2011年 9月 定例議会個人質問
2011.09.12

shisei_moriyama

9月定例議会個人質問 市民ネット モリヤマコウジ

今回で2回目の個人質問になりますが今回も若い世代、そして今、マチナカにある声を持って参りましたので本日も宜しくお願い致します。
早速でございますが通告に従いまして質問の方をさせて頂きたいと思います。

1.「3.11以降の新しい岡山市ならではの若者に向けたシティープロモーションの政策」について

ここ最近の市長はシティープロモーションについて精力的になさっておられます。我が岡山市は政令都市になって何が売りなのか、そして政令都市になっ てこれまでよ何が変わったのか?ということを形にする事に力を注ぐべきだと考えます。特にこれからを担う若者たちに向け「岡山市らしさ」というものを再考 しパッケージングして県内外に発信していく必要があるかと思います。

私は生まれは岡山ですが小中高と多感な時期を広島で過ごしまして大学進学により縁あって岡山へ戻って参りました。今でも鮮烈に脳裏に焼き付いており ますが、駅を降り立ってすぐの線路沿いのフェンスに大きな大弾幕、そこにある『燃えろおかやま』というメッセージ、、。当時18歳の学生の私でも「ああ、 いまいち燃えあがらない県民性なんだなあ」と少し残念に思った事を憶えております。

岡山に来てからまず印象的だったのは岡山人の愛県心の低さでした。私は広島から引っ越して来た訳ですが広島人はものすごく広島人である事を誇りに 思っているんですね。原爆ドームや宮島、お好み焼きなど全世代そして全国になじみあるものがある、というのはもちろんですが、特に若い世代が熱狂するス ポーツである野球は広島東洋カープ、サッカーはサンフレッチェ広島、などの少年期にはかかせないスター選手の存在が一役かっていたのは間違いないかと思わ れます。当時元カープの捕手の達川選手が全国テレビのスポーツニュースで思いっきり広島弁で喋くりまくっていたのも当時は子供ながらなんだか嬉しかったこ とを憶えております。しかし、岡山でもここ最近になってファジアーノ岡山の活躍や、なでしこブームと、ようやく盛り上がる気配は出てきていると思われます がまだまだまだまだ足りないですよね。どうも決め手に欠く本市ではあります。6月の定例議会でも政隆会さんの森脇議員が岡山市のコアコンピタンスとは何 か?という問いを発せられておりました。

私は5年前までカフェバーのカウンターの中におった訳ですがお客さん同士の会話なんかでいろんな話を耳にしておりましたが特に印象にあるのが「岡山 は人と人の繋がりが薄い」それは「災害がないから助け合わんでええんよ」と。はじめてこのフレーズを聞いた時には成る程なあ、と妙に感心してしまったもの ですが、こんなイメージがはびこってはたまったもんじゃないんですが、、しかし”災害がないことがウィークポイント”、というのもなんだか寂しいなあと 思っておりました。

ところが、今年の3.11以降、岡山に大きな変化が訪れております。主に20代~30代の若者の家族や夫婦共々が首都圏から岡山市への移住が始まっ ているのです。原発移住です。岡山に縁もゆかりもない方々も多数。どうして、岡山への移住を決めたのですか?とお聞きすると「災害がないから」と言われま す。僕の把握しているだけでも10家族25人がおられます。不動産へ問い合わせしてみたところ県外からの毎月物件の問い合わせは約100件、契約も約10 件に登っているそうです。震災後で移住者は約50世帯になる訳ですね。この、首都圏から地方への移住はテレビや新聞でのメディアではあまり取り上げられて いないですがツイッターやフェスブック等のインターネットメディアではこの動きは全国的に話題になっております。そして、ここで注目したいのは、皆さん仕 事はものづくり関係、クリエイティブな仕事をされている方々ばかりなんですね、インターネットがあれば職場の場所は問わないという事なんですね、そして彼 らにとって本市は交通の結節点になっているというのも魅力になっていると思われます。

児島のジーンズや備前の備前焼、長船の名刀、倉敷の民芸など岡山はものづくり県というところにある、実直で不器用な「職人気質」というのが岡山人の 誇るべき気質だと私は思っておりますし、そんな岡山人であることを私は誇りに思っております。しかし、その「職人気質」の良さは地味な事もありなかなか伝 えにくいし、それを良さとしてのアピールもこれまで無かったんだと思います。(まあ、それが岡山の良さと言ってしまえばそれはそれなんでしょうが、、。)

