2013年 11月 定例議会個人質問

2013.11.12

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11月定例議会個人質問(2013年)

1 オープンガヴァメント~統治をひらき、政治概念を更新する~

行政の持つ公共データを二次利用(加工、編集)しやすい形で公開し、民間のアプリ(応用ソフト)開発などを促す「オープンガヴァメント」の取り組み に各地方自治体が動き出しております。 オープンデータ(先の議会でも公明党の林議員が質問されておりましたが)の思想を体現することにより、市民恊働推進、創造的な行政運営、地域産業構造の変 化を生みだされるのです。

具体的なオープンデータの活用事例として、

福井県では17町村が共同して各自治体が持つ公共データの形式を統一し標準化する。これは全県的な取り組みは全国初の試み。データ形式については、 比較的二次利用しやすい「CSV」に当面統一する方針。今後、民間への開放(50項目を予定)を進めると共に公共データを活用した「アプリコンテスト」も 開催する。

鯖江市が公開しているデータは人口などの統計情報、市内公園等のトイレ情報や災害時の避難所の位置情報や市内のAED情報といった施設情報、鯖江百景の位置情報等の観光情報、議会情報、文化財情報、市内のWifi設置場所、バス情報などを提供。

千葉市は財政構造を分解し、千葉市民が収めた税金がどこにどれだけ配分されているかの見える化を実施。さらに、千葉市の子ども関連予算を確認し、さらに、子ども関連とは具体的に何に使われているかを分析する取り組み。

静岡県や横浜市、室蘭市などでは独自のカタログサイト(HP上にデータを掲載)を整備しており、佐賀県武雄市、千葉市、福岡市など4自治体で構成す る協議会(今年1月発足)ではシンポジウムの開催や、活用のアイデア募集などを行なっている。岐阜県ではスマホアプリ開発者の交流イベントを9月に実施。

など、自治体間でオープンデータの有効な活用事例などを共有することによって、さらに取り組みは加速するのだろうと感じます。

さらに、2016年夏季オリンピック開催地のリオデジャネイロにおいてのオープンガヴァメントへの取り組みも紹介します。今年の9月に始まったばか りの施策“RIO+”「市民権」「コミュニティ」「モビリティ」「教育」など12のテーマに沿ったプロジェクトやアイデアをウェブサイトから市政府へ直接 提案出来る。リオ市民であれば誰でも参加可能だ。提出されたプロジェクトは、市民の人気投票にかけられ、評価の高いプロジェクトは、市の政策として正式に 採用される。既に1200を超えるエントリーがあるといい、なかには、“ゴミゼロ運動”を推進するため、ゴミを所定の場所に捨てるとココナッツジュースが 貰える!といった楽しいアイデアもあったとか。また、市長が出席するイベント、インタビュー、記者会見などはすべてライブでストリーミング中継され、市政 の透明性アップも図っている。

これからの政治・行政課題について制度的問題あるいは構造的問題として捉え、この視点をもってオープンガヴァメントの可能性を探らなければいけない。これまでの自発的な政治的主体から無自覚的な政治主体モデルを前提とした「政治」概念の更新はまさにオープンガヴァメントの本質なのだと思う。目に見える、大文字の政治性を有さなくとも、生きることが政治となる社会、 そんな新しい社会を生み出すことがオープンガヴァメントには可能なのかもしれません。 ソーシャルメディアを使う人は若い世代が主体で社会全体からみればまだ一部に過ぎない。しかし、投票にも行かず、社会で声を上げる機会が少なかったひとた ちから幅広く、しかも低コストで意見を吸い上げられる可能性はおおいにあるのではないか。「ひらかれた行政」「デジタル時代のガヴァメント」、若い世代の 我々はおおいに大森新市長に期待しておるところであります。

(1) さらなる岡山の飛躍のための道具として、IT技術によるオープンデータの活用等、まさに「オープンガヴァメント」への取り組み、大森新市長はいかにお感じになられますか?所感をお聞かせ下さい。

