2018年 2月 定例議会個人質問

2018.03.06

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1 農福連携について

~土と、人と、地域と、仕事。分断された結びつきを「福祉」を通して再生し、地域の暮らしと経済をつくる~

農福連携は単に農業や福祉の課題を解決するのではなく、単なる6次産業化でも農商工連携でもありません。単に「業」を繋げるのでもなく、人々の想いと信頼の力を引き出すことができる「福」を通して、分断されてきたすべてのものを今日的に繋げ、地域の生活と経済をつくり支えていくものであると考えます。そして農は、単に生産物を供給するだけでなく、リハビリテーション、レクリエーション、教育などのさまざまなサービスを提供するポテンシャルがあると思います。また福には、障がいのある人だけでなく、高齢者、生活困窮者などの多様な人々が加わることが出来ます。

農福連携の先には、農福商工連携や農福医(療)連携や農福教(育)連携などさまざまな連携があります。地域によって、連携の内容そして参画する主体は異なります。まさにそれが多様な地域をつくり、支えることになるのだと考えます。

各自治体にて農業の担い手不足と障がい者雇用という福祉課題の双方の解決を図る「農福連携」の取り組みが広がりつつあります。農林水産、厚生労働省だけでなく、政府においても「日本再興戦略」「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年度6月閣議決定)を掲げ農福連携が推進されています。更に2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックにおいても持続可能な調達基準として障がいのある人が主体的に生産に関わった農産物等も加えられるなど後押しの動きもあります。

本市の状況についてお聞きします。

(1)農業、障がい者就労支援、両者にメリットのある農福連携ですが、本市の考えを、経済、保健福祉局、それぞれからの答弁をお願いします。(2年半前の質問に対して「農林水産課と障がい福祉課の連携によりどのような形で総合的な支援ができるか研究して参りたい」との答弁を頂いておりますが研究結果も踏まえお聞かせ下さい。)

<産業観光局 答弁>
農業分野において、障害のある方の状態に合わせて一定の作業を任せることにより、農業者の作業軽減や農作物の商品としての品質管理にもつながること、また、就労機会を提供することにより農業を通じた地域社会全体としての活力向上につながる意義があると考えます。

<保健福祉局 答弁>
岡山市内の就労継続支援A型事業所では障害者を雇用し、農業を経営している事例が多くあり、障害者の自立に向けて大きな役割を果たしていると認識しております。

(2)本市における農業従事者数、農林業への障がい者雇用数のここ10年の推移をお聞かせ下さい。

<答弁>
5年ごとに農林水産省が実施している統計調査である農林業センサスによると、岡山市の基幹的農業従事者数(※)は、2005年が9,154人、 2010年が9,075人、 2015年が7,328人となっており減少傾向にあります。ハローワークの統計では、就労継続支援A型事業所に雇用されている障害者は、医療・福祉分野に集計されるため、農林業への障がい者雇用数の推移について把握できておりませんが、農業を経営する就労継続支援A型事業が増えてきましたので、雇用数は増加してきていると認識しています。

(3)福祉作業所(a,b型)の市内事業所の数のうち農業と連携した事業所の数もお聞かせ下さい。(ここ10年の推移)

<答弁>
岡山市では、農業と連携した事業所数として把握しているのは、現在25事業所程度です。また、新しく農業を始める事業所も増えてきていると認識しています。

(4)農福連携については国が積極的に事業を進められていますが、この農福連携に取り組む段階で、本市に該当する国の補助政策等にはどのようなものがあるのか、お尋ねいたします。

<答弁>
国の農福連携対策としては、社会福祉法人や特定非営利活動法人等を対象とし、福祉農園等の開設・拡充に必要となる施設等の整備及び専門家の指導による農産物の生産・加工技術、販売手法等の習得に係る支援を行う福祉農園等整備・支援事業や、市町村を含む地域協議会を対象とし、農業経営体が労働力として障害者を受け入れるための施設整備又は障害者に対する農作業の指示・管理を行うサポーターの育成・派遣のほか、就農等を希望する障害者に対する研修に係る支援を行う農業連携支援事業等があります。

今後、事業を進める上で、いくつかお聞きします。

(5)農業経営体と障がい者施設等のマッチングについて

直接雇用、加工栽培等の六次産業化、施設内農業、施設での耕作引き受け、施設への作業委託(施設外就労)、キャリア実習(特別支援学校、支援学級等)等が考えられますが現在どの部署がどのように取組んでおられますか?

