2017年 6月 定例議会個人質問
2017.06.16

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都心創生まちづくり構想

構想内文化芸術ゾーンに位置する天神エリアの旧後楽館中高跡地再活用が決定致しました。山陽放送新社屋とともに市民が利用できる広場や文化芸術のイベントホールなどを整備する内容で、今月末にも売買契約し、開業は2021年の予定となっています。

岡山城西の丸・石山エリアをウェルカムゾーンと位置づけ、このエリアにおいて歴史文化を活かした風格と魅力ある都心づくりを実現するために歴史公園を整備する方針を示されており、今年の11月、まずは旧内山下小学校活用について議論するところから構想の着手とされています。

あらためて、西の丸・石山エリアに整備する歴史公園のコンセプト、必要な機能についてどのようにお考えでしょうか?

<答弁>
都心創生まちづくり構想では、岡山城主要部について、将来的には歴史資産を活かした歴史公園として整備することを目指すとしております。
その中で西の丸・石山エリアについては、岡山駅方面から城への入口、「ウエルカムゾーン」と位置付けており、来訪者のための利便施設の設置を含め、幅広い活用策を検討することとしております。

旧内山下小学校だけでなく、同エリアに存在する、市民会館、山陽放送所有の土地建物についての活用を一体的に考える必要があるのではないでしょうか?

<答弁>
旧内山下小学校、市民会館、NHKの跡地を含む岡山城主要部については、「歴史公園」という位置付けの中で、2月議会、森山議員からの質問にお答えしたとおり、将来像をまとめていくそういう作業に入ることが必要な段階に来たんではないかということで、今年度、庁内関係部局で横断的な議論をスタートし、11月を目途に、検討体制や進め方などについて取りまとめるよう指示をしたところであります。
その中で、旧内山下小学校や現市民会館の建物については、特に耐震性についても問題がございます。今後どうしていくかについては、十分な議論が必要だろうというように思っております。
議員ご指摘の山陽放送所有の土地・建物につきましては、先日、旧後楽館中・高跡地活用事業の優先交渉権者として山陽放送が決定した、まだばかりであり、そういう段階でございます。
そして、当分の間、山陽放送が当該土地を使われることになるとも聞いているところであります。 今後、山陽放送のご意向も踏まえながら、その対応を検討していく必要があるのではないかなと考えているところであります。

西の丸・石山エリアだけでなく岡山城本丸、石関出石、天神の各ゾーンも含めた議論を庁内横断で取組んで頂きたいと考えますがいかがでしょうか?

<答弁>
岡山城主要部の跡地活用検討においては、岡山城本丸や石関、出石、天神なども含めた回遊性向上に向け、関係部局間で情報共有を行いながら、議論を進めているところです。
また、再整備に向けた検討が進められている石山公園については、公園に必要な機能や岡山城主要部との連携について、関係部局と検討していくとともに、観光面での重要性や、城への眺望、良好な景観の保全と形成についても、岡山城主要部を含むエリア全体での議論を行ってまいりたいと考えております。

歴史公園の整備スケジュールについてお聞かせ下さい。

<答弁>
都心創生まちづくり構想では、岡山城主要部の歴史公園整備の期間を、中・長期としており、現在、検討体制や進め方などについて、11月を目途に取りまとめるべく、庁内関係部局で議論、検討を進めているところです。

<要望>
岡山市の観光名所って聞かれてもなかなか即答が、とくに若い世代は難しいのが現状だと思います。その中で岡山城・後楽園を舞台にする都心創生構想があり歴史公園を整備するという流れがあるなかで、この度の公園の緑と文化の両面から機能拡充を目指す石山公園のパークマネージメントがあります。そして、観光名所の回遊性向上だけでなく地域コミュニティの有機的な繋がりの再生をねらうものだと理解しています。(いわゆるエリアマネージメント)岡山城、歴史公園、石山公園それぞれが一体的な推進が出来るようお願いします。エリア内の市民会館、NHK跡地、山陽放送会館(ここについては一義的には民間判断ですが)そして旧内山下小学校、それぞれの施設の活用については地域だけでなく来訪者も楽しめる観光を前提に活用をしっかり考えて頂きたいと思います。

