2015年 11月 定例議会個人質問
2015.12.13

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1 国際観光戦略について

近年、日本への観光客は右肩上がりで、昨年は1300万人を突破し、今年は過去最高の1900万人台に到達する勢いだそうです。これを受け、外国人観光客という新たなる資源獲得への都市間競争は既に始まっております。本市における国際観光戦略についてお聞きしたいと思います。

(1)外国人取り込みについて本市はどのような戦略をお持ちでしょうか?

(3)2013年でアジアの約6割、アメリカは実に8割が個人旅行という観光庁のデータ報告があります。個人旅行とは航空券の手配からホテルの予約までネットで自分で行い、バックパックひとつで日本を旅行する形態を指します。アメリカなど欧米の方の旅行スタイルはこちらが主流のようです。そういえば最近マチナカにおいてもガイドブックを片手に道を確認している外国の観光客を見る機会が増えました。ある意味気ままな旅人タイプの旅行者なので、ご飯を食べるところも買い物をするところも日本に到着してから決めることが多いそうです。かつて団体観光メインだった時代は、海外からの訪日客を誘致したければ、各国の旅行代理店詣でをすればよかったのですが、旅行代理店を回っているだけでは、今の時代、限界があります。団体旅行から個人旅行に訪日観光の主流が大きく変わっているこの時代において、これからはすなわち個人へダイレクトに働きかけていく必要が生まれてきたのだと思います。
個人旅行者取り込みに向けての取り組みはなされていますか?

<経済局長答弁>

(1)(3)について一括してご答弁いたします。

本市への外国人観光客の動向は平成23年度と26年度との比較で見ると、岡山城・岡山後楽園入場者数では、28,251人が95,228人に、市内宿泊者数では18,049人が38,301人になっており、着実に増加傾向にあります。
また、ももたろう観光センターの外国人利用者では、フランス人がトップとなるなど欧米系の個人観光客も増加傾向にあることから、これまでの東アジアや東南アジアを主要なターゲットとする団体旅行に加え、今後、関西国際空港等を起点とし、JR等を利用して移動する個人観光客を新たなターゲットとし、新たなインセンティブの導入を検討するなど、市内に宿泊する外国人観光客の増加に取り組んでいきたいと考えております。その際、現代アートをテーマとした岡山芸術交流を瀬戸内国際芸術祭と同時期に市内で開催することにより、集客効果が高まるものと考えております。

(森山所見)
外国人観光客団体によるゴールデンルートから個人による新しいいわばシルバールートへと。今がチャンス。姉妹都市やマイスとの有機的連携も視野に入れ、ターゲット国を絞った戦略が必要ではないか?観光ビザの緩和施策や今年のアセアン統合をとらえ「親日」であるアセアン市場をターゲットにするべきでだと思います。ベトナム、カンボジア市場等。ミシュラン(後楽園)の関係でのフランス、フランスを取り込めるとヨーロッパに波及する傾向がある。岡山日仏協会等、民間との連携も必須。
対象国を絞り、効果的なプロモーションをお願いしたい。

本市でサイト等をつくっても見てもらわないと意味がない。届いてこそ発信。世界最大の口コミ旅行サイト「トリップアドバイザー」や、個人旅行が増加するなか他都市との棲み分けのなかで今後益々重要なポイントになるのが、そこでしか、その時期しか体験出来ない「体験型滞在プログラム」の存在ですがその専門サイト「あそびゅー」というのもあります。
それら含め、民間サイトとの連携をお願いしたい

(2)厚生労働省と国土交通省はホテルの稼働率が高まっていることも踏まえ、個人が所有するマンションや戸建て住宅の空き部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」を来年4月にも全国で解禁する方針です。現在は旅館業法などで原則禁止しているが、無許可の営業が広がりトラブルも相次いでいる。訪日客の急増で宿泊施設の不足が深刻になっており、早急に明確な基準をつくり、安心して使える民泊を普及させたい考えです。近年の本市、お隣の倉敷市においてのホテル等宿泊施設の稼働率の変動はどうですか?対策をどのようにお考えでしょうか?「民泊」についてのご所見もあわせてお願いします。