<答弁>
今年度から実施している次世代農業支援事業では、農業者と企業等のマッチングを図っており、今後、こうした事業も活用しながら、関係部局とも連携し、農業経営体と障害者施設の出会いの場を提供するとともに、実際に障害者を雇用している農業者の取組を紹介するなど、双方の連携機運を高めていきたいと考えています。

(6)農業現場での障がい者受け入れ支援について

受け入れ側の研修、啓発、福祉施設職員の農業研修についての現状をお聞かせ下さい。また、農作業や就労形態の分析研究や実証実験についての必要性についてもご所見願います。

<答弁>
農福連携に既に取り組んでいる就労継続支援A型事業所等においては、知見を有していると承知していますが、そうした福祉関係施設を除けば、農業現場での研修・啓発はまだ十分であるとは言えないと考えています。
先ほどお答えした次世代農業支援事業等で農福連携を実践している取組も把握されつつあり、こうした事例からも農作業や就労形態に関わるヒントが得られると思われることから、こうした取組をさらに広めていけるよう努めてまいります。

(7)地域での支援ネットワークの形成について

農福連携を実現するために、まずは地域での支援ネットワーク(協議会等)形成が必要だと思います。圏域ごとのネットワーク会議の開催等も必要だと考えますがいかがでしょうか?

(8)これら想定される各事業を実施する体制を整備するべきだと考えますが、スケジュールについてお聞かせ下さい。

<一括答弁>
農福連携については、中国四国農政局が「岡山地域農業の障害者雇用促進ネットワーク協議会」を運営しており、障害福祉課と農林水産課も参加しています。
また、岡山県が県下の就労支援施設向けに農業経営に関するアンケートを実施しております。これらも活用しながら、農業関係者の実態やニーズを把握してまいりたいと思います。また、このネットワークに参加する就労継続支援A型事業所の中には、地域との交流事業を行っている施設もありますので、こういった取組を参考にしながら地域における農業分野での障害者雇用について研究してまいりたいと思います。

【森山再質問】
障がい者らが農作業に当たる農福連携を広げる機運が高まっている。農業は労働力、障がい者は就労先を同時に確保できる。これは大いに進めるべきだと思いますが、「双方のマッチング」や「障がい者の研修」「B型の施設外就労」等をどう進めるかが課題となっています。農家や福祉事業所だけでは解決が難しいため、広域での仲介や習熟度の認証といった新たな仕組み作りに乗り出す自治体が出て増えてきています。地域、生産者、NPO等が一体となってこうした仕組みを広げ、連携拡大するための体制構築は待った無しではないでしょうか?障がいのある人の就労までのプロセスを広げなければなりません。

京都府は5月、府庁内にきょうと農福連携センターを設置。障害者の農作業習熟度を認証する仕組み作りを目指されています。どのような作業をこなせるかを「見える化」すれば、本人も意欲が高まり、就労しやすくなると見込まれています。

農産物に新しい付加価値を生み出そうとの動きもある。3月に発足した全国農福連携推進協議会は、活動内容の一つに「農福連携で生産され た農産物等の認定・ブランド化」を掲げた。20年の東京五輪・パラリンピックの選手村で使う農産物の調達基準でも、障害者が主体的に関わって作った農産物が推奨され、農福連携への評価は高まっている。

双方のマッチング、障がいのある人の受け入れ(理解、研修)について障がい福祉課はどのようにお考えでしょうか?岡山県との連携により農業コーディネーターの活用もお願いしたいと思います。

農福連携体制の構築に向け、まずは次年度より農業経営体、福祉施設双方のニーズ調査、既存のマッチング事例の調査・分析や地域ネットワークをつくるための関係機関への協力依頼をお願い出来ませんか?庁内においては農業の担い手確保・経営力向上対策事業や障がい者就労支援、地域共生社会推進、生活困窮者自立支援事業など組み合わせながら検討願いたいと思います。東京オリパラまでには形に出来るようにお願い致します。