公園文化を創造する、公園がマチを変える、パークマネージメント

公園は人が集うということだけでも地域の賑わいにとっては価値のあることですが、子育て、健康づくり、防災、緑化など公園は実に多様な役割を持っています。公園を魅力的にし、たくさんの人に利用してもらうことは、こうした多様な地域課題に向き合うことであり、さらには地域エリア全体の魅力の向上につながることだと考えます。官民連携によるパークマネージメントをエリアマネージメントとして発展させ、本市におけるマチづくりの新たな自治の単位の活性化モデルとして発信をしていかなければいけません。石山公園から着手し西川緑道公園、下石井公園、野田屋町公園、北長瀬西部公園(仮)にも広がる予定です。

本市が取組もうとされるパークマネージメント事業から始まり、公園を中心としたエリア全体のマネージメントについてどのようにお考えでしょうか?10年20年さきを見通した“公園と都市の新しい関係、公園からの都市再生”についてお聞かせ下さい。

<答弁>
石山公園や西川緑道公園などのように、市民やNPO団体等ににより利活用が活発に行われている特色ある公園などで、パークマネジメントの手法を活用して、市民協働により一層の賑わいづくりを実現することを考えております。
現在は、石山公園でパークマネジメントの導入に向けて検討しておりますが、市民が連携して賑わいを創出していく取組みが周辺の地域にも広がれば、まち全体の魅力向上や活性化につなげていくことも期待できるため、エリアマネジメントとしてどのようなことができるのか、今後研究してまいりたいと思います。

これからの公園は公共資産としての基本的な機能を守りながら時代に求められる運営が必要だと思います。

石山公園における持続可能な公園経営を行う為のコンセプト、制度設計や運営組織をどのように構築されようとしていますか?現状課題も挙げて頂きご所見を願います。

<答弁>
石山公園は市民の皆様が様々な活動をされる場所であるとともに、岡山城や後楽園など岡山を代表する観光エリアの玄関口であり、多くの市民や観光客などの憩いと交流の場として利用されています。パークマネジメントの検討においてもこのような石山公園の特色を活かすこととしており、地元町内会やNPO等の利用団体、学識経験者等による「石山公園活用検討会」の場において、公園利用に対する制約や課題などを洗い出しながら、多様な利活用に向けたルール作りや運営していくための組織体制のあり方などを検討しているところです。

石山公園のランドスケープ(景観)等のグランドデザインは、誰がどのようにして決めて行かれるのでしょうか?パークマネージメント、ランドスケープマネージメント、エリアマネージメントの総合推進をどう進めるのか?お聞かせ下さい。

<答弁>
石山公園の再整備におけるデザイン等の検討や公園の運営のあり方などについては、「石山公園活用検討会」などを通じて、市が主体性を持ちつつも、市民の皆様のご意見を基に協議しながら合意形成を図って参ります。
また、議員ご指摘の公園の周辺を含めたエリアマネジメントのあり方については、パークマネジメントの取組の状況や周辺地域のまちづくりの動きなどを踏まえて、今後考えてまいりたいと思います。

国土交通省は今年度から、民間事業者が都市公園の収益施設と公共部分とを一体で整備できる「Park-PFI」制度を創設する方針です。都市公園内に設けるカフェなど収益施設の設置許可期間を緩和するなど、民間事業者が都市公園を整備しやすくなります。新設されるPark-PFI制度では、民間提案による公園施設の事業運営制度を創設。従来、行われていなかった収益施設と広場などの一体整備を認め、施設の設置・管理期間を20年に延伸し、収益率を高めて、民間事業者の参入障壁を下げるものです。民間事業者が整備した公共部分の費用の一部を、自治体が負担する場合、国は社会資本整備総合交付金によってその2分の1を支援。民間事業者による施設の整備費を、都市開発資金貸付金から無利子で貸し付ける制度を創設します。昨年改修を終えた南池袋公園は地元人気飲食店がオープン、上野公園、富山還水公園ではスターバックスコーヒー、福岡の大濠公園では地元企業が開業する複合飲食施設ボートハウス大濠パークが運営されるなどコンセッション方式(施設の所有権を発注者(公的機関)に残したまま、運営を特別目的会社として設立される民間事業者が行うスキーム)によって公園を効果的に活用する事例がすこしづつ出てきています。それぞれの公園の一部での営業権を民間企業が入札し、その収入によって公園の質を引き上げていくという取り組みがなされています。 カフェ事業者にメリットがなければ投資参入はありません。しかしメリットだけでは公共サービス提供に不安を感じます。公共性と民間利益のバランスが問われるのだと考えます。