<経済局長答弁>
観光庁の宿泊旅行統計調査により、岡山市内のホテル・旅館等の平均客室稼働率を見ると、平成22年度57%、平成26年度73%、倉敷市は、平成22年度55%、平成26年度 66%と、ともに増加傾向にあり、引き続き、需給の動向を注視してまいりたいと考えております。
 民泊については、議員ご指摘のとおり、近年、外国人観光客の増加に伴い、その需要が高まってきておりますが、無許可営業や近隣住民とのトラブルの発生などの課題もあります。こうした中、国においては、「民泊」の活用に向けルール作りに着手し、来年3月にも一定の方向性を示す方針であるとされており、その方向性を踏まえたうえで、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。

(4)個人旅行者に向けて特に必要なのがアクセス情報や施設情報などを入手しやすい環境をつくっていくことです。
これは各都市で大きな課題となっています。 観光庁の調査でも、外国人観光客が旅行中に困ったことの第1位が公衆無線LANが整っていないこととなっています。このような背景の中、京都市では民間活力の導入を図り、市内630か所というアクセスポイントの拡大に取り組まれております。設置場所では、観光客にとって重要ポイントとされる駅、バス停、コンビニ、観光スポット、公共施設などを中心に「誰でも、いつでも、どこでも」インターネットに接続できる環境を進めています。事業予算は、イニシャルコストやランニングコストを民間企業に投資してもらい、市は場所の提供、ステッカーの作成、広報を管轄するにとどまることで、その事業費は低額に抑えられています。まさに民間活力の導入こそが、公衆無線LANの拡大やコスト削減に直結しているのだと思います。今やインバウンドの観光客にとって、無料Wi-Fiサービスは、基本インフラだと思います。

岡山市としても、民間活力の導入による公衆無線LANスポットの拡大を図るべきと考えますが、現状も踏まえ所見をお聞かせください。

<経済局長答弁>
公衆無線LANスポットは、これまで岡山空港や岡山駅をはじめ、民間通信事業者が提供するスポットや、表町商店街、イオンモール岡山のほか、各コンビニエンスストアのチェーン店等市内各地に設置されております。今後も、民間事業者による顧客サービスの一環として、市内に拡大されていくものと考えております。

(5)クラウドインフラだけでなく、リアルな公共交通インフラについても再整備が必要かと思います。個人旅行者は団体バスを使いません、よって路面電車やバス、タクシー、さらにはモモチャリを使ってもらえれば本市としては嬉しい限りですが、利便性向上のため各公共交通機関への案内坂等の多言語化について推進していくべきではないでしょうか?中心市街地における駅、停留所、タクシー乗り場、ももちゃりポートは尚更だと思います。

<経済局長答弁>
各公共交通機関への案内板等の多言語化についてお答えいたします。昨年、ESDに関するユネスコ世界会議の開催を契機として、駅から中心市街地へ向かう動線の歩行者案内板については、外国人の意見を取り入れた英語表記の変更などを行いました。
今後も、外国人の意見を参考にしながら、中心市街地をはじめ、特に外国人の方の利用が見込まれる施設や観光地、そしてそれらへの動線などを対象として、施設の管理者や交通事業者と連携を図りながら、連続的な多言語案内ができるよう、継続して改善更新を行ってまいりたいと考えております。

(6)本市においてホームページ、観光アプリ、マップガイド作成についても多言語化の充実は必要だと思いますがご所見願います。
ネイティブスタッフ(外国人スタッフ)の雇用の充実。団体旅行の場合、ネイティブのガイドさんが何でも対応し てくれます。個人旅行では違います。各国のお国柄を理解し、それぞれのニーズに先回りした受入整備や、販促企画を実行していくには、こちら側に各国の文化に精通したネイティブスタッフが必要だと思います。

(7)観光協会やコンベンションビューローなどにネイティブスタッフの登用も必要だと思いますがいかがでしょうか?

