NEW WORLD PARTY

2012.10.12

君がイタケに向けて旅立つとき
どうか君の旅路が長いものでありますように、
それが冒険に満ち、知恵に富んだものとなりますように。

ライストリュゴネスもキュクロプスも、
また猛り立つポセイダオンも恐れることはない、
君が道中、それらに出会うことはないだろう、もし
思いを高く保ち、気持ちが
君の身体と君の精神をけっして離れることがなければ。
ライストリュゴネスもキュプロクスも、また猛り立つポセイダオンも
君の道にはあらわれないだろう
もし君自身の魂の中にそれらが住みついているのでなければ、
もし君自身の魂がそれらを君の通り道に置くことがなければ。

私は君の行く道が長いものであることを願っている。
たくさんの夏の朝がありますように、
初めての港を目にする歓びが
これまでにない歓喜をもたらしてくれますように。
フェニキアの市場を訪ねるがよい、
そして最良の品々を手に入れるがよい。
エジプトの都市に行くがよい、
そして教えるものを数多もっている彼らのもとで学ぶがよい。

イタケを視界から失ってはならない、
なぜならそこにたどり着くことが君の目標なのだから。
しかし歩みを急いではならない、
旅路は幾年も続くほうがよいのだから、
そして君の船が島に錨を下ろすのは
道中で学んだものごとによって
君がすでに豊かになってからのほうがよいのだから。

イタケが君にさらなる富をもたらすことを期待してはならない。
イタケはすでに美しい旅を君にあたえたのだから、
イタケがなければ、君は旅立つこともなかったのだから。
イタケはすでに君にすべてをあたえたのであり、
それ以上あたえるものはないのだから。

もし、最後にいたって君が、イタケは貧しいと思っても
騙されたと思うことはない。
なぜなら君は賢人になったのであり、濃密な人生を生きたのだから、
そしてそれこそがイタケの意味するところなのだから。

コンスタンティノス・カヴァフィス/旦 敬介 訳

 

いつもこころに“サウダーヂ”を