本市においては募集要項作成のうちカフェのプロポーザルを指定管理あるいはコンセッションで行うのか?施設について公設民営、民設民営についてどのようにお考えがありますか?それぞれの手法によるメリットデメリットについてもお聞かせ下さい。

<答弁>
「公設民営方式」は、市が施設を整備するため、カフェ事業者にとって初期投資を抑えることできるメリットがある一方で、施設整備の内容やリニューアルに対する自由度が低いということが考えられ、「民設民営方式」では初期投資を伴うものの、カフェ事業者にとって施設整備の自由度が高いというメリットがあるということが考えられます。
岡山市としては、民間事業者の創意工夫を引き出せる自由度の高さとともに、市の歳出を抑えることができる「民設民営方式」が望ましいのではないかと考え、その実現の可能性を探るため、様々な営業形態のカフェ事業者へヒアリングを実施したところです。その結果、複数の事業者が参画の意向を示したため、現在、「民設民営方式」を基本として、事業者の公募に向けた作業を進めているところです。

石山公園内のカフェ事業者の具体的な入札時期についてお聞かせ下さい。

<答弁>
カフェ事業者の公募に当たっては、常設される石山公園の再整備の内容を提示する必要があります。再整備の設計案については今後、活用検討会など市民の皆様にお示しし、ご意見を伺いながら、秋頃にとりまとめる予定としております。それに合わせて、公募の要項等を整理し、今年度中にはカフェ事業者の公募を実施してまいりたいと考えております。

今後展開をされる予定の西川緑道公園、下石井公園、野田屋町公園や北長瀬西部公園(仮)についてのパークマネージメント計画のスケジュールをお聞かせ下さい。

<答弁>
石山公園以外の公園につきましては、石山公園の運営や活用の状況を見ながら、各公園の特性やニーズに応じて、実現可能なものについては、順次、検討してまいりたいと考えております。

<要望>
現状の行政主導による公園の維持管理と地域社会が求める公園機能についての乖離をなくしていくためには“多様な主体による公園運営”へ切り替えていくことが持続可能な公園経営パークマネージメントに繋がると考えます。活動の幅を広げて行く公園にむけて官民の垣根を越えた仕組みづくりに期待したいと思います。公設民営か民設民営かについては、本市におけるパークマネージメントを市の公民連携の恊働事業として捉えるかどうかだと思います。パークマネージメントを市の事業として位置づけ中身のある公民連携を醸成していくためには公設民営のコンセッション方式がふさわしいのではないでしょうか? 実際には事業者はカフェ事業だけではなくなると思います。そこ、にいる人が公園窓口業務(浦安まで(車で30分)足を運ばなくてはいけない現状)を担うことも必要になると思います。トイレ清掃や観光案内、公園は人の集いの他に緑地、防災、健康づくりとか様々な機能役割を有します。さらに、プロポーザルの多様性を確保するべきではないだろうか?民民では大手フランチャイズ優先になり地域色を活かした公共サービス提供に不安がありますし、民間事業者の経営事情も不安定要素があるのではないでしょうか。その拠点となるべく施設でありますから公園施設として設置・管理許可をし、カフェ事業以外のサービス機能については市で担うべきだと考えます。はじめてのパークマネージメントの取り組みであり、様々な公共サービス(想定外のこともあるでしょう)に応えるためにもまずは官と民が恊働するうえでも公設民営での取り組みも検討願いたいと思います。