<局長>
インターネットを利活用して行政機関が積極的にデータの収集・提供を行う、いわゆる「オープン ガヴァメント(行政機関のオープン化)」の取組みは、行政の透明性・信頼性の向上のみならず、行政への市民参加を促し、さらには、企業や市民の創意工夫を 活かした多様なサービスの展開や新ビジネスの創出なども期待されるものと認識しております。
本市においても、保有する統計情報や市民意識調査等のデータについては、ホームページにおいて、市民の方が活用しやすい形で公表しています。さらに、分か りやすい地図の形で、公共施設のほか、避難所、選挙投票所、AED設置施設、赤ちゃんの駅、米粉マップなど市の各事業に関連する民間施設などについても、 ホームページで公表しております。
また、インターネットを利活用した市民参加の取組みとして、公式ホームページ等によるアンケート、パブリックコメントや市政全般に対するご意見・ご提案の 受付、「みんなで集める情報たから箱」による市民からの情報投稿のほか、市民からのアイデアを求めた、岡山の魅力をPRする「岡山スマホアプリコンテスト (伝説の岡山アプリ)」の開催等を実施しております。
引き続き、IT技術を利活用した情報発信・情報共有を進めるため、市民ニーズを踏まえながら、行政データの公開等を進めるとともに、国や他都市等の取組みを研究してまいりたいと考えております。

<森山再質>
残念ながら、本市におけるオープンデータ活用の取り組みは市民(特に若い世代)に届いていない(議員の私もこんなに取り組みがあるとは知りませんでし た)。「自治体によるハードとソフトの環境整備」「積極的なPR」そして、「対外的評価の獲得」この三要素を満たして初めて地域発のオープンガバメントに 成り得るのだと思う。本市はPRが非常に弱い、よって外部評価もない。

市長が就任なされてしきりに「積極的情報PR」を掲げられているのだから、これは当局も議会も全力で支えていかなければならなのだと思う。
行政の既存業務をそのままオンライン化するだけでなく、IT化に向けた中長期にわたる計画的投資、庁内横断的な類似業務・事業の整理等が必要ではないですか?結果、行政の簡素化・効率化につながると思うのですが。

岡山市にとって、情報化と情報技術の導入は目指すべき目標となってしまってはないか?情報化はあくまで市民協働推進や創造的な自治体経営、また多様な市民ニーズの集積の手段であって目的ではない。

「ソーシャルメディア推進室」をつくり、例えば、市長一番の政策「大盛りトーク」を配信をして行くべきだと思うのですが。これについては市長のご判断でなければ難しいと思われます?ご所見をお願いします。

<市長>
オープンガバメントということで、IT技術を駆使すべき、また、そのための部署を設けてはという話がありました。私はもちろん、ITも一つの手段であるか
ら、そういうものを積極的に活用していくということについては賛成です。もちろん、費用面とか手間隙の問題も考慮しないといけませんが、積極的に対応すべきだと思います。
ただ、その前に考えないといけないのは、政策決定過程をどう表に出していくかということで、これが重要だと思っています。まずは、それが根本の話で、そこから今度は手段の問題になると思います。

(2)長年の課題とされる若者の政治・行政離れ、選挙における低投票率(このたびの市長選挙約30%というのはその現れ)、これからの現役世代の重要課題について大森新市長はいかにお考えであるのか、是非ともお聞かせ下さい。

<市長>
「若者の政治行政離れ」はよく言われており、大きな課題と受け止めています。
街を持続的に発展させていくためには、若い世代や働き盛りの世代に目を向けた政策も重要であると考えています。こうした世代のニーズに対応するため、経済 活動を活性化させるとともに、子育てを応援する環境を整え、あわせて女性の力が最大限に発揮できる地域社会づくりや教育再生などに取り組むことが重要だと 思っています。こうした若い世代も含め市民の皆様の声やニーズをしっかりと政策に反映しながら、より活力があり、より住みやすいまちづくりを進めて行きた いと思っています。

(3) ESD世界会議開催成功へ向け、先月共同開催地である愛知へ視察に行って参りました。印象的だったのはNPOが様々な主体の連携のハブになり得ていたこと。大森新市政になったことでNPOをしっかりと育てて頂きたいと思います。

ア「オープンガヴァメント」の担い手としてまずもって期待されるのがNPOの存在です。市長はNPOに対してどのような印象をお持ちでしょうか?

<市長>
NPOの印象ついてですが、私が国の役人であったときに内閣府で防災担当をしたことがあります。特に災害の復旧・復興支援という面で、NPOの皆様方
が、自ら今何が求められているのかを考え、掴み、そして自ら動いていく、こういうNPO法人の活躍を、本当に目の当たりにしてきました。岡山に戻ってき て、何度かNPO法人の方にもお会いしました。地域の課題を自らの課題とし、解決のために行動するNPO法人が岡山市内にも数多くあると思っています。今 後、岡山市が抱えている課題を解決していく上でも、また、多様化する市民のニーズに応える上でも、NPO法人との共同は欠かせないと思っています。

イ NPOに対しての施策は20政令市のなかでも、岡山県内のなかでも、もっとも力が入っていないのが本市であります(岡山恊働のまちづくり条例の 改正も必要ですが、、)。これからの市民恊働を実現するためには質の高いNPOが必要で、推進支援策は必須かと思われます。昨年来、私の個人質問でさせて いただいております、「公募型の提案事業制度」についてはご検討頂けておりますでしょうか?

