。来年度以降、この調査の結果や岡山城周辺における各事業の状況等も踏まえ、引き続き庁内協議を進めてまいりたいと考えております。

<森山要望>
旧内山下小学校、市民会館の耐震補強の構造調査も項目のうちですか?なければ次年度
耐震補強の松竹梅。新劇場にて市民会館の役割を果たしきれない機能があるのでは?地域コミュニティの拠点であり市民の制作発表の場であるギャラリー、フリースペースの調査が必要ではないか?。次年度の調査に入れて欲しい

石山公園パークマネジメントのこれから

(2)石山公園のオープンカフェ事業者が決まりました。事業者概要、公園像、業務スケージュルについて、また公園自体のハード整備のスケジュールと合わせて聞かせて下さい。

<都市公園局長>
石山公園の仮設オープンカフェは、賑わいの創出やパークマネジメントに向けた課題抽出等を目的として、民間事業者により運営を行うものであり、公募を行った上で、11月上旬に優先交渉権者を選定したところです。優先交渉権者は、株式会社ストライプインターナショナルと地域まちづくり会社のカタマラン株式会社の2者で構成されるグループに決定し、現在、協定締結に向けて協議を行っているところです。優先交渉権者からは、コンセプトとして石山公園が、多くの人々が交わる場を創出する舞台となることで、岡山城、後楽園エリアの入り口として魅力的な空間を創造することが示されました。また、石山公園の有効な活用方策等を検討するため、地域の方々や関係団体などで構成された「石山公園活用検討会」に参画し、互いに協力しながら賑わいの創出に取り組んでいただくこととしています。スケジュールについては、来年春のオープンを目指しており、その後3年間運営を行うこととしております。公園の本格的な整備については、現在、市民会館等の周辺施設の活用について庁内で検討中であり、それとの整合性を図りながら進めてまいりたいと考えております。

岡山駅前中心部に位置する下石井公園は近年賑わいの拠点として利用が増えているように感じます。

(3)下石井公園の稼働率、利用割合、近年の推移の特徴、また課題やポテンシャルについてもお聞かせ下さい。

(4)下石井公園の役割についてどうお考えですか?機能向上に向けたマネジメント導入についてお考えがありませんか?

<都市公園担当局長>
下石井公園のイベントでの利用は、近年、年間約30日程度で推移しております。平成30年度の利用割合は、民間企業主体での利用が約4割、地元主体が約1割、行政主体が約5割であり、民間企業主体の利用が増加傾向にあります。下石井公園では、このほかグラウンドゴルフやペタンクなどで利用されているものの、西川緑道公園に隣接する、街なかの貴重なまとまった空間であることから、中心部における賑わいや憩いの創出に大きく寄与するポテンシャルの高い公園として、まちなかに居住する、また、訪れる多くの方々にとって普段使い出来る憩いの空間となることが課題と考えております。一方でイベント開催時には多くの方々が集まることから、利用に関する地元からの苦情も見受けられるなど、イベントの管理運営の在り方も課題となっております。今後は、普段使いを含めた公園のあり方の検討を進めるとともに、地域の機運の高まりなどを踏まえながら、マネジメント組織の構築についても検討してまいりたいと考えております。

県庁通り一車線化

(5)今後の整備スケジュールについてグリーンインフラのイメージも合わせて聞かせて下さい。

<都市公園担当局長>
県庁通りの整備については、車道を削減し、歩道を拡幅することで、ゆとりある歩行空間を確保するとともに、街路樹の再整備による緑のボリュームアップと緑陰の創出により、居心地の良い、憩いの空間を創出してまいりたいと考えております。 県庁通りの整備スケジュールは、市役所筋から西川緑道公園までの約290m区間については、来年の1月頃に工事着手する予定としており、令和2年度末の完成を見込んでおります。残りの西川緑道公園から柳川筋までの約310m区間については、令和2年度中に工事着手し、令和3年度末での完成を目指してまいります。

<森山要望>
一車線化 車道両脇から大きな木がアーチ状に表町の方まで連なっていくような緑溢れるグリーンインフラを宜しくお願い致します。イベント空間1m、歩道活用、車道活用、歩行者天国がスムーズに出来るような運用をお願いしたいが、空間創造的なマネージメントイメージ検討願います。

3 新財団について

新劇場の母体としてシンフォニー財団とスポーツ文化振興財団が統合し次年度より新財団が立ち上がります。

(1)財団統合は何を目指されるのか?岡山市の文化芸術行政を今後どのように描いておられるのか?お考えお聞かせ下さい。

<市民局長答弁>
今回の劇場ですけれども、仮称ではありますが、創造という名前が入っております。創造、字のごとく、ものをつくり出して、クリエイトしていく、そういったものであります。芸術をクリエイトしていくためには、何が必要なのか。今までも、そういうことができなかったわけではないのですが、新しく創造劇場をつくり、様々なスタジオ・練習場などもつくりながら、ものを作り上げていく。
そこにはやはり、アドバイザーないしは、そこをプロモートしていく、そういった方々が必要になるだろうと思います。専門的に、また、一過性じゃなくて、継続的に文化をつくり出していく、そういった人たちを含む組織が必要になるだろうというように思っているところであります。
今、ノウハウ持っている岡山シンフォニーホール、そしてスポーツ文化振興財団を統合して、公益財団法人岡山文化芸術創造という形で設立するのはそのためであるわけです。ただ、本当にそれで足りるのかって言ったら、そうではないだろうと。
今の岡山シンフォニーホールにしろ、スポーツ文化振興財団にしろ、どこまで文化を作り上げる機能を担っているか。ある程度のところはやっているわけですけれども、もう少し、これを量的にも質的にも増やしていかなきゃならない、ということで、我々としては、この両財団を統合するだけではなくて、加えて、新劇場の運営に必要となる高度な専門的人材を増やしていく、増強してくということが必要だろうというように思っているところであります。
もう大分、目前に迫ってきましたので、これからしっかりとした組織の強化を具体的に行っていきたいというように思います。その上で、この新しい劇場を文化の活動拠点として、既存の様々な施設等との連携をはじめ、劇場がハブとなって、多様な分野の人・団体を繋いで、新たな活動を生み出すことができればというように思っています。そういったことが、岡山市全体の文化力の向上に繋がっていくのではないかなと思います。

(2)新しい財団の職員体制について専門性をもった現役世代の登用、アーツカウンシル的な視点等について未来志向で取り組まれていますか?

<市民局長答弁>
新財団の組織づくりにあたっては、事業の継続性に配慮し、若い世代の雇用と育成も重要であると考えております。
また、アーツカウンシル的な視点も踏まえて、より多くの市民の皆様が文化芸術に親しむことができる事業の企画や、その活動を担う人材の育成、文化施策に関する調査研究等に取り組んでいく必要があると考えております。

<森山要望>
プロデューサー1名 技術ディレクター1名 マネージャー1名他専門的外部人材を登用しこれまでにない創造的な運営を期待します。劇場はマチとともにあります。劇場の運営だけでなく、地域やマチを知ることや、本市における文化芸術施策事業をあらためて問い直し統一展開出来るよう目指して頑張って頂きたいと思います。