<経済局長答弁>
一括してお答えします。
これまで観光サイトをはじめ、まち歩きマップや観光ガイドパンフレット等の多言語化に取り組んできているところですが、外国人個人観光客の増加に伴い、体験型観光など観光ニーズが多様化する中、言語面での細やかな配慮が一層求められるものと考えております。そのため、外国人観光客が何を望み、何を期待しているかを外国人自身からもお聞きし、外国人の視点に立った取組をより一層進めるため、今後、ノウハウを有する民間事業者や外国人留学生との連携あるいはネイティブスタッフの登用等も検討しながら、さらなる多言語化を進めてまいりたいと考えております。

(森山所見)
何度も言いますが、wi-fi、案内板多言語表示はインバウンドでの基本インフラです。民間業者の方へのお願いも勿論ですが、まずは本市公共施設、駅前エリアからカルチャーゾーンに向けての整備が必要。モモチャリポートは多く配置されています。欧米人は自転車に慣れ親しんでいますから、「岡山インバウンドはモモチャリ!!」というメッセージは非常に有効かと思います。
外国人旅行者獲得のためモモチャリポートのハードソフト両面から整備する必要があると思う

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2 岡山城、城域、旧城下町における賑わいと観光創出について

現状の岡山城、城域の管理運営についてなかなかうまくいっているようではないように見受けられます。来城者も相変わらずの低調(約20万人)ではないでしょうか。これは以前にも2012年高谷市政の時に指摘をさせていただきましたが、お城の所轄が政策局、都市整備局、経済局、教育委員会と四つにまたがる現状が原因だと思います。当時、答弁では「各局が連携します」という答弁でしたが、、どうなんでしょう。歴史文化を活かしたマチづくり、新たな文化創造都市を目指される大森市政においては、やはり「連携」では足り得ないと思います。

(1)将来都市像を描く上で「新たな文化の創造・発信」は要中の要であると理解しますが、その中での「岡山城」の役割、あるべきポテンシャルをどのように活かされていこうとお考えでしょうか?市長のご所見をお願いします。

<市長答弁>
岡山城は、岡山後楽園と並ぶ旧城下町エリアの中核施設であり、本市の観光のシンボル的存在であることから、岡山後楽園・岡山城等連携推進協議会を設置し、烏城灯源郷と幻想庭園の同時期開催や、本年8月には宿泊者を両施設に送迎する無料シャトルバスを運行するなど、四季を通じ一体的な魅力アップに取り組んでおり、岡山城・岡山後楽園ともに入場者数は増加傾向にあります。
 岡山城天守閣は戦災で焼失し、昭和41年に再建したもので、来年11月に再建50周年となります。現在、文化財でないことをプラスに転じ、通常実施が困難な天守閣内でのパーティーの開催や備前焼の土ひねり体験、あるいは、昨年、烏城公園内で実施したイマジニアリングなど新たな魅力創出に取り組んでおります。
50周年を契機とし、来年度には、天守閣での歴史展示、体験メニュー、コンベンション利用、空間演出のあり方や、櫓門(廊下門・不明門)の活用方法、さらに烏城公園内のバリアフリーやイベント活用の方向性、また、それに伴う付属施設・設備等のあり方などについて、他の城郭との比較検討も含めて調査・分析を行うとともに、市民や観光客をはじめ、岡山城に関わる多くの関係者の方々の意見も集約しながら、岡山城の今後のあり方についてハード・ソフト両面から必要な見直しを行い、また、旭川の水辺再生に伴う周辺一帯の整備とあいまって岡山城・岡山後楽園を中心とした地域一帯のにぎわい創出に取り組んでまいりたいと考えております。

(森山所見)
観光とは何か?あらためてその漢字をみると「光を観る」と読めるんですね。その地域にある光を観にいく。光とは何か、僕なりの解釈かもしれませんが、人間活動の息づかい、そこから生まれる痕跡のようなものかもしれません。その活動をより多くのパブリックスペースで展開出来るようにしていく。都市イメージのランドマークとして岡山城、その城域を活用するというのは有効だと思うんですね。これが都心創生であり、具体手法の一つがパークマネージメントであっても良いのかもしれません。これを新しい活性化の糸口としてポジティブに取組んで頂きたいと思います。

とりわけ石山公園では今年は様々なイベント(社会実験)が開催されました。各局により開催された訳ですがうまくいったものもあればそうでなかったものもあろうかと思います。来年度からはパークマネージメントの導入がなされるわけですが、これについても各局コンセンサスをとりながら取組む必要があるのではと考えます。

(2)来年度より導入されるパークマネージメントですが、どういったテーマ性を持たせようとお考えでしょうか?その上でどこの局が引っ張っていくのか?マチを意識した上でのパークマネージメントであるべきで、賑わい創出、観光拠点として特色に見合った維持管理が必要だと考えますがいかがでしょうか?