<局長>
NPOと岡山市との協働をすすめるために、昨年度、公募による「岡山市・NPO協働推進協議会」と、庁内組織である「岡山市市民協働推進会議・同ワーキン グチーム」を設置し、職員とNPO法人との合同研修会や市民協働フォーラムを合同で開催するなど、相互の協働推進の意識啓発を図るとともに、協働の現状把 握や、協働を進めていくうえでの課題などについて話し合いをしてきたところです。
現在、岡山市における市民協働の現状をふまえて今後、NPOとの協働を進めるためには、どのような施策が有効か、必要かなどを整理しているところであり、議員がおっしゃるような、「提案型の市民協働事業の制度」も含め検討をしているところです。

ウ ESD世界会議開催の成功とこれからの岡山市におけるESD事業について、NPO等の市民団体を巻き込んでいく必要があると思いますが、本市には多くの政令市が有する市民恊働の受け皿となる「センター」、「場」の整備が出来ておりません。ご所見を願います。

<局長>
ESD世界会議を契機として、市民団体、NPO法人等を巻き込み、持続可能な岡山市のまちづくりの活動を広げ、世界会議後も継続的に進展させていくことが 大切であると考えており、議員ご指摘の「市民協働の受け皿であり活動拠点となるセンター」が有効であると考えております。
そのためには、NPO自身による主体的な運営を基本に、ESDに取り組む市民活動団体の支援、啓発、また団体間のネットワーク等を行う機能を持った市民活動センターのようなものを検討していきたいと考えております。

2 おかやま都心創生まちづくりについて

先日、この事業の一の矢であった市民会館・市民文化ホールの構想が白紙に戻りました。私は、この方針転換を良かったと捉えております。なぜなら、もう一度、この事業について多様な意見を集約しより具体的なビジョンを掲げる必要があると感じていたからです。

岡山県は西に大原家を中心とした美観地区、海にベネッセさんが仕掛ける島々とアート、また、今後、県北においてもクロスカンパニーさんが中山間地と アートをテーマに事業展開すると聞いております。マチナカにおいても、市民劇場の方々の活動、またライブハウス等においての音楽産業は盛んで中四国ではそ の盛り上がりはダントツで一番であります。ひょっとしたら、西日本でも随一かもしれません。岡山県内のアートによるトライアングルの中心に位置するのが本 市であり、その、まさにコアを成すのが岡山城後楽園を要するカルチャーゾーンエリアであります。駅前からの回遊性の向上も大切ですが、まずは、このエリア 自体の回遊性を再構築しアートによる観光産業強化をしなければなりません。その為には新たなランドマークエリアの存在が必要だと考えます。

これは提案です。中長期的目標として、西の丸エリアにあたる石山公園、市民会館、NHK跡地、内山下小学校跡地を一体的に整備する事で、インパクト あるランドマーク足り得るのだと思います。対外的には、冒頭申し上げたアートによる観光産業の創出拠点、また地域的には、この地は岡山中央小学校区であり ますが、約10年前に5校の統廃合があったこともあり、その後地域の繋がりが希薄だという課題がある(さらに、中央公民館の移転によりこのエリアには人口 密集にもかかわらず公民館がないという不合理)。まず、短期的な取り組みとして、アートによる観光産業とコミュニティ
の両課題を解決する「コミュニティアート(市民恊働による文化創造発信)」の拠点として旧内山下小学校をリノベーションするべきだと考えます。前例としま しては金沢においての21世紀美術館がその役割を果たしているように思います。これは、同時に、地域の教育力向上にも繋がると考えます。

岡山県というところはまさにものづくりを通した文化芸術、アートが流行りではなく歴史的に根付いていおり、素地はある。しかしながら、これら岡山全 体としての統一的なブランティングはなかった。後楽園岡山城の一体運営を表明され、市域を超えた振興を表明された新市長であります、まさに「新たな挑戦」 へ挑んで頂きたいです。

(1)あらたなインパクトのある魅力溢れるランドマークをつくらなければ、回遊性の向上は難 しいと推測します。西の丸エリアにあたる石山公園、市民会館、NHK跡地、旧内山下小学校を一体的に整備することを中長期的に捉え、とりかかりとして、旧 内山下小学校を“コミュニティアートセンター”へとリノベーションする、という提案、いかがお感じに思われますか?