<再質問答弁>
障害者会雇用の促進に向けた企業交流会に参加された農業関係の企業様との意見交換などから、農業経営者と障がい者のマッチングについて研究してまいりたいと思います。また、障害者に対する理解を推進し、受入についてのノウハウを学ぶ研修等の開催も研究してまいります。

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2 中山間・周辺地域のコミュニティビジネスについて

将来的な人口減少・高齢化の見込まれるエリアへ、地域活動の担い手として主に三大都市圏より地域おこし協力隊が本市へも配属されています。総務省が任期を終えた隊員の定着状況を2015年度末現在で調べたところ、元隊員945人のうち、59%が活動地域かその近隣にとどまっていることが分かったそうです。うち、活動地域の市町村に定住したのは47%で、その近隣市町村に定住した元隊員が12%いたそうです。

定住後の進路は就職が47%、就農が18%、起業が17%で起業する人が増えているといい、総務省地域自立応援課も一定の成果を評価し「今後も定着を目指し、支援策を進める」とされています。しかし、起業した人の6割は1年以内に会社をたたむともいわれている。NPO法人を立ち上げても自治体の補助金が打ち切られた段階で運営が行き詰まる例は各地で見られます。

任期後の定着を支援するため、岡山、福井、岐阜の3県は元隊員を再雇用するための人件費や家賃補助など市町村の経費を半額負担する制度をスタートさせています。そんなか、本市におきましては次年度、配属される隊員の第一期卒業生が生まれます。地域おこし協力隊は卒業後もおかやまの地域のために引き続き居住し活動をして頂きたいたいと思います。

(1)本市所管である事業政策と地元(支所等)とでの協力隊を活用するための役割分担体制についてお聞かせ下さい。

(2)次年度より活動後の定着支援などが出来る仕組み・仕掛けづくりについてお聞かせ下さい。

<答弁>
地域おこし協力隊につきましては、本年度より中山間・周辺地域を中心に対象地域を拡大し、導入の要望があった地域については、政策局が区役所や支所等と連携し、地域住民と活動内容等を協議のうえ、募集を行い、活動支援を区役所や支所で行っているところです。
隊員の任期満了後の定住・定着に向けた取組としましては、本年3月から、「中山間・周辺地域等稼ぐ力創出事業」を実施することとしており、活動中の協力隊員についても、地域における起業等を検討する際の支援を行うことが可能と考えており、引き続き、各協力隊員のお考えやニーズを踏まえて、関係部局と連携して効果的な支援を行ってまいりたいと考えております。

【森山再質】

今後の取り組みおいてより協力隊が岡山を目指すようイメージを持ってお願いしたい。しかし、本市においても岡山県レベルの支援メニューは最低必要ではないか?

<政再答弁>
来年が3年目と言うことで、定着支援が重要になってまいります。これにあたりましても、ご紹介いただきました岡山県の制度であるとか、そういう制度がございますので、来年度につきましては、岡山市としては稼ぐ力事業とか、この未来づくり事業とか、こういったものに参加していただくということも考えているんですが、そのほかどのような支援が必要かについては、引き続き検討していきたいと考えております。

次年度より中山間・周辺地域においての持続可能な地域づくりのために「地域の課題解決」「地域住民を主体にした多様な団体」「ビジネスの手法を用いる」、とこれらを兼ね備えたコミュニティビジネスの立ち上げを開始されます。自治体の地方創生事業は全国的に広がってきていますが、訪日外国人観光客の誘致や農業の6次産業化などなどその多くの中身が似たり寄ったりで、オリジナル性に欠けるようにも感じます。このたびの市長肝いり新事業である「コミュニティビジネスの創出」については大いに期待をさせていただいているところであります。

(3)地方自治体の事業計画にオリジナル性が欠ける原因をどのようにお考えでしょうか?周辺地域におけるコミュニティビジネス創出事業を成功するポイント、また成功とは何か?地方都市の注目される新しい創生の取り組みをどう認識されていますでしょうか?