このタイミングに本市は「晴れの国おかやま、災害のない岡山市」と「職人気質の市民性」の相乗効果でこれまでにない価値感を生み出せると思うのですが。

(1)ここで質問ですが本市においてこれまで「災害がない」という事が反作用しウィークポイ ントになっていたのですが、特に若い世代に向けこのウィークポイントをチャームポイントに変える絶好の機会が今到来したのではないかと思われますがこの事 について上記を踏まえた『新しい岡山市』を掲げるシティープロモーションは考えられないでしょうか?是非とも市長からのご所見を頂戴したいと思います。

経済局長答弁
全国の各都市では、都市戦略として、様々な形によるシティプロモーション活動を通じて、観光・コンベンションなど交流人口の呼び込み、企業誘致、あるいは定住促進等を進めています。
本市においても、「水と緑・庭園都市」という都市イメージや、「中四国の交通の結節点」「災害の少ない安全性」「恵まれた自然」「住みやすさ」「医療・福祉」等の優位性をセールスポイントに、積極的な取組を行っているところです。
議員ご指摘のように、東日本大震災以降、災害の少なさと交通の利便性を求めて、若いクリエイターたちが本市に定住する傾向が見られるということは、大きなチャンスと思っております。
また、災害についてはかつて、平成7年の阪神淡路大震災においては、隣の県ということもあって熱く燃えて、ボランティア活動に積極的に参加したのが岡山県 人とも言われています。このことは、本来、岡山の人々は、大事の時には心ひとつにして助け合うことの大切さを知っていることの現われではないかと思ってお ります。
こうした意味から、現在行っている「がんばろう日本!岡山の元気をとどけよう」という市民キャンペーンも、岡山市民の心をひとつにする岡山のプロモーションの形であるとも思っております。
今後とも、岡山のブランドやイメージを、いかにインパクトのある具体的な形にし、それを情報発信していくかということに、官民挙げて知恵を結集しながら、岡山のプロモーション活動に取り組んでまいりたいと考えております。

2.「NPO法改正に伴う条例の制定等」について

次に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法の改正についてお伺いします。先に、竹之内議員のご質問にもございましたが、私は少し違った角度からお 伺いをさせて頂きたいとおもいます。2011年6月15日に超党派の議員連盟によりNPO法改正案が成立し、来年の4月1日より施行されることになってお りますが、今回の改正にはいくつかの大きなポイントがありますが、その中の一つに所轄庁のことがあります。

つまり、これまでは都道府県または複数の都道府県にまたがって事務所を設置する場合は内閣府とされていた所轄庁が、都道府県または政令市へと変更に なりました。当然、政令市である本市は所轄庁となり、NPO法人の認証、そして、今回の改正において、これも大きなポイントとなる認定NPO法人の認定を 行うことになるかと思います。
また、それらを行っていくためには条例制定が必要であり、その準備をすすめておられることかと存じますが、、。

(1) ここで質問です。NPO法は、法がつくられた経緯や内容をみても、市民による市民の ための法律です。当然、その運用を考える条例についても市民の声、岡山市内で地域の課題解決のために活動しているNPOの声を聴き、その声を条例に反映す るのは当然のことだと思います。”行政と地域地縁組織とNPO法人”が共に条例をつくっていく事が必要であると考えます。パブリックコメントなどは準備を されていることかと存じますが、もう一歩進んで、条例制定のための市民委員会の設置を提案したいがいかがでしょうか?

安全安心ネットワーク局長答弁
今回、特定非営利活動促進法が6月15日に改正されたものの、法改正に伴う国の省令等の改正が遅れており、条例制定準備に取りかかれない状況であります。
また、県内の岡山市以外に事務所が所在するNPO法人の認証・認定の所轄庁となる岡山県の条例の基準等が異なると、NPO法人やNPO法人へ寄附しようとする市民の混乱が生じるため岡山県との調整も必要と考えております。
一方で、平成24年4月1日から条例を施行し、認定業務を開始する必要があり、NPO法人や市民への周知期間も必要であることから、条例制定に向けての時 間的な制約は大変厳しいものがあり、議員ご指摘の市民委員会の設置は困難であることをご理解いただきたいと考えております。
しかしながら、限られた時間の中でよりよい制度とするため、パブリックコメントを実施し、できるだけNPO法人や市民の意見を反映したものになるよう努力したいと考えております。