<都市整備局長答弁>
石山公園は、岡山城や後楽園など岡山を代表する観光エリアの玄関口に位置しており、また、市民の皆様にも様々なイベントでご利用いただいている場所と考えており、パークマネジメントの導入に際しても「観光拠点」や「市民活動の場」としての特色を活かした利活用を一層進めることが必要と考えております。
 今後の利活用のルールづくりやリニューアル、その後の維持管理については、利用者や市民の皆様と一緒に考え、市においては、都市整備局が中心となって関係部局とも緊密に連携して、石山公園の特色がより活かせるよう、賑わいづくりに取り組んで参りたいと考えております。

(森山所見)
ミズベリングですが、市長所信でも北前船フォーラム誘致希望を表明されました。これからの国内外への発信としてブランディングを考えるとやはり「瀬戸内」が最もふさわしいのではないかと思います。正直岡山だけでは難しい。
来年度は瀬戸内国際芸術祭も開催されます、城域と瀬戸内と中心市街地を結ぶ航路の社会実験への取り組みを考えるべきではないでしょうか?バーベキューについてもバーキュー協会によるスマート・バーベキューの取り組みは面白いと思うんですね。

(3)今月の10月末日に石山公園や旧内山下小学校を使って、岡山城と後楽園を流れる旭川、水辺空間の今後の活用について考え話し合う「ミズベリング岡山旭川会議」が開催されました。水辺を活用した先行事例として水都大阪や広島太田川がありましたが、ここ数年で多くの自治体が社会実験に取組んでいます。
そのうち大阪市大正区では「Taisyoリバービレッジ」というイベントを開催されています。「川と海のまち・大正区に忽然と現れた、南国リゾートムードの秘密基地」をコンセプトに日本バーベキュー協会監修によるスマート・バーベキュー(手ぶらでこれ、エコグリルを使うこと)、船着場を暫定設置してクルーズ事業を展開、週末は屋台グルメブースという3つの事業を柱にされています。そのほかレンタルサイクル(土日のみ)、地元のインフォメーションセンターも併設し、一ヶ月の社会実験として開催。水都大阪における水辺拠点としてさらに発展させることを目的に、ビジター船舶の一時係留等のニーズ把握や管理運営上の課題抽出を実施するために「Taishoリバービレッジ船着場」も特設されたそうです。
あらためて、本市におけるミズベリングは今後どのようなビジョンを目指しているのでしょうか?来年度は今年より踏み込んで、スマート・バーベキューの開催や船を活かした企画など取組むべきだと考えますがいかがでしょうか?

<都市整備局長答弁>
10月に開催した「ミズベリング岡山旭川」は、「集う・憩う・楽しむ水辺「旭川再生!」」をテーマに、市民の皆様や岡山を訪れる観光客等に、岡山城や後楽園周辺の旭川に親しんでいただくとともに、「かわづくり」と「まちづくり」について一緒に考えることを目的にワークショップやカヌー体験などのイベントを開催したところです。
 今後の取り組みについては、岡山市や国、県、岡山商工会議所、岡山大学による「旭川水辺再生戦略会議」で検討することとしており、議員ご提案のスマート・バーベキューや船を活かした企画なども参考とさせていただきます。

(4)石山公園においてこれからの将来を見据えた様々な取り組みがされるなか、最近禁止看板が建てられてしまいました。バーベキューや花火等の火気禁止がうたわれております。そもそもこれらは法的に違反しているのでしょうか?禁止項目を掲げた看板は来訪者を萎縮させるだけでなく、観光としてのおもてなしを疎外する要因にもなりかねません。
ご所見願います。

<都市整備局長答弁>
一括してお答えします。
都市公園法や岡山市公園条例では、「公園管理者が指定した場所以外の場所でたき火をすること」、「都市公園を損傷し又は汚損すること」は禁止行為として定めていますが、バーベキューや花火など具体的な行為は明記されておりません。
 当該看板については、バーベキューや花火は火を扱う危険な行為であることに加え、煙、匂い、跡片付け、深夜の騒音などのいくつかの苦情が寄せられたため、やめていただくように「火気厳禁看板」を設置したものです。
 歴史文化を活かした観光窓口ともなる石山公園では、パークマネジメント導入について検討しており、その中で公園を利活用するための新しいルールや看板デザイン・表現方法などについて利用者や市民の皆様の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えています。