(2)今年の2月、6月議会の私の旧内山下小学校活用についての議会質問にて、とりかかりと して「将来に備えるための活用」から始める事をを考えても良いのではないか?地域コミュニティ活動やNPO等の公的機関が行う一時的事業など有効かつ効率 的な活用を続けながら、「様々な事例の集積をし、将来の需要に繋げて行く」そのための庁内において環境整備が必要ではないか?という質問をさせて頂いてお ります。

ア 耐震調査の結果はどうだったでしょうか?また、それをうけてどのようなお考えをお持ちであるのか?

イ 関係部局との連携はどのような状況でしょうか?

ウ 現在所管の教育委員会は今後どのようにお考えでしょうか?

<教育長>
「現在のところ,施設は地域住民等の社会教育や文化・スポーツ活動などに活用されておりますが,今後の活用方法等については,広く市民が利用可能な視点も含め,整理されていくものと考えます。」

エ「廃校跡地の活用するため」のビジョンを作成にとりかかる為に、地域で活動する方々やNPO等を巻き込んだ意見交換会をされてみてはいかがでしょ うか?若い世代を巻き込んだ会にする必要があると思います。市長の取り組む「大盛りトーク」の若者版として最近各自治体での活用もみられるワールドカフェ を使ったワークショップを旧内山下小学校にて企画されてみてはいかがでしょうか?

<政策局長ア、イ、エ一括答弁>
旧内山下小学校の活用及び耐震調査結果につきましては、明政クラブを代表しての升永議員並びに公明党を代表しての磯野議員にお答えしたとおりでございます。
議員ご提案の「コミュニティアートセンター」についても、貴重なご意見とさせていただきたいと存じます。
岡山市都心創生まちづくり構想の検討を行うため、関係局長級職員で構成する「岡山市都心創生まちづくり構想検討委員会」及び検討委員会の担任事務に関する 個別的事項を検討するため課長級職員で構成する「幹事会」、さらには幹事会の事務の執行を補助するため、関係職員で構成する「ワーキンググループ」を設置 し、関係部署が様々な意見を出し合い、検討・協議してきたところです。
旧内山下小学校校舎に係る耐震診断の暫定結果を受け、今後、改めて広く市民の皆様のご意見を伺うことについては、様々な分野からのご意見を自由にお聞かせ いただけるような方法を検討してまいりたいと考えております。議員ご提案のいわゆる『ワールドカフェ』方式を使ったワークショップについても貴重なご意見 とさせていただきたいと思います。

3 さらなる持続可能な公共交通政策への取り組みを~カーシェアリング事業~

超小型モビリティ、聞き慣れない名前ですが、国土交通省の定義によれば「自動車よりもコンパクトで、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度 の車両」といいます。特徴はコンパクトであると同時に、自動車の1/6程度というエネルギー消費量の少なさ。CO2の削減や世界的に都市化が進む中での渋 滞や駐車場不足といった問題の解決、高齢者の移動手段の確保など超小型モビリティには大いなる可能性が秘められています。

2013年5月国土交通省はこの普及のための先行事例となる13の事業を認定しております。なかでもスケールが大きいのは日産自動車と横浜市による 大規模なカーシェアリング事業であります。横浜市内(観光スポットを中心に)に50台以上の日産製超小型EV「ニューモビリティコンセプト」を配置する。 普通免許と会員証をもっていればコミュニティサイクル並みに手続きは簡単だそうであります。

来年度にはESD世界会議も開催され、大切なのは来年度から岡山市において持続可能な地域がつくられていくことだと思います。その意味で、この取り組みというのは非常にインパクトがあるのではないかと思います。

(1)市長出身の国土交通省が旗を振る施策であります。これからの岡山市中心市街地の活性化について、来年度はESDの世界会議も開催されるこの岡山市において、例えば、岡山の地元企業である三菱自動車さんとカーシェアリング事業を検討されてみてはいかがでしょうか?

<局長>
議員ご案内の横浜市のカーシェアリング事業は、国土交通省の「超小型モビリティ導入」事業による実証実験として行われるもので、「低炭素交通の推進」、 「都市生活・移動のクオリティアップ」、「観光の振興」を目的に、中心市街地における新たな移動手段として、定員2名の超小型電気自動車を使って行われる ものです。
これまで他都市で行われてきた実証実験では、既存の交通手段との機能分担のあり方、既存道路における超小型車の走行空間の確保、急速充電などが課題としてあげられています。
岡山市は、都市交通戦略の推進のもと、中心市街地において、自動車交通を減少させ、歩行者、自転車、公共交通優先の空間形成を図るための施策を展開しているところです。
横浜市で行われているような中心市街地での超小型電気自動車を活用した取り組みにつきまして、課題に対する具体的対策、事業効果、利用者の評価などについて注視してまいりたいと考えております。