<大森市長 答弁>
コミュニティビジネスのオリジナル性が欠ける原因ないしは成功するポイント、これが分かると・・。
よく言われるのは若者・よそ者・ばかものって言いますよね。普通の、つねにいる人というよりは外からの視点、こういったものができれば、というのがよく言われます。それからもう一つが、これもよく言われますけど、地域住民との連携みたいな話もありますよね。でも、最初にため息をついたようなところが実際のところじゃないかなというように、思ってます。だからやっぱりさまざまな人たちにトライをしてもらいたいなっていうのがもう、率直な感想であります。まだ、固まっている訳ではありませんが、有識者の場でお示しをした補助率だけでみますと、試みの、まあ実験的なものですね、に対しては、上限額45万円ですけれど、補助率は10分の10、という形で全額助成をさせていただくっていうのも今考えているところであります。そのほかも補助率のところで言うと3分の2から5分の4と、通常よりも非常に高い率で500万から1500万までの上限額も用意させていただいているところであります。様々な方がこれに応募していただいて、周辺地域を盛り上げていただければなあと思います。森山議員も是非、周辺地域に足を向けていただいて、新たな事業起こしにご参加いただければというように思っております。

【森山再質問】

市長よりご答弁ありがとうございます。しかし、今回のプロジェクトは本当に素晴らしい試みで、あらためて敬意を表します。この方針を活かす為に、当局と議会での制度設計が必要です。

全国で注目を集める地方創生というのはだいたい人口が10000人前後の町レベルのものが多いです。本市に置き換えると支所別で、瀬戸15110 御津9405 建部5603 灘崎15504。全市(70万)的にとらえるのではなく、旧町のこのサイズ感でコミュニティビジネスの考え方だと思います。

『地域の経済を豊かにするために、これからの10年をどう位置付けるのか。』

市長から“地域内の社会的ニーズをビジネスモデル化する”、このお題を頂きました。
そのためには、NPO等の社会課題解決組織が次の段階にいかなければなりません。
今こそ取組むべきタイミングだと思います。ポイントは事業計画のデザインやマーケティングを担える人材を本市(庁内外)に定着させ育てる仕組みづくりは喫緊の課題です。協力隊の受け入れ体制もその流れで必要性がでてくるのではないかと思います(コミュニティビジネスでの活用)。同時に岡山市スタッフの経験値を高めることも出来ると思います。いかがでしょうか?

これまでのように計画策定から情報発信まで大都市部の大手コンサルタントや広告代理店への依存を脱却するべきだと考えます。 事業に寄り添えるコンサルタントを競合させる仕組みも必要ではないでしょうか?

課題を私なりに整理しましたが、トータルで解消するための手段として、本市にも地域をマネージメントする公社、いわゆる地域商社のような存在がそろそろ必要だと考えますが、ご所見を願います。(国も推進全国に約100の公社)

<答弁>
地域の未来づくり推進事業につきましては、これからオリジナル性のある事業にしていきたいというふうに考えておりますが、その際にはまずは地域の力、先程もご指摘をいただきましたようなやはり地域にアイディアがあるといったことが重要であると思いますので、それをどのようにいかしていくか。今コンサルとかの話もいただきましたけれども、事業の中身で言いますと、来年度専門家とかアドバイザーの派遣ていうのを予定しているんですけれども、どういった方々、どういった専門性をお持ちの方々にお願いしていくかといったところを今、検討しているところでございます。
全国公募というような手法も参考にさせていただきながら、一番実効性のある、地域のアイディアを引き出せるようなアドバイザリーができればと考えております。

(4)コミュニティビジネスの事業採択、伴走支援など、局内において機能としてのセンター(本部)的役割が必要ではないでしょうか?(まち・ひと・しごと創生本部、ESDセンターのような)

<局長答弁>
地域の未来づくり推進事業を推進していくに当たりましては、地域の現状や課題の話し合いや、計画策定などにアドバイザーや専門家の派遣を予定しているほか、様々な分野におけるご相談や協議などについて実効性ある支援が行えるよう、今後、具体的な内容について十分検討してまいりたいと考えております。