(森山所見)
公園の禁止看板ですが、建てた側も業務を遂行されたんですね。ですがここはパークマネージメント導入が決まっている公園です。パークマネージメントとはそもそも従来の管理側視点からユーザー側視点に変えていきましょう、とりわけ石山公園では毎年春の頃は多くの人々がバーベキューで楽しまれています。どうすればバーキューが出来るのか?その方法を皆で考えていきましょう、ということだと思います。地域性を尊重したなかでの公園をどう活用出来るか?まさに、自治のあり方を問いなおす事が出来る案件だと思います。とにかく、禁止看板、どうしましょうかね、、。
正直、ここに至るまで多くの議論をしてきましたが、正直、答えが出ていません、、。
市民とは誰か?自治とは何か?この公園をもつ町内会や利用する各団体の方々からの声ならわかりますが、顔の見えない見ず知らずの一本の通報で「禁止看板設置」はあり得ないと思いますが。今後検討を要望する

(5)イベントの実施や顧客誘致につながる情報発信等に加え、各商店街のもつ特徴を活かすとともに、不動産を有効に活用することにより新たな消費ニーズを喚起していく、とされています。中心部三商店街(奉還町、駅前、表町)のうち特に空き店舗が目立つのが旧城下町に位置する表町商店街だと思います。奉還町においては近年若者たちの出店が相次ぎ、ゲストハウス等時代に見合った出店があり若者たちで賑わい、駅前商店街においては飲食店が活発に夜の賑わいの受け皿になっているように思えます。

あらためてお聞きしたいのですが、 なぜ、商店街の活性化が必要なのか?「商店街」の定義についてもあわせてお聞かせ下さい。

<経済局長答弁>
本市では、商店街の多くが中心市街地の中に存在しており、商業集積地としての機能はもとより、中心市街地の魅力や賑わいの創出に寄与しているものと考えております。また、「地域コミュニティーの担い手」として地域住民の利便性を高めることも期待されており、こうした視点からも商店街の活性化に取り組んでいく必要があると考えております。
 なお、商店街の定義については明確なものはありませんが、経済産業省の商業統計表では、小売店、飲食店及びサービス業を含む事業所が近接して30店舗以上あるものを、1つの商店街と定義しております。

(6)あらゆる事業施策を講じてもなお、空き店舗が減らない状況(特に表町商店街)について、3商店街を比較分析したうえでの当局評価をお聞かせ下さい。

<経済局長答弁>

3商店街の空き店舗率で最近の傾向を比較した場合、駅前商店街と奉還町商店街については減少傾向、一方、表町商店街においては、横ばいから微増で推移しております。
駅前商店街では飲食店の新規出店が、また、奉還町商店街では、若い経営者による新たな出店が目立ち、若者や外国人旅行者に人気の宿泊施設であるゲストハウスなどの特徴的な出店も見られます。
また、空き店舗となった店舗への新規出店については、店舗オーナーの賃貸意識や賃料の高低等に左右されることが、新規出店の差にも反映されていると考えられます。

(7)新しい取り組みとしての「不動産の有効活用」に至った経緯、そのスキームについてお聞かせ下さい。

(8)一方、商店街の課題を商店街任せになっている事に課題があるのかもしれません。多様な民間の知恵による新しい制度設計が必要ではないでしょうか?それまでは行政が出来る事は「何もしない事」とさえ思ってしまいます。「補助金」というあり方、またその助成先が組織体であることについてもブラッシュアップが必要ではないでしょうか?