また、今回のNPO法改正とあわせて進みました、いわゆる新寄付税制についてですが現在全国で4万2千を超えるNPO法人のうち寄付者が減税を受け られるのは200余。減税適用の条件が厳しかった為です。法改正では要件を大幅に緩和。100人からそれぞれ3千円以上の寄付を集めれば良い事となりまし た。これによってますますNPOへのニーズは加速すると思われますが、NPOにとって最も大きな課題は活動財源にあります。この認定NPO法人となること で、寄付が受けやすくなり、市内のNPOにも市民の寄付により活動を拡大できる可能性もあるでしょう。そういった状況の中では認定NPO法人の取得窓口も 本市になったことは大きな変化です。若い世代の起業もこれまでは個人や有限会社などでしたが昨今の若い世代の興味というのは特に福祉や教育、ものづくりや スローライフ、特に注目を集めるコミュニティづくり等に関してでありそういった面からもNPOで、という若者が増えております。また、無縁社会と呼ばれる 地域コミュニティを問い直した時にもこのNPOを支援するという事は地域を繋ぐ鍵の一つにになるのだと私は考えております。

しかし、現在本市にはNPOや協働を名称に冠した担当課はなく、近隣の市町村に比べてもNPOやボランティアグループに対する施策は多いとは言えま せん。認定の相談を受けることになれば、現在以上にNPOによる相談も増えていくことが予測されますが、十分な対応が可能でしょうか?。 ここで、質問です。

(2)今後のNPO支援施策、特に倉敷市、津山市、真庭市、井原市、笠岡市などでも設置して いるようなボランティア・NPO支援のための支援施設は岡山市には無いんですね。政令市の中でもNPO支援センターをもっていない自治体は少ないと聞きま す。市内には県の支援センターもあるので同様なものをつくる事は最適ではないが地域に根ざした活動支援や団体間のコーディネートが出来る専門機関が必要な のでは無いでしょうか?

安全安心ネットワーク局長答弁
議員ご指摘のとおり、南方二丁目に岡山県設置の岡山県ボランティア・NPO活動支援センターがあり、NPO法人の立ち上げや活動等の専門的な支援を行っております。
今後は、県の活動支援センターとの役割分担のあり方や連携のあり方について協議しながら、岡山市としてのNPO法人に対する支援策を研究して参りたいと考えております。
また、NPO法人相互の連携を強め、コミュニケーションが図れるような交流会を行うなど、ソフト的な支援策の検討も進めていきたいと考えております。

(3) 只今、市内には9月1日現在で257のNPO法人がございますがこれらの法人がどん な活動をしているのかもっと広く市民には知らされれるような施策はないですか?たとえば市のホームページにまとめて紹介するコーナーがあるだけでも大きな 一歩だと思いますが。NPO法人や認定NPO法人をあらゆる世代へ向け啓発、認知拡大が必要だとは思うが如何でしょうか?

安全安心ネットワーク局長答弁
現在、市内を含め、県内のNPO法人の活動分野等に関する情報は、岡山県の県民生活交通課や県の活動支援センターのホームページ等では紹介されておりますが、本市のホームページには、議員ご指摘の紹介コーナーなどは設けておりません。
今後、市民の方に対して、NPO法人や認定NPO法人の制度やその社会的役割等についての啓発を進めるとともに、より多くの方に認知していただくため、各法人の活動内容等を市のホームページに掲載するよう準備したいと考えております。

(4) 安全安心ネットワーク推進室の中に公聴、町内会、NPOの担当が集められているが公 聴もそうだが、とりわけNPOの担当がなぜ「安全安心ネットワーク」なのか?少し、違和感を持ちます。市長は市民にわかりやすい機構づくりを進めてこられ たとは思いますが分かり易さの観点からも見直しが必要ではないでしょうか?

安全安心ネットワーク局長答弁
安全・安心ネットワーク推進室では、安全・安心ネットワーク、広聴、町内会、NPO法人等の業務を合わせて所管しておりますが、市民協働という観点から、 NPO法人が行おうとしている福祉の増進やまちづくりといった活動も市が進めている豊かで活力のある地域づくりにもつながっていくものと認識しており、町 内会等の地域活動などとともに一体的に所管することがより効率的であると考えております。
今後、こうした点を市民にわかり易く周知していきたいと考えております。

(5) 認定NPO制度についても基準が緩和され税制優遇がよりうけられやすくすることでNPO活動の活性化をはかろうとするものである。自治体で独自の認定も出来る事になっているが岡山市独自の認定などをを予定などありますか?

安全安心ネットワーク局長答弁
今回の地方税法の改正等により、地域において活動するNPO法人を支援するため、認定NPO法人以外のNPO法人への寄附金であっても、地方団体が条例において個別に指定すれば、個人住民税の寄附金税額控除の対象とすることができるようになりました。
本市においても現在検討中ではありますが、住民福祉の増進に寄与し、本市にとって有益であると認められるNPO法人については条例指定することを考えております。

以上です。ご対応宜しくお願い致します、ご清聴ありがとうございました。