(7)(8)<経済局長答弁>
一括してお答えいたします。
遊休化している不動産の有効活用については、需給ニーズに対して柔軟かつスピーディに対応できる仕組みが必要だと考えており、従来の商店街主体での取組に加え、商店街がNPO法人や民間企業と連携し、各商店街ごとの特徴的な取組や時流に乗った取組等、独自の企画提案を行うことのできるスキームや補助金の支出方法等についても検討していきたいと考えております。

(森山所見)

商店街の定義はない。その通りです。人、特に世代によって様々でしょう。岡山が好きで、だからこそ、その土地に住み、人生をかけ、リスクを負って勝負する個人起業家ほど尊いものはないと考えます。今回の表町商店街連盟の不祥事がありましたが、連盟も組合もやはり個人商店主の集まりなんですね。構造の問題と捉え、これをチャンスにかえるべきではないのか。一度、シンプルに、原点に立ち返り、大胆な構造改革が必要ではないのか?
停滞の要因の一つは不動産オーナーの公共意識の希薄、不在地主となれば尚更でしょう。マチづくりの主人公はやはり不動産オーナーと起業人ではないのか。行政の役割として不動産オーナーとチャレンジャーである起業人のマッチングなど、支援対象を絞り、事業目的とターゲットを明確にする。当局によるこれまでの補助金から投資への政策転換、これの問い直しだと思います。
中心市街地でのエリアを指定し、ミッションの明確化し個人への(不動産オーナーと若者や女性と絞り込んでもいいかもしれません)起業人へのスタートアップ支援を考えるべき。

3 文化創造政策・戦略による都市格醸成について

人それぞれに人格があるように、都市それぞれにも都市格があるはずです。歴史・文化に裏打ちされた岡山の都市の魅力をどう磨くのか。いわゆる“都会”ではないが田舎でもない政令市”である岡山市、がゆえ常に“岡山らしさ”が希求されている訳ですが、独自の格付けを確立を生むヒントは、やっぱり市井にある人々のマチに対する誇り、それを大切にする心、そんな愛着の中からしか見いだせないのではないかと思います。そして、それをブランディングし発信すること。

大森市長は中心市街地への自動車の乗り入れを抑制し歩行者優先、自転車、公共交通利用を推進され、また文化芸術ホール等の整備とともに、歴史文化遺産である岡山城を中心とした都心創生まちづくり構想を打ち出され「隗より始めよ」の精神でそれら政策を実現するためにひとつひとつを社会実験による実践にて確実に取組まれております。この姿勢には敬服を致しております。これから時代のマチの本当の再生はこうした中心市街地の物理的な改築だけではなく、各地区特有の雰囲気や活気を感じさせる様々な人間活動によるものであると確信しています。人間活動の起因は人々のこころへ訴えるものであり、それはまさに文化政策に他ならないのではないか?と思います。本市における文化政策は従来型の“いわゆる文化領域の枠”に留まっている感は否めません。このままでいいのでしょうか。文化という視点から視野を広げ、かつ文化への視座による創造を生むための新しい戦略が必要ではないでしょうか。文化を道具に教育、福祉力向上、そして新しい産業を生み出す為には「文化への補助」というあり方から「文化投資」への転換が必要だとおもいます。結果、岡山市民の生活の質の向上、都市環境やイメージの改善、都市コミュニティの再生へと繋がり、この文脈があって初めて“都市格”がつくられるのではないでしょうか。
そのタイミングはまさに「今」だと思います。長期構想の一番はじめに掲げられた将来像として“新たな文化を創造・発信できる経済・交流都市”実現に向け大いに期待したいところです。

(1)今こそ大森市政において「都市格」醸成へ向け、33年の新しい文化芸術ホール開館、様々な文化芸術事業の更なる相乗効果を高めるためにも文化創造政策の戦略的な立ち上げの検討が必要ではないかと思います。市長のご所見をお聞かせ下さい。

<市長答弁>
文化芸術をまちづくりに活かしていくには、歴史・文化資産に子どものころから親しむとともに、多様な文化が交流する中で、担い手が育つことが重要であり、そのことが、新しい文化創造と都市の魅力の発信につながるものと考えています。
また、歴史・文化資源は、観光資源となると同時に、人を呼び込む要素になるとともに、住む人にとって地域に誇りと愛着を持つきっかけにもなると考えております。

現在、新たな総合計画を策定しているところであり、岡山市においても文化政策をまちづくりのひとつの柱として位置づけ、文化関連事業の相乗効果を高めるため、関係部局とともに戦略的に体系立てて実施することにより、都市の活力を高め、また、岡山市に住む人を育むとともに、市民の心を豊かにし、こうしたことが、ひいては都市格の醸成につながるものと考えます。

岡山市の文化事業を担う文化振興財団のあり方も委員会で議論になっているところです。
先月、西川アイプラザの指定管理替えに伴う指定管理者候補者選定委員会にて本市の持つスポーツ・文化振興財団が入札で負けたという衝撃的な結果を迎えました。これまで約30年岡山市の文化芸術事業を担った財団です。

(2)課題の多い現実だと思います。今回の結果を踏まえ文化芸術施設の管理運営にはどこに課題があり、今後どのように解決されようとお考えでしょうか?

<市民生活局長答弁>
文化芸術施設は、長期的な視野に立って文化振興を図っていく拠点であり、その管理・運営においては、文化芸術施設の持つ文化を創造し、発信する機能をいかに発揮させるかが課題となります。
そのため、文化芸術施設の管理・運営においては、平成24年度に施行された「劇場法」の趣旨に沿って、地域の文化振興を図る拠点となるように、文化芸術の専門的な知識を持った人材の育成と、企画力や創造性のある文化事業を実施することが重要であると考えております。

(3)たちまち来年度からの事業をどうされるのですか?

<市民生活局長答弁>
これまで、おかやま国際音楽祭や岡山市芸術祭等、岡山市と共に公益財団法人岡山市スポーツ・文化振興財団が担ってきた文化振興事業については、事業のノウハウ等が蓄積されていることから、引き続きスポーツ・文化振興財団に担っていただきたいと考えております。

(4)昨今の若者による文化とマチのにぎわいのあり方については、現在の日本社会が直面している若者の教育・就労問題にたいする解決方法としても重大な意味を持つのではないかと考えます。全国における(勿論本市でも)若者を中心とした公園(野外スペース)でのフリーマーケットやワークショップ、廃校小中学校での文化芸術を通した様々なクリエイティブ活動等が若者たちを惹きつける魅力は、クラウドではないリアルにストリートにおいて若者が遊びながら新しい人と出会いコミュニケートすることが出来る社交的な「場」になりえているからだと思います。まずは若者の持つ潜在力や多様な視点を活かし地域で活躍出来る場をつくる、とこの度の岡山市長期構想でも語られています。マチでの新しい賑わいの発火点は間違いなく20代を中心とした若者のアイディアや行動力次第です。(その着火を広げ維持していくのが大人達の役割かもしれません。)

20代を中心とした若者による文化とマチの賑わい創出について、具体的な事業施策が必要だ思います。やはり街場、ストリート(公共スペース)に若者がものづくりや表現を通して集い出会いのある場をつくる。新しい公共事業として取組む必要があるのではないでしょうか?

<岡山っ子育成局答弁>
次代を担う20代を中心とした若者が、ダンスやアートなどを通じて集い、そこに出会いがうまれることは、活力ある社会づくりに必要な要素の一つであり、同時に若者の居場所づくりにもつながるものと考えられます。
そのことは、青少年の健全育成の観点からも、自己表現する場があり、そこで自己実現を目指していくことは、若者が自信をつけ、社会参加などの意欲の向上につながるものです。

このため、関係部局や関係団体とも連携しながら、どのようなことができるのかを、今後、研究して参りたいと考えています。

(森山所見)
ファッションカルチャーとマチづくり。
これからを担う若者たち、まさに、マチナカにいる、ストリートにいる若者たちこそ恊働相手として意識するべきではないのか? ここがこぼれ落ちている。恊働相手の偏りが最近気になっている。20代前後の若者、彼らのアイディアや感性を信じて向き合う姿勢、これが当局には足りないのでは?もはやマチナカにおける活性化はファッションストリートにいる彼ら抜きでいられないのでは?そういうところに及び腰の当局のスタンスこそが若者の行政離れを生んでいるし、そういうことの嗅覚は彼らは凄い。結果低投票の現実。

青少年育成推進室、今後の長期構想へ是非とも組み込んで頂きたい。例えば開催される県庁通りや隣接する筋をつかっての社会実験に取組まれていますが、同様に、日頃、中心部に集まっている若者たちがフリーマーケットやライブが出来るようにストリート、通りや筋を使えるような実験も出来ないものか。